見出し画像

検査と治療①

今回は、白血病と診断されるまでに行われる検査と白血病の治療について紹介したいと思います。


検査は主に、血液検査、骨髄検査を行います。また、染色体検査や遺伝子検査を行い、治療方針を立てます。


・血液検査

 血液細胞の数や、異常な血液細胞の有無を確認します。多くの白血病では、血液細胞数が異常値となる。全身の臓器の機能を調べ、治療をしていくうえで問題となるウイルス感染の有無を調べます。


・骨髄検査

 腰骨や胸の骨から骨髄を採取します。骨髄を顕微鏡で確認したり、染色体検査や遺伝子検査を行ったりします。白血病細胞は骨髄の中で増えることが多いので、骨髄検査は白血病かどうかを決めるために大切な検査です。


 次に、治療法についてです。代表的な治療方法は、化学療法(薬物療法)、放射線療法、造血幹細胞移植です。中でも、抗がん剤を用いた化学療法が一般的です。化学療法では、抗がん剤によって白血病細胞を死滅させ、正常な血液細胞を増やします。放射線療法は、放射線を照射して、がん細胞の死滅を図る治療法です。造血幹細胞移植は、患者自身や他者(ドナー)の造血幹細胞を移植して造血能を回復させる方法です。化学療法や、放射線治療で効果が見られない場合に選択されます。

急性骨髄性白血病の場合、まず、複数の抗がん剤を組み合わせた化学療法で白血病細胞を死滅させる「寛解導入療法」を行い、正常な血液細胞が増えるようにします。その後、寛解後療法として、薬物療法による「地固め療法」や、血液細胞の元となる造血幹細胞の移植などを行います。

急性リンパ性白血病の場合においても、抗がん剤による化学療法と同種造血幹細胞移植が主で、治療により白血病細胞が減った後も、強化療法などで複数回の治療を要します。



・化学療法(薬物療法)

 化学療法は、白血病を含むがんを治す、進行を抑える、またはがんによる身体症状を緩和することを目的としています。がんの薬物治療に使われる薬剤には多くの種類がありますが、白血病治療では主に抗がん剤や分子標的薬といった種類の薬剤が使われます。どの薬剤を、どうやって使うかは白血病の種類によって異なりますが、急性白血病治療では、複数の抗がん剤をいっぺんに使う多剤併用療法という強力な治療が行われたり、慢性白血病治療では、白血病の進行を確認しながら、症状が現れないように抗がん剤や分子標的薬を使って、コントロールしたりします。


・放射線療法

 放射線は細胞のDNAに傷をつけることから、がんの病巣にあてることで、がん細胞を死滅させる効果を持っています。放射線治療は、がんを治すことや症状を緩和することを目的に使われます。白血病治療では、造血幹細胞移植前に使用されることもあります。


以上で第三回は終わりです。

白血病の検査、治療について少しでも理解を深めていただけたらうれしいです!

造血幹細胞移植については、骨髄バンク・ドナー登録とあわせて、次回詳しくお伝えします。

読んでいただきありがとうございました。

よろしければサポートお願いします!頂いたサポートは、がん患者さんやがん研究のための資金に使わせていただきます。