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暮しの手帖

雑誌<暮しの手帖>を知らない人のほうが少ないはずだ。戦後まもなく前身である雑誌<スタイルブック>を創刊、第22号である昭和28年12月号より雑誌名を<暮しの手帖>に変更、「ペンの力であたりまえの暮らしを守る」という創業者で初代編集長・花森安治の理念が今尚、受け継がれた雑誌である。この数年気付けば毎号購入して拝読してる次第だ。読んだことがない人は、是非手にとって目にしてほしい。これが私の結論である。雑誌というメディアを俯瞰し、その中で<暮しの手帖>が日本でどういう役割を担ってきたとか、他の総合生活雑誌と比べてとか、書評家でもないから書けるはずもない。偏った愛読者が<暮しの手帖>のオススメどころを紹介したい。

編集者がすんごい真面目!

あたりまえのことだが真面目な人間でなければ、物事の本質に到達することはできないと思っている。この雑誌の作りは真面目そのものである。事実を赤裸々に伝え、正義の名の下、腐敗を両断するのがジャーナリストであるならば、ジャーナリストは世界で10人もいないのが現状だろう。「何を言ってるんだよ!オマエ!世界で10人!?そんなはずないだろ!?みんな〈真実〉を、〈有益な情報〉を、〈多くの人のより良い暮らし〉を望んでるジャーナリストは数多いるよ!」とおっしゃる方もいるだろうが、望んでいるジャーナリストはゴマンといるだろうが、両断してるのは10人もいないのだ!出版社も真実を書くと取引先銀行の融資がストップする。真実を語ればキチガイ扱い、TV等の各メディアで使ってくれない。なので皆さん忖度し始める。あまり本当の事は言わない方がいい。適当に濁して、誰かが逮捕されてしまうような事実を追い求めるのは止めよう。こうして今やっていけて、適当な事言って、適当な事書いとけば、サラリーマンやってるより金も入ってくるし自由な時間も持てるし…。

完全に腐りきったマスゴミ、それにぶら下がる関係者。残念ながらまともな奴は皆無である。(嘘の情報に埋もれて嘘の情報で真実を解読するお人よしはたくさんいますよw)

でも暮しの手帖にそういった事なかれ主義は一切存在しない。扱ってるカテゴリーがバビロンの怒りの琴線に触れるようなものがないからだ!最新号の目次を見てみよう。

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〈理想の八百屋さんと出会ったら〉は料理研究家の竹花いち子先生が有機栽培無農薬野菜だけを売るこだわりにこだわった商品構成で運営する八百屋さんを数年前に見つけ定期的に野菜を送ってもらっているのだが、その八百屋さんを家に招待、自慢の料理を振舞いながら彼らの人となりに触れる企画。(振る舞った料理のレシピも紹介)

〈至極やさしい金継ぎ教室〉は暮しの手帖の編集部の方々が割れた陶器を持ち寄り金継ぎを体験する。

どれをとっても真実・事実の連続。『地球に生まれてよかった』そんな気持ちにさせてくれる。

『キミさぁ、暮しの手帖のどこが真実・事実の連続なのよ⁉こんなんだったら誰でもできるでしょ⁉池上彰さんは世界情勢を正確に分析してわかりやすく伝えているんだよ!暮しの手帖なんてアンニュイなババァが暇つぶしに読む雑誌だよ!』そんな風に思ったあなたにはもうお話することもありませんのでこのページから去ってください。

誰かの利権の為に捻じ曲げられた真実をならべて、あーでもないこーでもないと御託を並べるよりも〈『木からリンゴが落ちる』隠しようのない事実〉を〈太陽は東から昇り西に沈む〉事を〈庖丁仕事はリズムにのった方が捗る〉現実を、伝えることが真のジャーナリズムと私は疑わない。あたりまえの生活を守る為にはこうした小さな事実の積み重ねが必要なのだ。彼らの描く生活に嘘はない。

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では前述の〈バビロンの怒りの琴線に触れるようなもの〉とはなんだろう?今では云えば、〈ドルが実際は破綻していること〉〈異常気象が起きてるのではなくおこしているんじゃないか?〉〈新型古露奈ウィルスにアビガンが各国で成果を上げているのに未だに日本では効果なしと報道するのはなぜか?〉〈誰も今の政権なんて支持していないのになぜか選挙で圧勝してしまう不思議〉etc権力維持の根幹に関わるこれらの問題で真実に近づけば、相手にされず、書き換えを求められ、場合によっては自殺にみせて殺される。ただ真実のまわりをぶんぶん飛び回り最終的な着地点を真実とかけ離れた場所にすれば、殺されることはないし、却って収入も増える。それが現実である。嫌な世の中である。

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創業者にして初代編集長の花森安治が〈暮しの手帖〉を創刊する前の戦前の仕事は大政翼賛会の外郭団体に籍を置き国策広告の仕事に携わった。戦意高揚のために「進め、一億火の玉だ!」、「屠れ!米英我らの敵だ」、当時の代表的なキャッチコピー「欲しがりません 勝つまでは」は彼が選定したものである。ハイプに踊らされプロパガンダを流す中枢にいた彼だからこそ、戦後いち早く新たな地平線に立てたのかも知れない。

〈ペンの力であたりまえの生活を守る〉

好きな言葉になった。




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