割と身近な、横紋筋融解症とは。

横紋筋融解症とは、筋肉を作っている骨格筋細胞が溶ける（融解）や死んだり（壊死）が起こり，筋肉の成分が血液中に流れてしまう病気です。

これがなぜ身近なのか？
それは脱水や筋トレ後、あるいは飲んだ薬剤の影響により起こる可能性がある病気だからです。

横紋筋融解症のメカニズム
何らかの原因で筋肉がダメージを受ると、壊死筋細胞内にある鉄を含んだミオグロビンという赤いタンパク質が大量に血液に流れ、尿を作る腎臓（尿細管）が処理できなくなります。すると赤褐色（ミオグロビン）尿が出てて、やがて尿が出なくなり急性腎不全を起こしてしまいます。急性腎不全は死に繋がります。

横紋筋融解症はなぜ起こるの？
熱射病による脱水や薬物の影響、筋トレ後の痙攣など筋肉壊死があります。また大災害が起こると、身体に大規模な筋肉衝撃や破壊が起こります（クラッシュ症候群）。

我が国でも1995年阪神淡路大震災で長時間に渡り、四肢が圧迫された状態が起こり、370人以上のクラッシュ症候群の患者が発生し、そのうちの約50人が亡くなったといわれます。また過度のアルコール摂取、過度の運動などが挙げられます。一見、「筋肉が死ぬ」なんて関係ない病気のように思われますが、夏によく聞く「脱水」や筋トレ後にも起こり得ることを考えると、誰にでも起こりうる身近な病気なのかなと思います。2〜3日痛みがなくなる筋肉痛なら問題ありません。

　◉こんな症状はないですか
　・手足がしびれる
　・手足に力がはいらない（筋力低下）
　・手足・肩・腰・全身の筋肉が痛む（筋肉痛，圧
　　痛），こわばったりする
　・全身がだるい
　・尿の色が赤褐色になる。

治療法
早期大量輸液，高カリウム血症対策と尿アルカリ化，強制利尿が急性腎不全の治療およびその予防としておこなわれます。腎障害を予防する特効薬はなく、速やかな輸液などによる脱水の改善などの治療にとどまり、急性腎不全となった場合には救命のための血液透析療法が対症療法として行われています。

当てはまる症状があれば、医療機関の受診をお勧めします。

このご時世、不要な外出を避け家にこもり太ってしまう人もいるかもしれません。逆にこの機会に生活を見直し体質改善して、筋トレを頑張る人もいると思います。激しいワークアウトは好きですか？

外の気温が高くなると、室内でも熱中症になる可能性があります。さらに激しいワークアウトを行うと脱水になる可能性が高まります。自分の身体と対話して、無理のない範囲で頑張っていきましょう。

最後まで読んでくださってありがとうございました。
今まで関わらない分野で、少しでも興味を持ってくださったら嬉しいです。また読んでくださいね。