EDHの楽しさ

はじめに

初めまして、リラと申します。
僕がEDHに触れ始めて、ぼちぼち半年が経とうとしている中で、自分でも信じられないが今までのMTGライフの中でEDHが1番夢中になるフォーマットとなった。
なぜもっと早くにEDHに触れなかったのか、日々後悔が募る程である。
そんな中で、もっと多くの人にEDHを知って欲しい。楽しんで貰いたいと思い、僕がEDHのどんな所に面白さを感じていて、どう楽しんでいるのか、を言語化していきたいと思う。

よって今回は、
"EDHに触れた事無いけどやってみたい"
"始めたばかりだけどまだ面白さ、勝手が良くわからない"

という人に向けて、少しでもEDHというフォーマットに興味を持って貰えるように、記事を書いてみようと思った次第である。

なるべく初心者でも分かり易いように俗語や略称は控えるが、控える事で内容が伝わり辛くなってしまう所は最低限は使用する。
執筆自体初めてで、語彙力の無さ、文章の拙さ、間違っている認識や誤解もあるとは思うが、温かい目で見て貰えたら幸いである。

経歴

始めに僕がどんなプレイヤーなのかを知っておいて貰った方が、なぜEDHを好きになったのか、より理解し易いと思うので簡単に説明しよう。

MTG歴は途中辞めて居たりするが、なんだかんだでもう15年位になる。
元々プレイヤーとしてはスタン、モダンを嗜む程度。(月一回ショップの大会出るか出ないか位)
トップメタを追い求めるより、Tier2~3位の自分の肌に合ったデッキを使い込む事を好むタイプ。(オリジナルのデッキを好む訳では無い。)
グランプリがあれば隣接県なら参加し、昔は本選にも出ていた。(マネーフィニッシュは無し。DAY2に2回出た事ある位)
勝つことには勿論喜びを感じるが、自分の好きなデッキで勝つ事が何よりも楽しいし、それまでの過程が接戦でひり付く展開だと尚楽しい。
後Foilが好き。

まとめると、
”もの凄く熱心なプレイヤーでは無いが、只ワイワイ遊べればいいかと言うとそうでも無く、自分の好きなデッキでそれなりにいい試合をしたいし、勝ちもしたいFoil好き”という、なんとも面倒なプレイヤーなのだ。

EDHとの出会い

EDHとの出会いは特に劇的なドラマがあった訳では無く、結構サラっとしたものだった。
ご存じの方も居るかも知れないが、僕はYoutubeでMTGの動画を投稿しており、「カードは資産である」と言う趣旨で、主にお金に纏わるMTGの話をしている。


(もし興味がある方は是非一度見てみて欲しいが、好き嫌いがハッキリとしてる内容なので合わない方はスルーしてね)

そのYoutube活動を行う中で、ありがたい事に結構多くの方に声をかけて頂いたり、遊んだりして貰える機会が増えてきた中で、
折角声をかけて貰えたのにフォーマットを持っていない事で一緒に遊べないのは勿体ないと思い、その際プレイしていなかった"レガシー"と"EDH"のデッキを作ろうと思ったのである。
いきなりぶっとんだ試みだと思う方も居るかも知れないが、何の脈絡も無くその二つのフォーマットを始めようと思った訳では無く、僕はYoutubeの企画で、デュアルランド等の所謂高額カードを毎月コツコツ集めていたのである。
その結果、意外とここからお金をかけなくてもレガシーとEDHのデッキを組めるのでは?と言う安易な思考からレガシーとEDHを始める事となった。
(勿論そんな筈も無く、後に最もEDHにお金を注ぎ込む事になるのは言うまでも無い)

EDHを始める前に抱いていたEDHのイメージ

前述もしているが、僕は何だかんだで15年位MTGに触れており、それまでの過程でEDHに触れる機会が無かった訳では無い。
地元の仲が良かった人達はよく隣のテーブルでわいわいEDHをやっていた。
但し、僕はその中に混じる事はしなかった。
と言うより当時で言うと金銭的な問題もあり実際混じれなかったと言うのが正しいが、そもそもあまり乗り気では無かった。
その理由は完全に僕の偏見と固定概念によるものだ。

僕のEDHのイメージは
・同名カード不可&100枚のデッキでは、デッキがまとまらずやりたい事が出来なそう。
・3人以上でプレイする事で自分のターンが回って来ず暇な時間が多そう。
というものである。

今この記事を読んでくれているまだEDHをやった事が無い方も、もしかしたら同じイメージを持っているかも知れない。もしそうだとしたら安心して欲しい。

EDHはそんなゲームでは無い。

後者に関しては少なからずそういうタイミングもある事は否定できないが、基本そうなのかと言うと、どちらも"本当に大きな間違い"だと声を大にして言いたい。
その理由はこれから説明する、僕の思う"EDHの魅力"の中で回収していきたいと思う。

