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仕事の話

日本の組織から派遣されてボリビアの農村というか村というか地方というか、まぁ一応「市」役所内の人権擁護の部署に配属されていた時のこと


スペイン語の名詞の性について

ボリビアの公用語は35を超えるほどあるのだけれど、
すべての地域ですべての公用語が使われているのではなく、
原則としてスペイン語+1、である。

そして行政文書は原則スペイン語でした。

私が配属されていた部署はスペイン語で、
Defensoría de Niñez y ・・・ と言いまして、

Niñezって何?

と思ったら、「こども」のことでした。

え!こどもって、Niño じゃないの?Niñaじゃないの?
Niños とか Niñas じゃないの?

Niñezって、何?

というのも、スペイン語には男性名詞と女性名詞があり、
複数系にしたとき、そのなかに一人でも男性がいたら男性形になるという、
なんとも男尊女卑な文法。

子どもたち全員が女の子ならNiñas
一人でも男の子がいたら、Niños
全員が男の子の場合も、Niños

うーーーーん。。
子どもや女性の人権擁護の部署なので、
Niñosの人権、とは言えない。女性を排除しているニュアンスになってしまうから。かといって、Niñasでは男の子が排除されてしまう。

ということで、Niñez !

a でも o でもなく、 e !

実は、このような変化は昨今のブームで、

たとえば、chicos とか chicas ではなく、 chic@s と書いたり。

 

Ni "chiques", ni "chicxs", ni "chic@s": los países en los que se rechaza el lenguaje inclusivo (y por qué muchos creen que se impondrá de todos modos) - BBC News Mundo

ま、賛否両論あるようですね。。

日本語も、奥さんではなく妻さん、旦那ではなく夫、などなど
言い方が変わってきてますものねぇ。

そんなdefensoríaでのお仕事

すごいね、と思ったのは弁護士と心理士が常勤の市役所職員で
法律や制度などなど社会側の問題と、当事者の心のケアと、
その両輪をそれぞれのプロが一緒に取り組むのです。

住民たちは、ひっきりなしにシビアな問題を相談に来ていて、
私たちは相談を聞いて終わりではなく、解決するまで、一緒に東奔西走。

ある時は病院へ、
ある時は裁判所へ、
ある時は家庭訪問、
ある時は孤児院へ、学校へ、……


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