見出し画像

Jビザ取得 with育休夫と赤ん坊

アメリカに行くことに決めるとやらなければならないことがいろいろあった。

3か月以内であれば観光ビザでOK。ただし大学に正式に迎え入れられているわけでないため、図書館などのサービスは使いにくい。ついでに、私が行ける11月からでは、12月のクリスマス休暇などもはさまってしまい、3か月はいかにも中途半端。そういうわけで、ビザ取って、いられるだけいなさい。ということに。たしかに、以前オランダに3か月滞在したときは、様子がわかってきたところで帰国になってしまったのだった。ならば、4か月で。夫の復職面談とか、大事なことをすっとばしても、3月は日本にいないといろいろ不便だということで、11月~2月末の4か月間。

Jビザは交流訪問ビザという。J-1が本人で、一緒に行く人はJ-2になる。Jビザは、政府がお金を出してる人だと、2年間自国で過ごさないと、アメリカにさらにビザを取って滞在できないという条件が付いている。ただし、これはいろいろ手続きすれば免除になるらしい。まあ、そんなに長期で子連れ単身で行けるとは思っていないので、いいや。観光ビザ(3か月以内)での入国が制限されるわけではないみたいだし。

Jビザをとるには、まず、受け入れ先の学部の教授会での承認(これには、何をしたいかを書いた文書とCVを提出した)ののち、Global Education OfficeというところからDS-2019という書類を出してもらう。DS-2019を出すには、各大学の定めによる収入の基準があり、私が行くところは安くて助かった。ちなみに本人1500USD、配偶者500USD、子供200USDの合計2200USD。再開準備支援期間の私の給与はほぼこの額。普通のPDだったら行けなかったね。一人で渡航になってたわ…。この書類を出してもらうのに、所定の書式への記入(パスポート番号や、出生地、各々のメールアドレスが必要)日本学術振興会から英文の採用証明書、銀行から残高証明、それからパスポートの写しを提出した。

しばらくすると、Global Education Officeから「あなたはいま給料を払われていないと書いてある」と連絡があった。学振の書類、但し書きがカッコに入ってるから、今いくら支払われているか、読み取れないらしい。勘弁してくれ(TT) 大事な情報が下に書かれるのって日本式なのかね。「最新の契約書を出しなさい」とメールがあったけれど「これが最新です。よく読めばこの数字の半額が出ていることがわかるはず」と食い下がる。ついでに、受け入れの先生にプッシュするようにお願いメール。うぉーい。

思い描いていた日程から2週間遅れること、DS-2019を入手。その日のうちに、ビザ申請書類をやっつけてしまおうと、がんばる。所要時間は4時間+2時間。うわー。

まず、SEVIS費(180USD)を支払う。これはJ-1の1人分でOKでJ-2の人は払う必要がない。でも手続き料は別に各々160USDずつ必要。つまりかかった費用は180+(160*3)=660USD。うわ~。(さらに大学に着いたら、大学にもいくらか手続き費用を払う必要がある、とな。)

書類の内容は、そこまで複雑じゃない。同じようなものを何度もやる必要があるから参ってくる。あなたはテロリストに手を貸したことがありますか? とか…そういう内容のDS-160というビザアプリケーションフォームをいちいち登録。夫の分も、一応全部本人と確認して、赤ん坊は手を貸しようがないから…などなど。それが終わったら、三人分のDS-160の参照コードをもって、予約申請のアポイントメントをとるための手続きをする。ここで赤ん坊(11か月)が代表者になってしまうも、とりあえず問題なく3人分登録完了。

問題は、手続き費用160ドルの払い方。クレジットカード払いは、1人ずつ、4時間くらいおいてから、などという。それに気付かず一気に3回払うと、同じIDが3連続で振られ、これをフォームに入力すると1人分しか受け付けされない。気付いて『4時間おいて』などという文面を発見して、さらに「non-refundable(払い戻し不可)」の文字に愕然として、数時間ぱにくる。すでに3時間くらい入力し続けてグロッキーになっていたので(途中で電子レンジを使われて、WiFiの接続が切れて書類がだめになったりした)冷静に判断できない。36000円相当を払い戻しできない状態に!?と半泣き。

ついでに、登録したメールアドレスは私のだったのに、赤んぼが代表者になった都合で、なぜか自分のところにメールが来ていなくてぱにくる。よく確認すると赤ちゃん用に作ったメールアドレスにメールが届いていた。

数時間後にサイトに引き返すと、幸いなことに、手続き費用は3人分払われたことになっていた。はぁ~心臓に悪いよ。でもって、翌々日の面接予約もとれたので(サイトには3週間待たされたなんて話もあったけれど、季節が良かったのだろう)さっそく、ビザ面接に行くことに決定。

実は、3週間以内に出張を控えている身としては、パスポートを預けてしまうのは、迷った。しかし、この空き具合。うまくいけば4日でビザがゲットできるという人もいるらしい状況。また、「ビザを得られるまで航空券は買うな」と書いてある現状から、無理くりビザ面接をねじ込んだ。

さて、ビザ面接は朝9時半に予約した。

朝9時半?乳児連れで?東京赤坂?うちは東京郊外。赤ちゃんは面接に来なくてもいいけど、夫はおいていけないから、自動的に3人で行くことに決定。平日朝の満員電車?無理無理。

夫と相談して、前泊することに決定。このへんは、夫の采配。

私は、前日、昼から研究打ち合わせ→夜講演会@日吉。日吉から赤坂のホテルに着くと、そこは「何このおしゃれ空間は!」というカフェ。ホテルはそのうえで、スカイスクレーパーのど真ん中だった。ホテルというよりマンションでもあった。こういうとこで地味に出費がかさむ。

ビザ面接は予想していたより、あっさり終わった。

まず、アメリカ大使館の前に列はなかった。エントランスで少し待った。携帯電話を預けて、おむつだけ一応もって(25センチ四方の袋しかだめだというので、小さな紙袋におむつを入れていった)ベビーカーもだめだろうから、夫がエルゴに娘を入れていった。エルゴまではとられなかった。

書類は、3人分まとめてではなく、1人分ずつに分ける必要があったらしく、現地で分けて入れるためのクリアファイルを渡された。このときに「代表者がなぜか赤ん坊になってしまったのですが、夫でもなく私がJ-1です」というと、若い受け付けの人が年配の受付の人に「え?」とふり、年配の方が「大丈夫」とささと対応してくれた。3人分まとめて入れていたものをもたもた分類してから、中に入れてもらい、書類提出の列に。こちらは1人並べばじゅうぶんだった。

赤ん坊用のささやかなコーナーもあったので、そこに娘を放流。つぎに、書類のチェックが終わると呼ばれ、大人2人分の指紋を採取。終わると「赤ちゃん連れはプライオリティなので、面接の列の一番前にいてください、面接官がhelp youします」と言われる。どういうhelpなのかようわからんわ~と思ったけどいわれるがままに列の前にいくとPriority seatsが。

そそくさと、Priority seatに座っていると、さっそく面接官が、おいでおいでしてくれたので、3人で面接へ。とくにこれといった質問も聞かれず、何の研究をしているかと、今どこにいるかくらいを答えて終了。ほとんど1時間以内で行って帰ってこれたのでした。

まあ、面接もするっといったし、大丈夫だろうと思っていると、本当に3日後にビザ付きパスポートが届いた。2日後にはそわそわパスポートの追跡を2回はしたのであったが、あっさり届いた。アメリカ大使館の人たち、どうもありがとう!

しかし、精神的にはかなりの負担であった。いくらか積んで業者にやってもらうという人がいるのは、なんとなくうなづける。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?