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日本で電動バイクが売れないのは電動アシスト自転車が原因かもしれない

最近の電動バイク関連のホットな話題としては、中国発の電動バイクメーカー NIU が2020年の第三四半期に25万台の電動スクーターを販売したことが大きなニュースになっておりました。

値を単純に4倍すると年間100万台の電動スクーターを販売することになります。これがどのくらい凄い事実なのかというと、日本では2019年における スクーター(50cc以下の二輪車)の国内販売台数が 13万台 程度なのに対して、NIO 一社だけで 7倍以上 の台数を売り上げていることになります。(全国軽自動車協会連合会 のデータを元に計算)

Wikipedia の情報を元に日本での電動アシスト自転車の販売台数を計算すると、年間で概ね45万台程度と考えられます。YAMAHA が 電動アシスト自転車 PAS を世界で初めて量産したのが 1993 年で、先ほどの全国軽自動車協会連合会の 1995 年の販売台数(884,718) から2019年の販売台数(132,086) を引くと75万台になるので、電動アシスト自転車は50ccスクーターの市場を根こそぎ奪ったことが伺えます。(数字上は30万台ものギャップがあるので、この他にも 50ccスクーターが売れなくなった要因はありそうです)

電動アシスト自転車自体はイノベーションの結晶だし、新たな価値を自転車に与えて大きな市場も作り出したので素晴らしいと思いますが、電動バイクの普及という観点で考えると、大きな阻害要因となっている可能性があります。

今後は中国だけでなくアジア全域・欧州・アメリカ等に電動スクーターが普及していくことが予想される中、日本では電動スクーターの市場が立ち上がりづらいため、結果として国内のバイクメーカーからは優れた電動バイクが出てこないという悪循環が発生しそうに思えてしまいます。

現状だと、日本のメーカーから買える唯一のコンシューマ向け電動バイクは、YAMAHA の E-Vino のみの模様です。

E-Vino 自体は値段も安くてオシャレなのが良いですが、航続距離がたったの 29km となっており、niu UQi Pro と比べると少々残念なくらいに差がついております。

それにしても、XEAM さんが日本での電動バイクの普及にものすごく尽力されているように見受けられます。NIU の他にも SUPER SOCO や ZERO 等、日本の道路事情にも合いそうな電動バイクを沢山販売されており、とても面白いですね。

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