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主観を育成する

今回は、逆に今週の質問から書き始めたいと思います。

今週の質問:いいクリエイターってなんだろう?

いいクリエイターの条件・・・

そもそもクリエイターの定義って何だろう?と思ったので調べてみると
自身の技術・スキルを使い、さまざまな発想を具現化する人
と出てきました。

なるほどなるほど。

この定義では、発想を具現化するという行為は、何も自分の発想だけではなく、クライアントの発想を形にする人なのかもしれない。RHRの人たちが特別自我が強いだけで(語弊がありそう)。

となると「自身の技術やスキルを使い」の所について考える必要がありそう。

しかし思ったのは、このロゴス(客観)的な説明では永遠に論争が続くこと。
自身の技術やスキルなんて、コミュ力とか編集技術とか、ピュシス(主観)によって無数にあるから答えが出なさそう。
決してロゴスとピュシスを否定する訳ではないのですが、いい感じに説明はできないか?なんて考えていました。

そこでふと思い浮かんだのは、西田幾多郎の「逆限定」という単語です。
(また小難しい単語を使ってしまったと後悔しています)

超ざっくり説明すると・・・
主体と環境があるとして、環境が主体を形成するんだけれども、主体が環境に働きかけて形成する作用もあるということ。
他にも様々な二項対立で成り立つ、相互作用的なものです。コンヴィヴィってて好きなんですよね。
今回は「過去」「未来」そして「現在」の観点から考えてみたいと思います。

時間というのは過去から未来へと流れていきます。
クリエイターを言い換えれば
「自身が過去から学んだことを、制作として未来に投射する仕事」
と言えると思うんですが、
西田から言わせれば、これだけでは過去から未来への一方的で「限定」的な説明です。

これは自己流の説明になりますが、
一方で時間というのは人間が作り出したものに過ぎず、そこには量子のゆらぎという環境変化のみがあります。
時間などのロゴスとして分化される前の、主客未分(主観と客観に分かれる前)の状態を、西田は「絶対無の場所」と呼びます

つまり、逆もあるのです。
「過去から未来への流れ」だけではなく「未来から過去への流れ」も存在します。

クリエイターで言い換えれば、それは
「未来を予期しながら、過去という記憶の中で必要な情報を部分的に限定し、現在において制作する仕事」といえます。
未来もまた、過去を逆に「限定」しているのですね。

この両者を包含したものが西田のいう「逆限定」であり、
「絶対矛盾的自己同一」や「行為的直観」という言葉でも表現されています。

クリエイターとしての自己が「逆限定」の状態になっているかどうか?という点は、ひとつの抽象的な物差しにならなければなりません(あえて「べき論」で答えています)。
何故か?と理由を問われれば、それは「絶対無の場所」はそうあるべくしてあるからです。

良いクリエイターの絶対矛盾的自己同一をもっと具体的にいえば
・限定の仕方:「過去から学び未来に活かす」クリエイター
・逆限定の仕方:「クライアントと自分が共に喜ぶ未来と納期を予期しつつ、過去の経験を全力で(ある意味で部分的に限定して)投入し、いま制作に没頭する」クリエイター

この両者が合わさった状態なのかな、と思います。

自分はクリエイターでも何でもないので恐縮ですが・・・
書き過ぎな気がするのでこれくらいで。



はい。ここから日記です。時間もないので短めに書きます。

先日、快運営シートの面談をさせていただきました。
私の半期目標の方向性はちょっと意識高い系みたいな感じになっていたのですが、
結果的には「自分の感情を大切にする」みたいな所に、恩田さんと澤さんが導いてくださったように思います。
いや、まさに僕は西田の「主客未分」で「絶対無」の輪郭を掴んだようで、まだ泳げていないんですよね。
どうしてもロゴスで考えてから話そうとしてしまう。

僕は小学生の頃、ベネッセの「かがく組」という本を読んでいたのですが、
主人公は2人の少年少女でして、
確か男の子が「考えるより先に行動するタイプ」
女の子が「行動する前に考えるタイプ(先に行動する男の子に憧れてもいる)」
みたいな説明書きがあったんですよね。

それがやけに今でも記憶に残っていて。
おそらくどっちも大事だと思って、体に従って動いてきた時もあったのですが。
まだまだ何かを恐れていて、それが抜けないようです。

何事も自分がどう思うかではなく客観的に話してしまうので、自分の感情が何なのかを忘れてしまっているように思います。
自分の主体的な感情、エモさがどこにあるのかを探すこと。
これも合わさって、再び主客未分の「絶対無の場所」が見えるようになる、そんな気がしました。

というわけで、来週からはこんな小難しい話はせずに、自分の感情のみを綴る練習をしようと思います。
これ、かなり自分の人生で大きな帰路になりそうです。語りそのものが変わるので。

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