好きな映画の話

好きな映画の話する。ネタバレもする。

鉄板すぎる三選だから一生この話するよ。




1. ラ・ラ・ランド

説明不要のミュージカル恋愛映画。女優を夢見るミアとジャズピアニストのセブが、お互いの夢を追う中で人生が交差した時、どうしようもなく惹かれあった刹那の恋の話。

渋滞中の高速道路で人々が踊り狂ったり、ナイトプールでパリピがラインダンスしたりと有名な予告映像とは裏腹に、恋愛映画としてはハッピーエンドじゃないところが好き。ミアもセブも自分勝手で不器用で、でもそうやって自分本位に夢を追う姿にお互い恋をしていて、だから救いようのない、困難があっても「まぁそうなるよね」としか思えない稚拙さもあるんだけど、そのあさはかさが憎めなかったりする。それでも若さと情熱だけの二人の関係は終わりを迎える。

最後の劇場のシーンは何度見ても泣いてしまう。夢を追い、夢を叶えたはずなのに「あったかもしれない、二度と戻らない未来」を想って泣くミアとそれに気づくセブ。でもミアの肩を寄せるのはセブではない。一度交わっただけで袂を別ったけれど、たぶん二人は人生の本当の終わりを迎えるときにお互いのことを思い出すんだろうなって、そういうCP好きじゃないですか、オタク(?)



2.グリーン・ブック

アフリカ系アメリカ人のピアニスト、ドン・シャーリーが黒人差別の根強い60年代南部アメリカへコンサートツアーを巡るにあたり、イタリア系アメリカ人のトニー・ヴァレロンガを運転手として雇用する。理知的かつ紳士的だが神経質のドンと、腕っぷしが強く粗野で野蛮だが愛妻家で情に厚いトニーのだんだんと育まれていくバディ感がきっとオタクは好き。

ドンはその類まれな才能をジム・クロウ法下のツアー先でも歓迎される。けれどそれはそれ、これはこれで、舞台を降りて一般人となった彼はいわれのない差別迫害を受ける。気位の高いドンはそれに抗い続け地元民や警察と衝突するが、どうにか穏便にツアーを終わらせてクリスマスまでに家に帰りたいトニーは上手く事態をおさめようとして、それがドンは気に入らない。ぶつかって、時に互いを認め合って、笑顔も零れる旅道中だが、それでも世界はそう簡単には変わらない。魔法みたいに差別がなくなるわけではない。

けれど、ツアーが終わり、雇用主と運転手の関係でなくなった彼らに残ったものが、絶望の中にあるひとつの希望のようで好き。クリスマス前に見たい。最後のトニーの奥さんとドンのシーンが良いんだ、本当に。



3.ウォルト・ディズニーの約束

『メアリー・ポピンズ』の原作者であるトラヴァース夫人が、ウォルト・ディズニーからの熱烈な映画化交渉を受けて制作を許諾する過程の物語。日本での公開がアナ雪と一週間違いで重なって埋もれてしまった感があるけどディズニー好きには絶対見てほしい。トム・ハンクスのウォルトがめちゃくちゃに良い。

陳腐な映画にされたくない、アニメもミュージカルも受け入れない夫人となんとしても映画化にこぎつけたいウォルト達制作側の攻防がコミカルな一方で、少しずつ明かされる夫人の大好きな父親との哀しい過去が辛くもある。現実では救われなかった夫人と彼女の家族、また、自身や世界中の家族をフィクションで励まそうとするウォルトが全人類の太陽。堅物で気難しいトラヴァース夫人がウォルトの人柄と作る世界に触れて、大好きな父親と空想を語り合っていた頃の少女の顔になっていくのが泣ける。ひっそりと育んでいく運転手との友情も良い。

ディズニーの持つ優しさとハッピーの底力に脳焼かれた人間におすすめしたい。



上記3つをふりかえって、私は「ハッピーエンドではないにしても物語の終わりに少しだけ灯る光」が好きなのかもしれない。ベイマックスもそうだね。

そんな私におすすめの映画、募集しています。

ファンタジーよりやドキュメンタリー寄りのほうが好きです。



番外編:ミッド・サマー

ホラーNGだけどミッドサマーは良かった。土着信仰系で人間が怖い系ホラーは好き。

外から見た宗教の気味悪さ、だけどそれにすがる人の気持ちもちょっとわかってしまう怖さ、映像の綺麗さ、禍々しさ、悪い意味でいい塩梅に溶け合っていた。もう二度と見たくないけど好き(?)

日本のドラマだけど土着信仰系で「ハヤブサ消防団」も良かったな。心に余裕があるときに犬神家の一族も見たい。そういうやつのおすすめもお待ちしてます。

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