2011古井里奈(チェルシーRGC)
クラブ選手権では、ジュニアの部で6位。十分立派な成績なのですが、成績以上の鮮烈な印象を残したのが、この古井選手でした。
古井里奈選手は、小6のとき、クラブチャイルドで優勝していますが、そのとき、数年来ないタイプの選手が優勝したな~と感じたのを覚えています。優勝したのだから、もちろん、能力も高かったし、演技の完成度も高かった。しかし、なによりも「なんとまあ楽しそうに踊るんだろう!」ということが強烈に記憶に残る選手だったのです。
あのときは、バレエ音楽を使っていたと思うのですが、バレエ曲がこんなに似合う選手はそうそういないだろう、と思うくらいに、チャイルドのときの古井里奈選手は、きらっきらした演技をしていたのです。
チャイルドでは輝いていた選手が、手具をもったとたんに輝きを失う、ということは案外多いです。手具のないチャイルドだからこそ、のびのび楽しそうに踊っていた子にとって、常に手具を操作しなければならないことは、ストレスにもなりかねません。
古井選手のチャイルドもあまりにも楽しそうだったので、私はすこしばかり心配していました。
「手具もったときにどうなるんだろう?」
しかし、それは杞憂でした。
昨年の全日本ジュニアにも出てきていましたが、手具があってもまったく怖がることなく、思い切りのいい、のびのびした演技は健在でした。少々ミスしようが関係ない! と思えるだけのきらっきら演技でした。
そして、今年のクラブ選手権。
昨年の全日本ジュニアよりもさらに磨きのかかった演技を、古井選手は見せてくれました。
徒手能力の高さは、もちろんですが、小さい選手にもかかわらず、手具操作も本当に果敢です。この身体能力とスター性があれば、手具操作は無難にまとめても、十分点数は出るだろうに、と思うのですが、そんな気はまるでなさそうな思い切りのいい演技は、胸がすくようです。まだ体が小さいので、これだけ手具を動かしてしまうと、どうしても安定感は損なわれ、ちょっと体と手具がバラバラに見えてしまうときもままありますが、それも、挑戦している演技だからこそ、と思えます。今、現在の完成度を上げることよりも、将来を見据えた演技をしているように感じられます。
笑顔の写真だけを見てしまうと、どの種目も「かわいい!」演技のようですが、曲によってはおすましもできるし、きりっとした印象にも演じられる表現の幅も、中学2年生にしてすでにもっている古井選手。
「魅力的」という意味では、稀に見る逸材だと思います。
これからも頑張ってほしいし、ずっと「きらっきら」演技をしていてほしい選手です。
彼女の「きらっきら」は、やはり「新体操が好き!」「フロアで踊るのが好き!」という思いからあふれ出ているのだろうと思います。中学生、高校生とその思いを持ち続けるのは難しい年ごろになってきますが、ぜひ今の輝きをいつまでも忘れないでいてほしいです。
古井里奈選手の演技を見ていると、思わず見ているほうも笑顔になってしまいます。
全日本ジュニアには、出てくるのかな?(まだ決まっていないか?)
ぜひ、全日本ジュニアに駒を進めて、あの笑顔全開の演技を、また見せてほしいものです。
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