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ACP(Advance Care Planning)をご存じですか?

こんにちは!緩和ケア編 第三回は“ACP“についてです!第一「ACPって何?初めて聞いた」という方が多いのではないでしょうか!
私もその一人だったわけですが、今回の記事を通して一緒に学んでいきましょう☻

ACPとは
「将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて、患者さんを主体に、そのご家族や近しい人、医療・ケアチームが、繰り返し話し合いを行い、患者さんの意思決定を支援するプロセスのこと」
です。

ここで大切なことは、ACPは
「話し合いのプロセス」
だということです!
雰囲気はリビング・ウィルと似ている気がしますが、リビング・ウィルとは、「人生の最終段階(終末期)を迎えたときの医療の選択について事前に意思表示しておく文書」です。プロセスと結果という点で異なります。

さらにACPにすごく似た“AD”というものもあるんです。
AD(Advance directives)とは
「将来判断能力を失った際に,自身に行われる医療行為に対する意向をあらかじめ示すこと。事前指示。」
で、これはACPの発現に深く関わっています。

ADは主に「代理に意思決定をする者の選定」と「リビング・ウィル」で成り立っていて、米国などでは法的効力を持っています。でも患者の意向と実際に行われた治療が合っていない事例が多く報告されるなど、次第にADの限界が指摘されてきました。

そこでACPという新たな概念に注目が集まってきました。なぜならACPでは患者さんの意向を示す文書作りよりも、患者と医療者が話し合うプロセスに重きを置いているからです!ACPでは必ず話し相手が必要で、話し合うことで自分の価値観を周囲に理解してもらったり、ともに確認したりすることができますよね。また「代理意思決定者と医療者のコミュニケーションが改善する」・「遺族の不安が減る」という良い点もあります。

ただACPにも負の側面があって、
・話し合いが患者さんや家族にとって辛いものになってしまう可能性がある
ということ

・時間がかかること
・話し合いの機会を設けるのが大変である可能性があること

などがあげられます。

またタイミングも大切で、早すぎると病気の経過にともなって変わった意思が反映されていなかったり、どんな話をしたのかが曖昧になってしまったりしかねません。

これらのことを考えると、ACPは病状に変化があるときや治療を変更するときなどに複数回に分けて行うことが有効です!

今回はACPについて投稿させていただきました!患者さんとそのご家族、医療者の話し合いを通して、自分の考えに合った治療を受けることができるよう、ACPについて興味を持っていただけると幸いです☻

これからも投稿していきますのでよろしくお願いします☆


参考文献
・東京都医師会 アドバンス・ケア・プランニング(ACP)―人生会議―
https://www.tokyo.med.or.jp/citizen/acp
・日本尊厳死協会 リビング・ウィルとは
https://songenshi-kyokai.or.jp/living-will
・医学書院 森田達也 木澤義之監修 「緩和ケアレジデントマニュアル」

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