ちびまる子ちゃん

ついに決まりましたね、ちびまる子ちゃんの新しい声優さん!
54歳ブラジル人の男性だなんてびっくりして思わず片膝ついちゃいました。





ごめんなさい、それビスマルクちゃんでした!



改めまして!

TARAKOさんて本当に素敵な声優さんでしたね。
あのなんとも言えない味のある声は発声のヒントすら見つけられなくて、どこか早熟な口ぶりなのに子供らしい可愛らしさも人間味もあって。

わたしはTARAKOさんについて詳しいわけではないのですが、TARAKOさんの声に育ててもらったので、まるちゃんのバトンタッチの前に、ちょいとちびまる子ちゃんについて書いてみようと思います!



はじまりはじまり、である。


今まで、色んなアニメを年齢と共に卒業してきたけれど、まるちゃんは卒業の気配を見せないまま37歳のわたしの毎週録画の中にいる。

ドラマやバラエティより一瞬を見逃しても平気で、何も考えず片手間でもいい、自分の心境もおかまいなしに観られちゃう。
だから、どれを観ようか腰が重くなってると、決まってまるちゃんが、
これにしときなよ、あんた。
と無責任に手招きをしてくれる。

そんなまるちゃんだけど正直に言っちゃうと、わたしは第一期のちびまる子ちゃんが特に大好きだった。
今じゃ流せないひどくて気持ちのいいまっすぐな毒と、良くも悪くも素直なみんなが愛らしく子憎たらしく最高だ。

でも、時代背景は変わらなくても時代は変わるから沿うのは必然で。それはちょっぴり切ないけれど、ちびまる子ちゃんが好きということには変わりない。
だから、結局テレビを買い替えてもまるちゃんはわたしの毎週録画にいて、あんたも好きねぇなんて言われちゃうんだと思う。


ちびまる子ちゃんにお世話になったのはアニメだけじゃない。

子供の頃、女子の大多数は、
「なかよし」「ちゃお」「りぼん」のどれかを読んでいたかと思うけれど、わたしはりぼん派だった。
あの頃は女王「なかよし」のキラキラ感に少し憧れていたけれど、ちびまる子ちゃんは、りぼんで連載されていたので、なかよしになびかなくて良かったと今は思う。

いつも結構うしろの方のページから始まるちびまる子ちゃんは、ラブロマンスやファンタジーでドキドキハラハラした心を、ばかばかしさと愛しい哀愁と安心で包んで、今月のりぼんも良かったなぁと平らにしてくれる。
ちびまる子ちゃんは、人気作がピークをむかえても、どんな大型新人があらわれても、凪だった。
そんないつまでもいてくれると思ってた絶対的存在だったからこそ連載が終わると書いてあった時は、
ガーーーン
と子どもながらに大きなショックを受けた。


だから今回のTARAKOさんの訃報もまた、急にまるちゃんがいなくなっちゃうようでショックだった。
でも、ドラえもんの時よりも大人になってるし、どんなまるちゃんでも毎週録画は変わらないので、明日の菊池こころさんのちびまる子ちゃんも、録画して、いつものように観られるタイミングで、まるちゃんに適当にいざなわれたら観ようと思う、凪。



なんだか、ここで終わるのもしんみりなので、今日は個性しかないちびまる子ちゃんのキャラクター何人かにフォーカスしてみます!



まず、紹介するのはこの人

中野さんっ!

じじい。
中野さんは一番リアルな日本の大人を描いてるんじゃないかな。
空気を読みすぎて失敗しちゃったり、なんかいつもうまくいかなかったり。
でもそこまでいいひとってわけでもなくて。
中野さんのおならの回はその最たるもの。

さくら家に来た中野さんは、みんなでこたつに入ってる時に「ブッ」と鳴り、みんなは中野さんがおならをしたんだと思い、中野さんはそう思われてるだろうなと察し、嫌だなぁと思う。
結局テレビから出た音だとわかるんだけど、中野さんてのはそういう状況になりやすい。

この「そう思われてるだろうな」って意外と当たってるからこそ本来なら中野さんにトンと肩を叩きたくもなるのだけど、、

中野さんって絶妙にイヤな目をしてるの。

そして、おどおど喋るから弱そうなのに、心の声がすごく現実的で的を射ててちょっとイヤな言い方もするからそこまでかわいそうと思えない。
でも、きっと誰もが心の中に小さな中野を飼ってると思う。


ちびまる子ちゃんて、居る居るリアルと、ないない誇張が絶妙で、きっとさくらももこさんが子どもの頃から見てきたイヤな人間模様がみっちり詰まってるんだろうなと感じる。
よく、漫画家さんはすべてのキャラクターを愛してるというけれど、さくらももこさんは絶対こいつのこと好きじゃないよなって人がいて、ニヒルな顔をしながら描いてるのが浮かんじゃう。

だって見て!みぎわさん。
みんな言わなくたってわかるじゃない。
じゃあ見てよ!アマリリス。
絶妙にみぎわさんの犬ってわかるじゃない!
おまけに見て!城ケ崎さん。
ピンク基調の2人が並んだ時のパンチ力ったら。

