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後頭下筋群の解剖

【大後頭下筋】
■起始部・停止部
・起始部:軸椎の棘突起
・停止部:下項線の中間1/3

■作用
・両側が収縮すると頭を伸展(後屈)させる
・片側が収縮すると頭を同側に側屈させる

■神経支配
第1頸神経の後枝(後頭下神経)

区切り線

【小後頭骨直筋】
■起始部・停止部
・起始部:環椎の後結節
・停止部:下項線の内側1/3

■作用
・両側が収縮すると頭を伸展(後屈)させる
・片側が収縮すると頭を同側に側屈させる

■神経支配
・第1頸神経の後枝(後頭下神経)

区切り線

【上頭斜筋】
■起始部・停止部
・起始部:環椎の横突起
・停止部:大後頭直筋の上部

■作用
・両側が収縮すると頭を伸展(後屈)させる
・片側が収縮すると頭を同側に側屈させる

■神経支配
・第1頸神経の後枝(後頭下神経)

区切り線

【下頭斜筋】
■起始部・停止部
・起始部:軸椎の棘突起
・停止部:環椎の横突起

■作用
・両側が収縮すると頭を伸展(後屈)させる
・片側が収縮すると頭を同側に回旋させる

■神経支配
・第1頸神経の後枝(後頭下神経)

区切り線

後頭下筋1

■ワインポイント解説

後頭下筋群は、計4つの筋群が左右に配置され、上部頸椎後方を安定させるように働いています。ただ上図のように真後ろから見ると、いまいち配置が明確に分からないと思うので、少し斜めから見た図も載せてみます。

後頭下筋2

この図でみると、なぜ「**直筋」「**斜筋」なのかが良くわかると思います。

このように、後頭骨ー頸椎1番ー頸椎2番に重なるように配置されており、しっかりと頭部を支えれるようになっているのです。

この後頭下筋群は立位や座位などの姿勢においては、常に力を発揮して頭の位置を調整しております。なぜ常に働いているかというと、骨格の配置的に常に働いておかないと、頭がうな垂れてしまうからなのです。

これも図をみれば分かりやすいかと思いますが

後頭下筋3

このように、頭部を支える頸椎の接続部分と頭部の重心点が少しずれているんですよね。なので後頭下筋群の力が抜けてしまうと、どうしても頭が前方に落ちていってしまうのです。

電車の中で居眠りなどすると、前方に頭が落ちていくと思います。これはバイオメカニクス的に、頭部を支える力が抜けると、前方に落ちるような構造になっているからなのです。

なのでこの後頭下筋群、普段の生活においても、地味ながらしっかりと働いてくれているとても重要な筋肉なのです。

ただし上部頸椎は、動かしていないと、すぐに可動性が低下する、錆びつきやすい関節のため、日常生活において日々動かしておく事がとても大事な部位となります。

上部頸椎の可動域が低下すると、後頭下筋群も収縮がしにくくなり、干からびたゴムのように固くなってしまいます。そうすると大後頭神経や小後頭神経などの神経を挟み込み、慢性頭痛の原因にもなってしまうので注意が必要です。


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