EDHの魅力

僕の思うEDHの魅力は大きく3つである。

それは、
1.毎回展開が違う事でプレイがマンネリ化しない。
2.自分のジェネラル(統率者)、デッキへの愛が深まる。
3.コミュニケーションの楽しさ

という事である。
これらを一つ一つ説明して行こうと思う。

1.毎回展開が違う事でプレイがマンネリ化しない。
これが先ほど言っていた"大きな間違い"だった理由の前者に対するアンサーに該当する部分である。
確かに同じカードを1枚しか入れられない事で、毎回完全に同じ動きは出来ない。だが"それが面白い"のだ。
大体EDHのデッキは自分の勝ち手段と言うものが決まっており、各々それに向かっていく訳だが、それまでの過程は毎回違うのである。
しかしその中でどうやって自分の勝ち手段に辿り着くかを考える事が楽しいのだ。
しかもそれは一人だけでは無い。4人ともそれぞれ違うのである。
つまり"完全に同じ展開は二度とない"のである。(多少誇張はしている)
これは僕にとってあまりにも衝撃的で、EDHにハマり続けている大きな理由の一つだ。

僕は正直EDH以外のフォーマットに関しては、同じデッキで同じ相手とやり続けていると正直途中で飽きてしまうタイプである。(本当に面倒臭いプレイヤーである)
その理由は、(語弊があるのは理解した上で)同じ展開になり易いからだ。
お互いのデッキを理解しているとこの時はこう、あの時はこう、とパターン化してきてしまい、段々好奇心が下がってきてしまうのである。(本当に面倒臭ry)
しかしEDHに関してはそうでは無い。一人のみならず二人、三人が複雑に絡み合いながらプレイが進行していくのだ。
毎回皆が違う手順で違うタイミングで仕掛けてくるので、毎回違った展開になる。
特に青がいる卓になると、カウンターを考慮する必要が出てくるし、
白が入ってくると置物による妨害が入ってきたり、
アーティファクトがメインのデッキだと3ターン目に9~10マナ生み出してきたりともう皆が好き勝手やってくる中で、凌ぎを削って細い自分の勝機追い求めて行く過程がなんとも楽しいのである。
またデッキが100枚もある事で、自分では気づいて居なかったシナジーやコンボがプレイの中で見つかり、どんどん自分のデッキが強くなって、自身が成長していく感覚を味わえるのも楽しさを助長させる要素だ。

2.自分のジェネラル(統率者)、デッキへの愛が深まる。
二つ目も非常に大きなEDHの魅力である。
多くのEDHプレイヤーがEDHを始める人には最初にこう言うだろう。

「まずは自分の好きなジェネラルを選ぼう」

まず大体の人がこれを言うと思うし、僕も効かれた場合にはそう答えるだろう。
なぜならそのジェネラルがあなたのデッキの主人公であり、デッキを形作る非常に重要な存在だからだ。

ようはEDHはロープレなのだ。
主人公を戦士にしてもいい、魔法使いにしてもいい。
僧侶にしてもいいし、遊び人にしてもいい。
後はその主人公の為に99枚の装備とアイテムを整えて戦場に向かうのだ。
男の子がロープレと聞いて燃えない筈は無い(勿論女の子も)。皆ロープレの主人公を適当に決めたりはしないだろう。
それ位ジェネラルは大事な存在であり、ジェネラルはモチベーションなのだ。

もし、そもそもジェネラルをあまり知らない場合は、EDHでどんな事がしたいか、またはどんな色が好きかを経験者に伝えるといいだろう。
「めちゃめちゃドローしまくりたい!」
「エルドラージ軍団を並べて殴りたい!」
「緑一択!緑で一番強い奴頂戴!」

何でもいい。自分のやりたい事とやりたい熱意(ココ重要)を伝えたらきっとその人は自分の事のように夢中になってあなたにあったジェネラルを考えてくれるだろう。

因みに僕が初めて選んだジェネラルは《冒涜されたもの、ヤロク》だ。

画像1


僕が選んだ理由は至ってシンプルだ。
「効果が好き」
「スゥルタイ(黒緑青)と言うカラーが好き」
「イラストが好き」

この3点だ。

特に惹かれたのは能力で、パーマネントが出た時に誘発する効果をもう一回誘発させてくれるという、なんとも豪快な効果だ。
僕はマジックの能力の中でETB(戦場に出た時誘発する効果)がとても好きで、除去されたとしてもある程度の仕事はやってくれるので、アドバンテージを失い辛い所が好きだ。
その時はEDHでヤロクがどれだけ活躍してくれるのかは全然分からなかったが、ETBを2倍にしてくれるんだから、さぞかし楽しいジェネラルになるだろうとワクワクしていた。

