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高難易度ゲームが好きな人のためのSteamグループ「Challenge Enthusiasts」紹介

高難易度ゲーム。強敵や難所に阻まれ、何度も失敗を繰り返すのは往々にして苦痛を伴うが、それを乗り越えた時に得られる達成感は格別なものとなる。確実に人は選ぶものの、一定数のファンがいるジャンルでもある。

高難易度を謳った作品の中で最も成功した作品を挙げるのであれば、おそらくフロムソフトウェアのElden Ringになるだろう。お世辞にも親切とは言い難いゲーム内容であるが、デモンズソウルの頃から着々と積み上げてきた評判、オープンワールドになっても健在のレベルデザインと完成度の高さ、底の見えない膨大なボリュームと、世界で2000万本以上を売り上げる凄まじい勢いを見せた。

しかし高難易度ゲームは難易度はさることながら、(このような有名な作品はまだしも)クリアしてもその凄さが周囲には伝わらないことが多いというのもプレイを開始する上での大きな障壁になっていると感じる。何十、何百時間もかけて辛酸を舐めつつクリアしても、それを誰も評価してくれないのではあまりにも虚しい。

ここで紹介するのはそんな難しいゲームに立ち向かい、挑戦し続けるゲーマーが評価されるコミュニティ、Challenge Enthusiastsである。



Challenge Enthusiastsとは?

Challenge Enthusiasts(以下CE)はSteamに存在するゲームのチャレンジを点数化し、それに挑戦してクリアし、点を積み上げ高みを目指す海外発のグループだ。これまでに稼いだ総得点はランキング化され、リーダーボードに掲載される。
グローバルに展開されているSteamを拠点としたグループということもあって非常に多様な国のメンバーが在籍している。欧米圏のメンバーが多いが、日本人も多数在籍している。

得点は各ゲームに設定されたメインチャレンジ(Primary Objectives)を達成すると得られる。このチャレンジは基本的にSteamの実績と紐付けられており、例えばエルデンリングであれば「(イベントの進行に伴って戦えなくなる可能性のあるボスを除いた)全てのボスを倒す」ことが必要条件となっている。
解除した実績は緑色に変化し、設定された実績を全て達成すると得点獲得となる。

Elden Ring(20点)
点数獲得条件などの部分は残念ながら日本語化されない

ゲームによっては目標が複数存在する場合もあり、その場合は達成した目標の数だけ得点が得られる。
また、一部のチャレンジには不正対策としてスクリーンショット録画映像の提出が必要なものもある。実績と紐づけられていないチャレンジもあり、そのようなものも証拠提出が必要だ。証拠提出は専用のDiscordサーバー(後述)で行い、CEのモデレーターによって承認されると点数獲得となる。

Wings of Vi(145点)
点数獲得はそれぞれ動画提出、スクショ提出、実績解除が条件となっている

更に一部のゲームにはエクストラチャレンジ(Community Objective)というものが設定されている。こちらは点数にはならない上に、基本的にメインチャレンジを更に超える難易度のマニアックなやり込みが目標として設定されている。点数が貰えないので基本的にはやらなくて良いが、そのゲームを誰よりもやり込んでいるという自負のある方であれば挑戦する価値が出てくるだろう。

Hades(35点)
点数を取るだけなら熱度32をクリアすればいいが、熱度40以上でのやり込みにも対応している


サイトの見方

ゲーム一覧やリーダーボードはCEの公式サイトから閲覧できる。百聞は一見に如かず、まずはCEのサイトを眺めてみるといいだろう。

Challenge Enthusiasts公式サイト

・トップページ&サイト上部

トップページの背景にはサイトに載っているゲームの動画がランダムで流れる

トップページ及びサイト上部からはCEのゲーム一覧リーダーボードDiscordサーバーSteamグループへのリンクが載っている。
そしてサイト上部からは上記に加え、CEサイト開発者への寄付、ゲーム名やプレイヤー名の検索言語変更、そしてSteamとの連携が可能となっている。Steamアカウントを所持している方はまずSteamでログインを押して連携してみると良いだろう。連携が完了すると画面右上に自分の名前が表示され、ここから自分のプロフィールページに飛べるようになる。新たにゲームを入手したり得点になる実績を獲得した時は更新を押して少し待てば反映される。

自身の所持ゲームや得点が全く反映されないという場合はSteamのプロフィールが非公開になっている可能性がある。Steamの設定から公開設定を見直してみると良いだろう。

