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「女性って大変だよね」国際女性デーに僕が考えること【by5歳】  #HeForShe

「女性って大変だよね」と結婚してわかった。
結婚してから、女性の大変さを目の当たりにすることが多い。
それまでは「女性が抱えている大変さ」について、考えもしなかった。

男女は平等だと思っていたし、僕は不便を感じてこなかった。
しかしこの世の中を見据えてみると、社会の仕組みは男性が働きやすいようにできているし、男性が暮らしやすい仕様につくられている。
それらは長い時間をかけて、男性が主導してつくり上げてきたのだ。

僕はそんな社会の中で生きてきたので、男性というだけで下駄を履かせてもらっていた。
でもそれを、全然理解していなかった。

男性が下駄を履いているこの世界は、女性の負担の上に成り立っているのだと僕は思う。

「もっと女性が生きやすい世の中にしよう!」と声を上げてもなかなか改善されないのは、僕みたいに下駄を履かせてもらっていることに気がついていない人がまだたくさんいるからだ。
「え?今のままでも全然不便してないからいいじゃん」と思っているのだ。

もしこの世の中が「“自分たちにとって”居心地の良い世界」なのだとしたら、変えていくべきなのではないだろうか。

もしこの世の中が「誰かの犠牲の上に成り立っている社会」なのだとしたら、それを見過ごすことはできないと思う。

「男女平等の社会にしようよ!」と声が上がっても、これまで社会に疑問を持つことなく生きてきた人たちは「今のままでもいいじゃん」と否定をする。
そんな場面を最近よく目の当たりにする。

声を上げている人たちは「女性を特別に優遇しろ!」と主張しているわけではない。
男性仕様にできている世界に気がついて欲しいと主張しているだけだ。


なかなか改善されないこの世の中で、女性たちは今日も生きている。
女性が抱える生きづらさは社会の仕組みだけではない。

生まれながらの身体的な男女の差もある。
体力的な差はもちろんあるけど、生理や、妊娠、出産などもそうだ。

僕は結婚して10年になるが、息子が二人いて、どちらの出産にも立ち会った。
あの瞬間は間違いなく、僕の人生の中でも指折りの衝撃体験だった。
息子を出産したときの嫁はすごかった。
僕の表現力が追いつかないくらいに圧倒的だった。
出産で女性はエネルギー使い果たす。
そのあとに続く子育てでも子どもにエネルギーを搾り取られる。
それだけじゃない。
嫁に毎月やってくる生理を見ていて、心底大変そうだと感じた。

これらは、結婚して一人の女性と生活をずっと共にしてきてわかったことだ。
もちろん独身の頃も生理や出産のことを知ってはいた。
しかし、結婚をして嫁を側で見ながら、女性の身体の仕組みへの理解を深めていくと、想像以上の負担があった。
その負担に対する社会的なケアは、不十分だと感じる。
女性を優遇するとかではなく、社会のサポートが必要なのだ。

一番わかりやすいのは子育てだ。10ヶ月の妊娠期間を経てなんとか出産して、寝不足になりながら子守をして、第一希望ではなかった遠くの保育園に、どうにか子どもを入園させて、会社に復帰をする。

復職しても、いつ子どもが体調を崩すかわからない。
そんなことに怯えながら子育てをしなければならない。
登園後、子どもの検温をして熱があったときの絶望を、ママたちはみんな味わっている。

「あぁ、また仕事を休まなくちゃいけないのか……」子どもが大きくなるまでに、ママたちは何度会社に電話を掛けて「急に子どもが熱を出してしまって……」と謝らなければいけないのだろうか。

本当は子どもが体調を崩したときにパパが休んだっていいはずなのだが、そうはならない。

僕は二人の息子が一番手のかかる歳だった頃、たまたま自分で仕事の時間をコントロールできる働き方をしていた。
だから子育てをする上で、ハプニングに対応することができたし、二人で協力して乗り切った。
しかし夫婦がどちらも会社員だったとしたら、よっぽど大変だっただろうなと思う。

保育園の送り迎えをしていると、パパが子どもの手を引いている姿も、ちらほら目にする。
しかし、ほとんどの園児はママに連れられて登園する。

保育園や小学校のPTAの集まりに出席しているのもほとんどママ。
PTAの役員をやっているのもほとんどがママ。
バザーの手伝いもママ。
子育ての世界を覗いてみると、ほとんど女性で成り立っているのが一目瞭然だ。

だからと言って、パパが子育てをサボっていると言いたいわけではない。
僕は半分サラリーマンのような生活をしているので、会社で働いているパパたちを見ていると「みんな頑張っているよな」とエールを送りたくなる。
男性だって頑張っている。

パパが育児に参加できないのは、社会の構造がそうつくられているからであって、決してパパだけが悪いわけではない。
社会全体の構造が子育ての負担を女性に押し付けているのだ。

僕はこのことに結婚してから気がついた。
しかし世の中にはそれに気がついていない人たちがまだまだ多い。
なぜなら自分たちは、この環境の中で不便することなく育ってきたからだ。
生まれたときには、社会はこうなっていたし、それが当たり前になっていたから、疑問を持つことはない。

毎月女性にやってくる生理の問題に関しても、長い間語られてこなかった。
長い歴史の中でも「生理は隠すべきことだ」と言われてきたし、生理の話題をオープンにするのを恥ずかしく思う女性の気持ちもわかる。

しかし生理によってかかる女性の身体的な負担はかなりのものだ。
女性は初潮を迎えてから大人になるまで、それを当然のこととして受け止めて、人知れず我慢している。

PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)で悩んでいる女性は非常に多い。
生理中は貧血などで体調不良になったりもする。
女性の身体のことも、僕は結婚して妻の体調を横で見て知っていった。

それまでは女性がそんな悩みを抱えているなんて気づかなかった。
女性は大人になるにつれ、生理があったり、結婚をしたり、出産をしたりする中で、望もうが望まないが、変化と負担を強いられる。

逆のパターンもある。
結婚をしていなかったら「どうするの?」と聞かれるし、結婚したらなんとなく子どもを産まなくちゃいけない空気を感じることもあるだろう。
なぜ女性は変化を求められるのだろうか?

女性の生きづらさを挙げたらキリがない。
しかし世界は今、少しずつ変化をしている。


今まで社会が女性に背負わせてきた事柄に対して「ちょっとおかしくない?」と声が上がり始めてきたのだ。
そしてその声は段々広がってきている。
世の中はまだまだ改善されるべき点がたくさんある。
それに社会がよくやく気づき始めたのだ。
そして生きづらさを感じている当事者以外でも、手助けをしたいと思う人たちがたくさん出てきている。

僕は生理や出産を変わってあげることはできない。
でも、結婚生活の中で知った女性の大変さを、こうして文章で伝えることはできる。

応援すること、サポートすること、見守ること。
やれることはたくさんある。

どうすれば女性が生きやすい社会になるのか、僕は考え続けて行動をする。
社会はまだまだ女性に負担を強いている。

その中で懸命に生きている女性たちに僕はエールを送りたい。
そして1年後、3年後、5年後には、今よりも女性が色んな選択を、自由にできる世の中になっていればいいと思う。


Written by  5歳
Edited by はつこ


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