これは結果論でラッキーな話だが、スゥルタイと言うカラーリングはEDHの中では非常に強いカラーであり、ヤロク自体もそれなりに強ジェネラルでcEDH(10段階で9~10の集まり)の中では中々勝てないが、一個下のレベル(7~8)位の戦いならいい勝負が出来る。
今僕が遊んでいる環境は(6~9)位の人が多いので、
最初に選んだヤロクを今でも使っているし、
このデッキはEDHをする限り使い続けようと決めている。(そしていずれFull Foilにする)。
そう、僕にとってヤロクは所謂"マイジェネラル"だ。
マイジェネラルと言うのは、所謂名刺変わりみたいな物で、初めての方とEDHをやる場合は大体まずはヤロクを使うようにしている。
(事前にヒアリングしてレベル差があり過ぎるようなら控えますが)
そうすると、あの人は"ヤロクの人"として認識されるようになり、覚えてもらいやすくなるので2回目、3回目の際にコミュニケーションがし易くなる。

僕は運が良かったので1つ目でマイジェネラルが見つかったが、必ず自分に合ったジェネラルが居る筈なので、探してみて欲しい。
新しいジェネラルを探してる時間もまた楽しい時間で、EDHの魅力の一つだ。

そして更に愛が深まるのがデッキ構築だ。
EDHデッキ構築は本当に面白い。
なぜなら、他のフォーマットに比べてオンリーワンのデッキを作りやすいからだ。
EDHは海外でこそ非常に盛んなフォーマットではあるが、日本ではまだまだな事もあり、他のフォーマットに比べてデッキレシピはあるが、海外サイトがメインだったり、どういった動きをするのかの解説記事は極端に少ない。(あるにはあるが初心者が取っ付き易いと感じるレベルの物は少ない)
なので最初は見様見真似から始める事にはなるが、使っていく内に自分の肌に合う合わない、強い弱いが段々分かってくる。
すると自然とあれを入れたらもっと強くなるかも、試してみよう。
となり自然とオリジナルなデッキになって行くのだ。

かの、カードゲームうさぎで有名なワタルさん(@urwataru)がこんな4コマを描いている。
(勝手に使ってスミマセン。怒られたら消します。)


まさにコレだ。

勿論他のフォーマットでもこの感覚は味わえる。
只、EDHは競技フォーマットでは無い為そこまで成熟していない。(と思っている)
カードの種類に関してもヴィンテージと遜色の無いカードプールで、何百、何千といるジェネラルから1つのジェネラルを選び、99枚のカードを使って自分だけのやりたい事を突き詰めていくと、自然と自分だけのオリジナルデッキになっていくのである。
そのオリジナルデッキが一般的に強いとされるデッキを倒そうもんならそんなもの楽しくない訳が無いじゃないか

冒頭の自己紹介で僕はオリジナルデッキを好まないと記載しているが、これには語弊がある。
使わないのでは無い。使いたくても使えなかったのだ。
そこまでプレイヤーとして熱心な訳でも無い、デッキ構築のセンスがある訳でもない。
そんな奴がオリジナルデッキを組んでも負けるだけだ、と諦めていたのである。
只、EDHでは結果的に自分の諦めていたオリジナルなデッキになっており、それに気付いた時更にこのデッキが、EDHが更に好きになった。

因みにヤロクは強ジェネラルとされているが、実際半年プレイする中でこないだ初めてのヤロク使いに出会った位にしか僕の周りでは使われていない。
(しかも構築の中身は全然違う)
このように周りであまり使われていないジェネラルだった場合は、情報が無いので自分で模索するしか無い。
すると自然と自分がこの子を誰よりも上手く使ってやるんだ!とモチベーションが上がり、自分のデッキが我が子のように可愛くなり更に愛が深まる。

少し細かい話にはなるが、僕もヤロクを使っていて以下のシナジーに自分で気づいた時には本当に胸が躍った。

画像2

デッキ解説記事ではないので、簡単にだけ説明すると、
《冒涜されたもの、ヤロク》が場にいる状態で、《森林の怒声吠え》を場に出すと、効果が2回誘発して3マナ以下の緑の非伝説クリーチャーを2体場に出せる。その際に《睡蓮のコブラ》と《春花のドルイド》を場に出すと、《春花のドルイド》の効果が2回誘発し合計4枚の基本土地がタップインで場に出る(2枚は生贄に捧げる)。すると《睡蓮のコブラ》の上陸効果が合計8回誘発して好きな色マナが8マナ生まれるのだ。

