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人工の食糧に関する価値観と2項対立

人工的な食糧は日本人としては避けたいもののうちの一つ。例えば人工甘味料は日本人が嫌うもののの一つ。味の素は大好きだけど、アメリカ産のお菓子は体に悪そうだから嫌い。味の素も量が過ぎるとあんまり食べたくないというのが本音。大豆の遺伝子組み換え食品もそのうちの一つ。人工的に変えたものは絶対に取りたくない。

自然物が必ず健康であって、人工物がかならず有害である、という定義は非常に難しい。例えば薬は人工物であるが、健康のために開発されたものである。コロナウイルスのワクチンだって人工的に生成されたものなので自然のものではない。逆にトリカブトは猛毒ではあるが自然に作られたものである。薬やワクチンが人間の寿命を長くしてきたことは明らかな事実ではあるが、その点はあまり考慮されないことも多い。

2020年の現在でも日本だけ積極的に摂取されていないワクチンによって死んでいる命もたくさん存在する。だが、自然なものが健康にいい、という思考は引き続きなくならない。

これは2項対立という原始的な人間の考え方で、最もとらえやすく、理解をしやすいものだ。TV番組の報道にだって週刊誌だって勝ち組と負け組、搾取するものとされるもの、というように物事をおおざっぱに2つに分けてしまうことで全体をまとめる。グレーゾーンは認めない。メディアで多用されるのは事故が「急増」しているだったり、サンプル数が1-3人くらいの人を取材して、さもその2項対立が圧倒的事実であるかのように扱う。そうすることで人の注視を勝ち取り、経済的なメリットを得ることができる。

話をもどすと、アメリカでの感覚の一つとして「人工的なものでない限り成分が安定しないため健康的ではない」というものがある。人工物が逆に安全であるという発想だ。視点の一つとして興味深いものでる。

人はグレーゾーンやルール外のものに一般的には寛容ではなくなる。すべてをカテゴライズして、まとめたくなる。ただ、世の中のほぼ100%はまとめられないものである。そして、その例外にだいたい価値がある。




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