Steamプロフィール→プロフィールを編集→公開設定
黄色で囲われた部分も公開にする必要がある

・ゲーム一覧

CE上のゲームは6つのジャンルと5つのティアに分かれており、条件を絞って表示することが可能。Pointsの部分を押せば点数順に、Statsの部分を押せばクリア人数順にソートすることもできる。
ゲームごとに表示されているStatsは緑色が全てのチャレンジをクリアした人数、青色がそのゲームの全所持者のうち全てのチャレンジをクリアした人の割合、オレンジが部分点を獲得している人の割合となっている。
右上のFilter…と書かれている検索ボックスからはゲーム名やチャレンジの名前を入力すれば候補を絞ってくれる。その上のボタンからは表示方法の変更やランダムでサイトが選んだゲームの表示が可能。

・リーダーボード

リーダーボードはデフォルトでは合計点数順に並べられる。1ページあたり100人表示される。
リーダーボードもゲーム一覧と同様、ティアやジャンルに絞って表示することが可能。
達成ゲーム数と合計ポイントは分かるとして、レーティングは高難易度、高得点のゲームをどれだけクリアしているかの指標となる値。詳しい計算方法はここでは省くが、例え合計点が等しかったとしてもTier5のゲームを複数クリアしている人と一つもクリアしていない人を比べると確実に前者の方がレーティングは高くなる。

・プロフィール

プロフィール画面には「ステータス」と「所持ゲーム」の二つのタブがある。

ステータスタブでは全てのメインチャレンジをクリアしているゲームから点数が高い順に5つ載る完了主義者ショーケース、クリア済の個別のメインチャレンジから点数が高い順にソートされているメインチャレンジショーケース、上の画像には映っていないがその下にエクストラチャレンジショーケースが載っている。
画面右には完了させたゲームの数がそれぞれティアとジャンル別で掲示されている。

所持ゲームのタブでは所持しているゲームが全て載っており、獲得得点が高いゲームから順にソートされている。全てのメインチャレンジをクリアしていれば背景が緑色になる。
ここでも特定のジャンルやティアで条件を絞って表示することができる。自分の所持ゲームを眺めつつ、次はこのゲームをやるか・・・と作戦を立てるのも良いかもしれない。


キュレートされるゲームについて

CEにはどのようなゲームが採用されるのか?現在1000本以上の作品がCEで得点が得られるゲームとして採用されている(このリストに追加することをキュレートするという)が、世間では高難易度と呼ばれるゲームでもこのリストに入っていないものもしばしば存在する。

まずは大前提として、ある一定以上の難易度が無くてはならない。CEでの得点は5点刻みで、最低得点は5点。
参考までに、5点のゲームにはHotline MiamiSalt and SanctuaryTUNIC、10点のゲームにはGetting Over It with Bennett FoddyALTF4LIMBOといった作品が含まれている。この5点という閾値を下回ると判断された場合、キュレートは見送られることとなる。

次に、チャレンジに求められる「難しさ」はゲームの実力を真に問うものでなくてはならない
どういうことかというと、例えば「モンスター図鑑をコンプリートする」「低ドロップ率の激レアアイテムを手に入れる」「プレイ時間が100時間を超える」といったような面倒な実績の達成率は往々にして低くなるものだが、それは難しいからではなく手間や時間がかかるからである。裏返せば時間さえかければ誰でも達成は可能ということであり、このようなものはCEではメインチャレンジとして設定されることは無い。

Gettin Over It(10点)の悪名高い50回登頂実績
この実績はエクストラチャレンジに設定されている

また、得点が設定されるにはそのゲームにおいてゲーム側から目標として設定されている必要がある
例えば、ノーダメージでクリア、1時間以内でクリア、装備やプレイスタイルを縛ってクリア・・・と、難しいチャレンジはどんなゲームでも作ろうと思えば無限に作れてしまうだろう。しかしそれでは際限が無いので、基本的に実績などの形でゲーム側から提示されているもののみが目標として設定される。実績ではなくともノーデスクリア等で通常クリアとは異なるクリアマークが得られるといった、本来実績として用意されていてもおかしくない内容のものであればメインチャレンジとして認められる。

リトルノア 楽園の後継者(55点)
このようなゲーム内実績などがあるとSteam実績が無くともメインチャレンジとして認定可能

そしてキュレートされるゲームはCEメンバーの中にクリア者がいなくてはならない。難しすぎるが故にCE内でも誰一人クリアできておらず、キュレートされていないというゲームは少なくない。ただし部分的であってもチャレンジの達成者がいればキュレートは可能であり、クリア者がいない目標については(UNCLEARED)と表記される。UNCLEAREDとなっているチャレンジはCE内でクリア者が出て初めて点数が決定され、それまでは便宜的に1点の点数が付けられる。合計点が5の倍数になっていない作品はまだ誰もクリアしていないチャレンジがあるということになる。

