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豪壮に華麗に繊細に、「人の声」で

改めてきちんとした録音で聴くと、やはり言葉がでません。

1979年(昭和54)リリース。「かくれた名人、山崎旭萃、その歩みのすべてをここに集大成、伝統音楽関係者のみならず、すべての現代人に共感を求めるするどい筑前琵琶のひびきが全編をつらぬく。琵琶人としての個人集成アルバムここに完成!!」

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山崎旭萃(筑前琵琶演奏家)
本名永井ハル。1906年大阪府生まれ。10歳で倉増旭陵に入門、琵琶界に入る。16歳にして山崎旭萃会を創立。結婚後まもない19歳の時、初代橘旭宗に直門を許され、琵琶楽追求に邁進する。1964年、琵琶と詩吟の美点を融合した大和流琵吟楽、山崎光掾会を創始し宗家となる。67年、筑前琵琶日本橘会の最高位である宗範に推され、国内外での演奏活動をはじめ、後進の指導育成、琵琶の普及、発展に尽くして今日に至る。75年大阪文化賞、80年勲五等瑞宝章など受賞多数。2006年逝去。

なにわ塾叢書31
「豪壮に華麗に繊細に 筑前琵琶に生きる」山崎旭萃談・聞き手久保田敏子(1988) 

とてもお話し好きでした。記録者の上手と思いますが、話者の姿が浮かぶようです。夜行列車で鹿児島まで指導に行った話。鶴田先生とヨーロッパ楽旅。

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朝日新聞社「週刊人間国宝47 芸能音楽2」2007年

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伝統芸能としては新しい。一般普及に一役買ったのはむしろ、女優高峰三枝子の父、高峰筑風(1879―1936)や、戦後、笹川良一夫人で詩吟を発展させた笹川鎮江、雅号笹川旭凰(1923-2002)も忘れてはいけないでしょう。(笹川氏の節回し発声は大変聴き映えのする芯のとおったもの)

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高槻市しろあと歴史館・平成17年秋季特別展(2005年)
-人間国宝-山崎旭萃と筑前琵琶の世界

筑前琵琶は、明治時代、九州筑前で橘旭翁(たちばなきょくおう)によって生み出されました。その筑前琵琶の世界に長年にわたり身を置き、琵琶奏者として初めて「人間国宝」に認定された山崎旭萃(やまざききょくすい)さん。宗家の厳しい稽古を乗り越え、演奏技法を磨くなかで、詩吟の美点を取り込んだ「琵吟(びぎん)」を創始、後継者の育成や琵琶の普及につとめました。
 今回は、愛用の琵琶をはじめ、演奏で使われる教本や撥(ばち)、そして門弟の会「山崎旭萃会」の活動や海外での筑前琵琶の普及の様子を資料や写真などで展示します。白寿を迎えられた今も現役で活躍されている山崎旭萃さんの軌跡と魅力に迫るとともに、演奏などを通して、幻想的な音色を奏でる筑前琵琶の世界にふれていただきます。

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DVD 筑前琵琶 師から弟子へ─〈安宅〉直伝の記録 2016年

伝統音楽の芸の伝承とは?!の問いに迫る3枚組DVD  2016年に筑前琵琶の人間国宝に指定された奥村旭翠が、師でやはり人間国宝だった山崎旭萃より大曲「安宅」の歌い方を伝授される場面をつぶさに記録したDVD。中山一郎による1998年の録画で、奥村による舞台初披露(98年)と16年後の演奏、そして参考映像として山崎の演奏(95年)も収録。7時間にわたる直伝の記録は圧巻! 全詞章を掲載した冊子付き。

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琵琶について

高弟、山下旭瑞について


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