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砂漠の都市にて1

アルバカーキ。知らなかった土地だ。Albuquerque。どこにRを入れるのか、わからなかった。そもそもスペイン語っぽい地名だ(その通りだけど)。ニューメキシコ州。地理に疎い私にとって(あれ?私は地理選択だったような気がする。しかし理系受験生だったし、高校時代はとくにまじめに勉強していないのでこういうのはとりわけダメなのだ)アメリカの州名なんて、ニューヨークとカリフォルニアと、あとの地名はワシントンDCとかフロリダ半島とか珈琲で有名なシアトルくらいしか知らないのだ。ニューメキシコ? メキシコに近いのね。それくらいは推察できる。

そんな土地からいきなりメールが来たのは数年前だが、実際に行ったこともなく、会ったこともない人を頼りに行っていいところなんだろうかなどと不安になったのは、最後の国内線に乗り継いで、バスのようなサイズの飛行機に乗り込んだときだった。

高地で、砂漠。水をたくさん飲まないと、すぐ具合悪くなるよ、と言われる。メキシコとの国境だから治安が悪そうだとも言われた。景気が良くない田舎だという。カルチャーショックに注意。アルバカーキは東京ではない。車がないと生きていけない(でも私たち、ペーパードライバーなんだ)。

私にとっては、東京こそが異常な街(そもそも世界で最大規模の人口を誇る都市圏じゃないか。それこそ外れ値)だとも思うので、その便利さにおぼれていたとしても、すごいへんぴなところじゃなければ生きていける。まして、都市。アジア食品店もある。問題ない。

アルバカーキ上空で目が覚めて、窓の外を見て、あまりの砂漠っぽさにびっくりした。さらに着いて、その開けすぎの風景にびっくりした。山が見える。砂漠だ。とはいえ、街中は車がいっぱい。並木もあるし、ただサボテンだけが植物というわけでもなかったので一安心。

いつも、9割以上晴天という割には、着いた日は曇りだったし、最初の一週間は雨も降ったし、雹も降ったし、嵐も来た。雨男の夫のせいか? 日本みたいな湿度で、ホストの先生が「じめじめして変だ~」と言っていたけど、私たちにとっては体を慣らすのにちょうど良かった。

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