見出し画像

悪いお知らせの伝え方

こんにちは!緩和ケア編 第二回は悪いお知らせに対して医療者と患者さんがどう向き合っていけるかについてのお話です。

医学生である私も将来ぶち当たる壁だと思います。この度調べてみて、医療者が患者さんに良くない知らせをするときの指針があることがわかりました。
悪い知らせをするのは医療者の側ですが、医療人がその辛さの傍らでどのように伝えようとしているのかを、医療者以外の人にも今日のnoteを読んで知っていただけると嬉しいです☻

イメージ出来る方も多いのではないかと思うのですが、がん医療においての悪い知らせというのは
「難治がんの診断」、「がんの再発」、「抗がん剤治療の中止」などの告知
が含まれます。

がんの特殊性と言ってもいいのは、「がん」と「死」という言葉を結びつける人が多いことかもしれないですよね。
だから「あなたはステージ○○の□□がんです。」などと医師に告げられたときの衝撃ははかりしれないと思います。

医療者は悪い知らせを伝えることを避けられない。でも伝え方次第では患者さんやご家族を傷つけてしまうことがあるかもしれない。

そこでがん告知の際の医療者の心前として”SHARE” というものがあります!
これは

Supportive environment (支持的な環境)
How to deliver the bad news(悪い知らせの伝え方)
Additional information (付加的な情報)
Reassurance and Emotional support (安心感と情緒的サポート)

の4つの構成要素の頭文字をとったものです。

以下にこれらの例をあげます。
Supportive environment (支持的な環境)
話し合うのに十分な時間をとる。
信頼する医師が伝える。
伝えられる場所はプライバシーが守られている。

How to deliver the bad news(悪い知らせの伝え方)
わかりやすく伝える。
真実を正直に伝える。
患者さんの質問に答える。

Additional information (付加的な情報)
病気の状態を説明する。
最新の治療についての説明もする。
今後の治療方針についての話をする。

Reassurance and Emotional support (安心感と情緒的サポート)
最期まで責任を持って共に治療を頑張ると医師が伝える。
患者さんの家族へのケアも大切にする。
患者さんが希望を持てるような伝え方でお話しする。


医師がこれらのことを気に掛けることで、患者さんがこれから病気との付き合い方を冷静に考えることができたり、希望をもって治療にあたることができたりすることにつながりますよね。


また患者さんが悪い知らせを受け取る際、看護師がどのようにサポートするかが大切です。告知を行うのは医師なんですが、告知の前後で看護師がどう患者さんに接し、ケアするかが患者さんの心に寄り添うという点でも、医療者と患者さんのこれからの関係においても大事なんです!


看護師の役割として、例えば

・患者さんやその家族の話を親身になって聞き、患者さんたちが伝えたかったけど言えなかったことや、聞けなかった質問を医療者に伝える。
・患者さんや家族を情緒的な面で支える。
・患者さんにとって必要な情報を提供する。

などですね。


腫瘍の消失など良い知らせがある一方で、がんや治療方針の変更の告知などの良くない知らせも存在します。これらは患者さんにとっても医療者にとっても辛いものですよね。でも避けることはできません。

今回は医療者の目線でした。医療者の行動・態度しだいで悪い知らせをする中でも患者さんを情緒的にサポートすることができます。将来医療人として働く私もSHAREや看護師との連携・協働を大切にして、患者さんをケアできるようになりたいと思います!

これからのnoteもご覧ください☆


参考文献
・医学書院 森田達也 木澤義之監修 「緩和ケアレジデントマニュアル」


よろしければサポートお願いします!頂いたサポートは、がん患者さんやがん研究のための資金に使わせていただきます。