ある回で、城ケ崎さんが水玉のリボンをしてきた時に、みんなから可愛いと言われてるのを見たみぎわさんと、前田さん(ちょっと!男子ちゃんと掃除して!みたいな子(前田さんの顔の描き方にも悪意あり))が、あたしたちの方が似合うと言い、じゃあつけてくりゃいいじゃんとなり、次の日に実際してきたら、、。

これは、いわゆる同じものを違う人がつけたら、という公開処刑だ。
ここでさくらももこさんのズルいのは、可愛い子を悪く見せないところだ。
ちびまる子ちゃんの世界ってのは言うならば、ルッキズムカーニバルなのだ。
でも、それこそが根っこにあるちびまる子ちゃんの魅力でもある。
だってイヤな顔なのに性格が良すぎちゃうと、その状況に
「かわいそう、、」

が生まれてしまう。
そうなると観てる側は戸惑う。
だからさくらももこさんの世界では、
イヤな顔の人はしっかりイヤな感じ。
そして可愛い子は性格も可愛い。

でも、ほんの少しだけ救済措置がとられてることもある。
みどりちゃん(友蔵さんのお友達の孫)と、冬田さん(大野くんが大好き)は、申し訳程度に声を可愛くしてあるのだ。
言ってもみどりちゃんは、はまじの頭と歯並びを替えただけだし、冬田さんはパンチパーマなのだけど。

あと、その女子四天王は共通してよく泣く。
前田さん以外は好きな男子関係ですぐ泣き、前田さんは大声でキレて泣く。みどりちゃんは昔すごろくやトランプで負けそうになって泣いていた。
ともかくみんなめんどくさくてイラつかせる泣き方をしている。
よく出てくるみぎわさんと前田さんは自己肯定感も高いからなおさらかわいそうに思われない。

でも、よーく探してみると、
みぎわさんはハンカチを持ち歩いてるし
前田さんはおばあちゃん子だし
冬田さんは意外とポジティブだし
みどりちゃんは言葉遣いが丁寧だし

全員、ほんとに申し訳程度のなんかはある。
でも前田さん以外の3人は恋をしてるんだけど絶対実らないと思わずにいられない。
みぎわさんと冬田さんは絶望的で、みどりちゃんは藤木だからなんとかいける?なんて思っても藤木には笹山さんという好きな女子が居て。

でも四天王がいるからちびまる子ちゃんはただのほのぼのアニメだけにならないわけで、むしろ重宝されるべき最高のキャラクターたち。
男子の中にも何人か本場のスパイスを効かせてくれるやつがいてくれる。

ちなみに、男子だと大野くんが断トツ人気だと思うけれど、全学年をとおしたらわからない。
5年生のカメラが好きなキャップうしろかぶりひろしくんや、おねえちゃんのクラスの小山くんもかっこよくて性格もいい。
そういえば!小山くんの親友である根岸くんはめずらしく性格がいい。


あと1人紹介しようっ

川田さん!

おじさん。
川田さんは佐々木のじいさんが木を大切にするように、川を守ってる川田さんだ。
彼もまた人間らしい。
怒りっぽくて奥さんともよくケンカして怒鳴ったりする昭和のお父さんて感じ。
佐々木のじいさんの「木+穏やか」
みたいな、「川+」が何もないから、川田さんが好きな人ってのはあまりいないと思う。
あと奥さんも娘さんもモラハラにあってるような顔をしてる。


川田さんの話で終わろうと思ってたけどちょっと辛気くさくなっちゃったからこの人たちを紹介して終わるね。


富士男と柿絵!

富士男は野口さんのお兄ちゃんで、柿絵はその彼女。
さくらももこさんは、きっとこの2人を四天王以上にクソミソに思ってるんだと思う。
この2人に関しては探してもいいところが1つもなくて、もはや清々しいっ!
あと、すごいイチャイチャするんだけど、
これは、現実世界でも外でイチャイチャしてる人に美男美女がいないことを揶揄してるんじゃないかと思ったりして。

こんな感じで、ちょっと見渡すだけで粒ぞろいのちびまる子ちゃんはやっぱりすごい。
飽きさせてくれないし、たまにおセンチ回でグッともくるし、たまにとんでもないのをいれてくれる時もあって、だから毎週録画はやめられない。
最近では、おじいちゃんと旧友の三田ちゃんのお話が最高だった。


こんな風にちょこっと振り返るだけで傑作があるのも本当にすごい。
個人的には最近あまりないので、まるちゃんになみだの操を歌ってほしいのと、富士男と柿絵が主人公のお話が観たい。

でも結局、
どんなお話でも、色んなバトンタッチがあっても、これからもまるちゃんが、ちびまる子ちゃんが大好きなのだと思いますっ。

後半へは、つづかないけれど
毎週録画はーーつづくっ!

とりあえず、10月からのさくらももこ展が混むのをおそれながら、ゆびを置きたいと思います。

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