お仕事の話

何が自慢かというと、仕事を続けてきたことだけは胸を張れる。職種の明言は避けるが、俗に言う「人の役に立つ」類のやつだ。

でも本心は「情けは人の為ならず」で、私は自分のために働いている。もちろんお金。次に仕事をするのはストレス発散になる。極めつけは人の為になることをして見返りがない。給料はもらうしその場で嬉しい言葉も頂戴するが、それ以上の関係にならないのが私にとってはとても心地が良いのだ。

とはいえ様々な事情があり3,4回は本気で辞めると決心した。仕事そのものが嫌だった訳では無いが、体調や家庭の事情でどうしても続けられないと思った。

上司は「絶対に必要な人だから続けられる方法を探そう」と言ってくれた。日々のささいな相談もただの雑談もしながら乗り越えた。今でも憧れの人で、いつかああなりたいと思い日々精進している。

妹は「向いているし社会的にも必要な仕事だから絶対にやめちゃいけない」「手伝うから仕事は続けてほしい」と言った。言うだけじゃない、本当に困った時に妹を頼ったら嫌な顔ひとつせず引き受けてくれた。今でも慕ってくれていてるので一生仲良くしてたい。

父は「仕事は手段でしかない」「お金は他でも稼げるんだから仕事を目的にしてはいけない」と言った。ごもっともだと我に返った。冒頭で述べたように職種に意義があるから、私は勘違いして大切なものを見失うところだった。そういう当たり前の優しさを見習いたい。

母は何も言わなかった。同業なのもあり普段から深い話をしていたからだと思う。あと私はよく躓くけどいつも自分で立ち直るのを母は知っているのだ。いつも助言などせずに自分で決めさせてくれる。相手を尊重する度胸をつけたい。

自分自身で乗り越えたことは何一つなく、周りに生かされてここまできたんだと思う。自慢できるのは仕事を続けたことではなくて、支えてくれる人がいた事だ。そんな単純で大切な事にこの記事を書くまで気づけないなんてつくづく私はダメなヤツだ。まだまだ、馬鹿は精進あるのみ。

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