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読書の感想 仕事、人生お探し中「お探し物は図書室まで」

本屋大賞2位とのこと。
書店員が感情移入しやすかった?いや、それではちょっと意地悪かしら。
それでも、よく「練られた」作品と思います。


マーカポイントをいくつか。
アンティークショップを起業しようとしている若者のエピソード。

「いつかって言っている間は、夢は終わらないよ。美しい夢のまま、ずっと続く。かなわなくても、それもひとつの生き方だと私は思う。無計画な夢を抱くのも、悪いことじゃない。日々を楽しくしてくれるからね」

捏ねくりまわし加減が好みです。ちょっとだけ「エッ?」と考えさせられる文章好い。

「でも、もしうまくいかなくて店がつぶれたら……」 「つぶれたら? それっていけないことなの?」

全くその通り、いけなくありません。
ニート青年が施設側に就職するエピソード。

この街に住む人々が、豊かな時間を過ごせるように、学びや娯楽を得られるように、安心して来られるように。考えられ、配慮され、広く受け入れられる場。それを用意するのが、この施設の大きな目的だった。  よく顔を見せるおばあさんとロビーで話し込んだり、若い母親に連れられてきた子どもと仲良くなったり、俺はこんな社交的な自分がいることにびっくりした。

定年を迎えた製菓会社勤務の父が、書店勤務の娘に気づかされるエピソード。自分の「商品」を自信を持って他者に届ける----好い。

「作る人がいるだけじゃ、だめなのよ。伝えて、手渡す人がいなきゃ。」

わたしもちょうど仕事、人生を探しているので、タイムリーでした。
羊毛フェルトの細工は表紙がなくては見当もつきませんでした。
本当にこんなことできるの?すごい世界。


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