068.私は別人に?
皆さん、おつかれさまです。
絵本屋開業を目論むおっさん、自称 絵本作家のれいです。
今回は「人生どん底」から「人生ズンドコ」になった話。
今から10年と少し前。
それまで10年以上勤めていた会社を退職しました。
以前の記事「 046.救われた言葉 」でも書きましたが、当時は仕事でもプライベートでも多忙を極め、肉体的にも精神的にもかなりキツかった時期。
特に精神的にはかなり追い込まれていたのですが、ある日、張りつめていた糸が切れ、退職することに。
仕事を続けることのできなかった自分を責め、自分の情けなさを恥じ、家族には申し訳ないと思う日々。
将来への漠然とした不安が身体の周りにぴったりと張りつき、涙を流し、自分で自分の胸を締め付け続ける毎日。
ソファから立ち上がることすらできず、「なんで、オレがこんなめに」「今まで一生懸命やってきたのに、なんでオレばっかり」「これからどうすりゃいいんだ」という想いで、頭の中いっぱいになっていました。
今思えば視野が狭く、自分の不幸を誰かのせいにしたかっただけなのかもしれません。
だとしても、それだけ一生懸命にそしてやりがいを持ってやってきた仕事だったので、そのような状況となりとてもつらい時期でした。
「これまで生きてきた中で一番つらかったことは?」と聞かれれば、この頃のことが真っ先に頭に浮かびます。
間違いなく「人生のどん底」にいたと。
時間は少しかかりましたが、その後、先輩から言われた言葉に救われ、また新しい職場でも認められるようにもなり、気づけばどん底から這い上がれていたような気がします。
その時、お世話になった方々には、本当に感謝しかありません。
それから10年と少しが過ぎて、今。
最近になってあることに気づきました。
私は車の運転中に、それまで全く考えていなかったことがふと頭の中に湧き出てきて、それまで気づかなかったことに気づくということが多いのですが、今回も運転をしている最中にふと湧き出てきて気づいたのです。
「ウソでしょ?」と思われるかもしれませんが、「もしかしたら、今の状況とあの頃の状況って同じなんじゃない?」ということに。
実は今年の3月末にそれまで勤めていた職場を退職し、そこからは無休で無給の主夫をしています。
現在の状況を考えると、将来への不安はあの頃とほとんど変わっていません。いや、もしかしたらあの頃より状況は厳しいのかも。
あれから家族が増えたことで責任も増していますし、子どもの成長に伴い必要となるお金も増えてきています。
何よりあの頃よりおっさんになって、仕事を探すにはさらに厳しい状況です。
ですが、退職してから約半年間。全く気づいていませんでした。
今頃になったようやく気づきました。
気づいたら、いつの間にかあの時に感じていた「人生のどん底」と同じ場所にいたのです。
どれだけ自分が見えていないのかと、少しあきれてしまいます。
ですが、状況はあの頃と似ていても、生き方はあの頃と全く違う。
幸せなことに、「人生のどん底」なんていうことは微塵も感じずに生きています。
今は 「人生どん底」というより「人生ズンドコ」です!
(この表現が分かる方。あなたもあのお方のファンですね!)
私はいつの間にか別人になってしまったのでしょうか。
あの頃に比べて、精神が図太くなったわけでもないように思います。
将来の不安に対して解決策がみつかったわけでもありません。
家族に対して申し訳ないという想いも、依然としてあります。
それでも、涙を流したり、誰かのせいにしたり、自分を責めたりなんていうことはありません。
やはり、別人になっているのでは。
もちろんそんなわけは無く、おそらく当時と今とでは、私自身の物事の捉え方や考え方が大きく違うのだと思います。
同じ人間なのに捉え方や考え方が違うと、これほどまでに大きな違いが出るのか!と驚くほど。
日々の中での微妙な変化にはなかなか気づけませんが、振り返ってみると自分自身が別人と思えるくらい成長しているのだと、そんな風に自分を認めることができました。
一人の人間として私自身が育っていきたいと思っている方向へ向かってしっかりと成長することができているのだと、そう思えるように。
おっさんでも成長するんです。(むしろ、伸び代はまだまだたくさんあります)
そういった意味では別人になっているのかも。
自分で言うのもなんですが、外見はあの頃の方が良かったですけどね…。
感謝です! 絵本を通じて、子どもや育児をされる方々に還元していきたいと思います!