元々は《春花のドルイド》の部分を《ウッドエルフ》を使ってやっていたのだが、それだと合計6マナしか生み出す事が出来ず、このデッキのキーカードである《パリンクロン》にそのまま繋げられなかったのである。そこのもやもやを解決してくれたのが《春花のドルイド》だった。

画像3


"《パリンクロン》は《冒涜されたもの、ヤロク》が居る状態かつ土地が6枚以上ある時に場に出すと無限マナになるぞ!(詳細は割愛)"

勘違いしないで頂きたいのは、何も僕がこのシナジーを見つけた第一人者だと言いたい訳ではない。実際このシナジーは僕が知るよりもっと前に誰かが見つけていただろうし、僕はたまたま自分でこれに気づいただけだと思うが、只それを”自分で気づけた事”が嬉しかったのである。そしてその結果更に愛が深まりモチベーションに変わったのである。
こういった事はデッキ構築の自由度が高い分、他フォーマットに比べても気付き易いフォーマットだと思う。

これまた余談だが、以前にトモハッピーさん(@TomoharuSaito)とコラボさせて頂いた際に1v1コマンダー(1対1の統率者戦)でヤロクを使って今回説明した内容と似たような動きをしているので、気になる方は見てみて欲しい。


3.コミュニケーションの楽しさ

これもEDHの面白さを語る上で非常に重要な要素だ。
EDHは基本4人で対戦を行う事から本質的にコミュニケーション無しでは成り立たない。

例えば、誰かが何かをプレイした際に
次のターンの人から順番に対応があるか無いかを確認して行く。その際に、2人で戦っている場合にはまず有り得ない事だが、他の3人のプレイヤーはお互いに相談、協力する事が出来る。
毎回する訳ではないがこのままだとその人が勝っちゃうなという時は皆で全力で止めに行く。チーム戦では無いが敵の敵は味方という言葉の通り、状況次第で敵は味方へと変わる。この際に他のフォーマットでは起こり入れない交渉や駆け引きも発生する。

A「これが通れば無限マナ入ります」
B「あの置物さえ何とかしてくれたら止めれるよ」
C「じゃあ僕が割ります」
A「割られます」
B「じゃあカウンターして無限マナ止めます」
A「カウンターします」
D「そのAのカウンター止めます」
A,B(そこもカウンターあるんかい…!!)

こんな感じだ。割と無機質に書いては居るがこれをワイワイやりながらやってると思って欲しい。ボードゲームをやった事がある方ならこの楽しさは伝わるかも知れない。EDHのコミュニケーションはボードゲームによく似ている。
長らくお待たせしたが、最初にプレイするまでに僕の思っていた、2つ目の"大きな間違い"である「暇な時間が多そう」と言う点はここで解消される事になる。
確かに自分のターンが回ってくるのは遅い(物理的に解消しえない)。だがその間は暇な時間では無く、この間もコミュニケーションが行われる楽しい時間なのだ。

この例はかなりプレイに寄ったコミュニケーションだが、もっとフラットに
「そのカードかっこいいですね!」とか「面白い動きするデッキですね!」とか基本的にお互いを称えたり、褒め合うシチュエーションも多い。
プレイ中以外も一緒にデッキの研究をしたり、新たに発見したシナジーを皆で検討したりしているが皆楽しそうに語り合っている。
ここはどうしてもコミュニティ次第だが、少なくとも僕の周りはそうだ。
そのおかげで僕は最高の環境で最高に面白いフォーマットを楽しめている。
改めてコミュニティに恵まれた事にも感謝したい。

以上が僕が思うEDHの魅力だ。

終わりに

正直まだまだ伝えたい事はあるが、一気にあれこれ言っても本来伝えたい事が伝わらなくなってしまったりもするので、今回はこの辺にしておこう。
今回はEDHをこれから始める人向けという事もあり、長年議論されているEDHにおける意識の違い、cEDH(ガチ)カジュアルEDHに関してては特に触れていない。こちらに関しても歴は浅いながら、どちらも経験してきた中で個人的に思っている事を別で記事にしたいと思っている。なぜなら僕は、この意識の違いを理解する事で、もっとEDHを楽しめる筈だと思っているからだ。また時間を見つけて執筆して行こうと思うので、気長にお待ち頂きたい。
とんでもなく長い内容になってしまったが、始めての執筆なので大目に見て欲しい。只、これで僕の思うEDHの楽しさはある程度言語化出来たと思う。
もしこの記事を見て、EDH面白そう!やってみたい!と思う方が一人でも増えれば幸いだ。
皆に楽しいEDHライフがあらんことを。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?