見出し画像

新型コロナについての現状認識その4 (1月4日時点)

 緊急事態宣言が、今週中にも再発出される見通しになっています。改めて、論点を整理しておきたいと思います。

■感染が拡大している背景は何か

 コロナ感染の原因は、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂分科会長)が次のように特定しています。

スクリーンショット 2021-01-04 19.52.56

 一つ目の理由は、感染が東京をはじめとした首都圏でひろがって、それが全国に波及していることです。

スクリーンショット 2021-01-04 19.54.10

 もう一つの理由は、歓楽街や会食で感染が広がり、その後に家庭内や病院・福祉施設で感染しているということです。

 海外からの水際対策の弱さを指摘する声もありますが、国内で日々4,000人の感染者がある一方で空港検疫では10-20人にとどまっています。「首都圏での会食」が問題だと、あらためて考えて頂ければと思います。  

 ■緊急事態宣言がなぜ再発出されるのか

 夜の街や飲食店が感染原因であるのが特定されていたのに、なぜ全般的な行動を止めることになる緊急事態宣言が発出されるのでしょうか。それは、首都圏については、飲食店への時短要請が効かなくなっているためです。
 たとえば北海道の場合、前回の緊急事態宣言や、昨年11月の時短要請によって、実効再生産数は1.0を下回り、感染を抑制できています。

スクリーンショット 2021-01-04 20.08.48

 他方、東京の場合、前回の緊急事態宣言や第2波の時短要請では感染を抑制できましたが、12月の時短要請では効果があらわれていません。

スクリーンショット 2021-01-04 20.09.43

 神奈川でも、時短要請をおこなったものの、「実際に夜、見回ってみると応じている店は2割程度しかない」と黒岩知事は表明しています。

 時短要請が効きづらくなったことを背景に、首都圏の知事は政府に対して緊急事態宣言を要請したわけです。

■緊急事態宣言は政局ではなくやむを得ず。一人一人の自覚こそ必要

 こうした状況を背景に、政府も今週中に1都3県での緊急事態宣言を1月8日から再発出する見通しです。

 時短要請が効かなくなっている中で、緊急事態宣言はやむを得なかったように私は考えます。学校や入試への影響を心配していましたが、ここは止めないようで、政府も冷静に判断している様子です。

 緊急事態宣言でも感染が止まらない場合は、飲食店の休業や市民の外出禁止を強制するなど、私権を制限する方向に進むことになります。一部の方たちが「緊急事態宣言を政府に要請したのは、小池都知事の政局劇によるもの」と発言していますが、私はそれはフェイクニュースのように感じます。政府や行政の責任とせず、一人一人が冷静に、感染をおさえるための行動をとっていく必要があります。
 政府・新型コロナ分科会では、昨年10月23日の時点で、個々人が感染リスクを避けるべき「5つの場面」が提言されています。コロナを克服するには、一人一人がこうした場面を少しでも減らすことに尽きると考えます。ぜひ熟読頂ければと思います。

画像3


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?