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ジョバンニ3巻「ユリちゃんに叱られる」

成長の物語には必要なページ。こんな「ぼーっといきてる」noteを綴っていると、こちらが叱られますな。

巻末に引用出典。生きるために必要なのは「うぬぼれ」----は水木しげるの言葉とのこと。隻腕の大先輩の言葉を引用とはなかなかコジャレてます。ただ二ノ宮先生のような大掴みな構成力はない作家さんなので、あまり長編化するとボロがでそうです。

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「さよならソルシエ」の穂積の新作のテーマはチェロ。興味津々。
タイトルのジョバンニは、ソッリマがモデル。
そして主人公は2Cellosというイケメンデュオがモデルの様子。このデュオが弾くソッリマの「チェロよ歌え」はyoutubeで鑑賞できます。イケメンデュオは旧ユーゴの最後期に生まれた子供たちです。
ソッリマもイケメンも、そんなにメッセージ性は強くないのですが、どうもチェロという楽器は、元来一家言ある人物に好まれる傾向があるかも。そう「サラエボのチェリスト」という本というか事件というかもありました。
紛争中のサラエボで無差別攻撃の犠牲となった人たちの鎮魂のため、銃弾の飛び交う街路に出て、身の危険を顧みることなく22日間「アルビノーニのアダージョ」を演奏しつづけたチェロ奏者----。これに触発されたチェロの曲もあります。
それに、2005年話題になった浜辺で発見された記憶喪失の「ピアノマン」アンドレアス・グラッセルの事件を導入に引用しています。
ただし、味付けは変化に富んでいるものの、どうも物語は「さよならソルシエ」の系譜のようです。チェロ版の「いつもポケットにショパン」みたいになってくれると嬉しいのですが。穂積という作家はテーマが練り切れていないところがあって、アイデアはよいが構成力が弱く、尻すぼみで終わる可能性がちょっとあって心配。大久保圭や高瀬理恵と比較するとお若い。でも芸術に対する視線はなかなかロマンチックで、新作が楽しみな作家です。

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確かに、カザルス以来チェロ奏者は話題に事欠かないといえばそうですね。
ドボルザークの協奏曲は今年新設されたエリザベート王妃コン2位の岡本某氏が弾きました。そうした話題性も少し。ネットの写真では小柄な方のよう。王妃がでかいのか。1位はフランスのビクトル・ジュリアン=ラフェリエ(?)という人。日本のニュースは優勝者の名前をほぼ黙殺ひどい。3位はコロンビア人、サンチャゴ・カニョン=バレンシア(?)。このコンクール、ボッケリーニのソナタをチェロデュオで課題にしているとのこと、さすがベルギーかしら。
さて「僕のジョバンニ」はどこでドボルザークがでてくるかしら楽しみに。

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