Toast Time(現在10点)
長らくクリア者が出てこない作品。クリアされればTier5になると言われている

最後に、バグの利用アシストモード等によって簡単に攻略できてしまうような作品は点数が引き下げられたり、キュレート自体が見送られることがある。例えばCelesteには無限ダッシュやゲームスピードの変更が可能なアシストモードが搭載されており、これを利用しても実績の解除やノーデスクリアの称号である金イチゴの取得が可能だ。Celesteの場合は点数が引き下げられたりはしていないものの、アシストモードの存在が原因で各種目標は証拠動画の提出が必須となってしまっている。

Celeste(250点)
当然ながらアシストモードは使用禁止


Tierとジャンル

各ゲームには難易度に応じてTier1からTier5までのティアが割り振られている。それぞれのゲームの目標の合計得点で決まっており、それぞれ
Tier1 5~15点(目安の所要時間:10時間未満)
Tier2 20~35点(10~20時間)
Tier3 40~75点(20~50時間)
Tier4 80~195点(50~100時間)
Tier5 200点~(100時間以上)

となっている。ただし平均所要時間でTierや点数が決まる訳ではなく、あくまでそのチャレンジの難易度で決まるので、同Tier内のゲームでも作業量の多寡やボリューム次第で所要時間は大きく異なってくる。ちなみに点数は全てCEのDiscord内にて議論が行われ決められる。

またCEにキュレートされているゲームはプラットフォーマー・アクション・弾幕・一人称・バラエティ・ストラテジーという6つあるジャンルのいずれかに割り振られている。これらについてもざっくりと説明する。

・プラットフォーマー(Platformer)
移動やジャンプで障害物や敵を避けつつゴールを目指すことに主眼が置かれたゲーム。スーパーマリオブラザーズなどはプラットフォーマーゲームとして有名。
一言でプラットフォーマーと言っても、ゲームによっては壁キックが出来たり(Super Meat BoyRITEなど)、フックを使ってワイヤーアクションのようなことが出来たり(海腹川背シリーズRemnants of Naezithなど)、ある程度移動方法が特殊なものでもCEではプラットフォーマーという扱いとなる。
他にも自動で進み続けるオートランナー作品(BIT.TRIP RUNNERSUPER CHICKEN JUMPERなど)、3Dプラットフォーマー(ALTF4LOST EGG 2など)や、戦闘要素のあるゲームでもプラットフォーマー的な難しさの方が占める割合が大きいと判断された作品(Pizza TowerOri and the Blind Forestなど)はこのジャンルに入れられることがある。重力の影響を受けていれば操作方法やシステムが特殊なもの(Getting Over ItStilt Fellaなど)もこのジャンルに属することになる。
バラエティに次ぐ数のゲームがキュレートされており、分かりやすいゲーム性もあって人気のジャンルとなっている。

・アクション(Action)
敵やボスとの戦闘がメインの作品はこのジャンルに属することになる。伝統的な2Dアクション(ロックマン11 運命の歯車!!METAL SLUGなど)メトロイドヴァニア(Hollow KnightENDER LILIESなど)、ボス戦のみの作品(CupheadTitan Soulsなど)、ローグライクアクション(HadesDead Cellsなど)、3Dアクション作品(ダークソウルデビルメイクライ5など)といったものが含まれている。
比較的有名な作品も多く含まれているため手出ししやすいジャンルの一つだろう。

・弾幕(Bullet Hell)
Bullet Hell
弾幕シューティングのことを指すが、弾幕ではなくとも2Dシューティング(STGshmupsとも呼ばれる)は全て含まれるほか、弾避けをメインにした作品などもこのジャンルに属することとなる。
虫姫さま東方シリーズのような典型的な弾幕シューティングのほか、Just Shapes & BeatsのようなBGMに合わせて攻撃を避け続けるもの、The Textorcistのような弾幕とタイピングゲームを融合した変わり種もあったりする。
ややニッチなジャンルではあるものの、日本製の作品の割合がかなり高いので日本人であれば比較的とっつきやすいはず。

・一人称(First-Person)
ゲームのジャンルに関わらず、基本的に一人称視点のゲームはこのジャンルに属することとなる。ただしアクション要素を含まないもの(The Witnessなど)はストラテジー扱いとなる。
DOOM EternalCall of Duty: Modern Warfare IIのようなコテコテのFPSのほか、Neon WhiteVerlet Swingのようなステージごとのタイムアタックを競う作品、Kreedz ClimbingBETON BRUTALのような一人称パルクール、バイオハザード7Outlastのような一人称ホラー作品などが含まれている。
他と比べるとジャンルの範囲が狭いこともあってキュレートされているゲームの数は少ないものの、必ずしもエイム力が求められる作品ばかりではないのでPCのスペックが足りるのであれば臆せずに挑戦してみて欲しい。

・バラエティ(Arcade)
端的に言えばその他に当たるのがバラエティだ。アクション要素を含むが、前述の4つのどのジャンルにも属さないものはここに送り込まれることになる。
反射神経ゲー(SUPER HEXAGONOPEN HEXAGONなど)、音ゲー(Muse Dash初音ミク Project DIVAなど)、 レースゲーム(TrackManiaシリーズDescendersなど)、落ちものパズルゲーム(Tetris Effect Connectedぷよぷよテトリス2など)などが比較的メジャーなサブジャンルとなっている。
型にとらわれない斬新なゲーム性の作品も多く、CE内では最も多くの作品がキュレートされている。

・ストラテジー(Strategy)
新設されたばかりのジャンル。アクション要素が薄い、もしくは無い作品はここに属することとなる。
ローグライク(風来のシレン5+HyperRogueなど)、ローグライクデッキ構築(Slay the SpireMonster Trainヤマふだ!にごうめなど)、パズルゲーム(The WitnessPictpixなど)などが含まれるが、このジャンルの注意点として、攻略情報を利用すれば誰でもクリア出来てしまうものはキュレートされない。
例えばBaba Is Youはパズルゲームの中でも屈指の難易度の高さを誇る作品だが、攻略動画をなぞれば誰でも簡単に全クリ可能だし、そのようなズルをせずにクリアしたとしてもそれを証明するのは難しい。このような理由からこのジャンルにおいては基本的にランダム性を含む作品でないとキュレートの対象とはならない。
CE内ではまだこのジャンルのプレイヤーは少なく、またゲーム性からして全体的にクリアに時間のかかる作品が多いというのもあり、キュレート済みのゲームはまだ非常に少ない。君がCEに加入してこのジャンルを盛り上げよう!


CE Discord

証拠提出、ゲームの追加や点数変更等の議論、その他雑談は全てCEのDiscordにおいて行われている。入ったばかりの状態だとほとんどのチャンネルが閲覧できないが、Steamのプロフィールを公開に設定した上でURLを#landing-padに貼ると、CEのモデレーターによってあなたのSteamプロフィールがCEのサイト、及びDiscordと紐付けられる。チャンネル制限も解除され、晴れてCEのメンバー入りとなる。
既にCEのサイトとSteamのプロフィールを紐づけている場合は、代わりにCEのプロフィールのURLを貼ると良い。

こんな感じでCEのモデレーターがSteamプロフを同期してくれる

証拠提出は#proof-submissionのチャンネルで行う。ゲーム名・チャレンジ名と共に証拠の画像・動画を提出すると、モデーレーターに承認され次第点数獲得となる。最低限このチャンネルだけ覚えておけば何とかなるはず。

承認されるとチェックマークのリアクションが付けられる

他にも新規ゲームのキュレート提案や点数調整の提案を行うrecommendations、月ごとのイベントが行われるeventsなど多数のチャンネルがあるが、ある程度このグループにのめり込んでいる人じゃないと使うことは無いと思われるのでここでは詳しい説明は割愛する。

ちなみにこのDiscord、海外発のグループなので当然ではあるのだが、やり取りは全部英語で行われている。

「全部英語かぁ・・・」と思ったそこのあなた。ご安心を。CEの日本人メンバーが集うCE Japan(以下CEJP)というDiscordサーバーも用意されている。ここではCEのメンバーがゲームの攻略情報を出し合ったり、夜な夜な通話に集って各々好きなゲームをやったりしている。ただし、各種証拠提出等が行えるのは本家CEサーバーのみとなっているので、本家サーバーに入るのは必須と言える。

一方CEJPはあくまで日本人同士の交流に使われるだけのサーバーであり、こちらへの加入は必須ではないので馴れ合いに興味が無いという方は入る必要は無い。ただCEのゲームのセール情報や本家サーバーの翻訳情報、日本語での攻略情報の共有など、有益な情報も載っていたりするのでCEメンバーであれば入る価値はそれなりにはあると思われる。

分からないことがあればゲーム別・ジャンル別スレなどで遠慮なく聞こう

ちなみにCEJPは日本人向けのサーバーだが、本家サーバーのモデレーターや日本人と交流したいCEメンバーなどは日本人でなくともCEJPに入っていたりするので、日本人限定のサーバーという訳ではない。

CEJPも本家サーバー同様、入ったばかりだとほとんどのチャンネルが閲覧できないが、本家サーバーで連携済みであることが確認され次第制限が解除されるようにしている。
注意点として、いずれもサーバー参加時の通知が出るタイプのDiscordサーバーとなっており、こっそりバレずにサーバーに入るといったことはできないので覚悟を決めてから入る方が良いだろう。

Challenge Enthusiasts(本家サーバー)
CE Japan(日本人向けCEサーバー)


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CEに載っている高難易度ゲームをよく配信でやっているので遊びに来てくれると喜びます。CEについて分からないことや気になることがあればお気軽にコメントどうぞ!
レツのTwitchチャンネル


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