笑うバロック展(303) アイドルを探せ 「再発見と書きかえ」のヒレ(4)

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ヒレはアイドル、何しろ当ブログのタイトルはヒレのCDから頂戴していますし。実力があり、継続してCDがリリースされているガンバ奏者。
何か意図があって、オルティスやフォルクレを避けながら、それでいてしっかりサントコロンブから経歴スタートし、ルネサンスから古典に至る重要なレパートリを録音してきました。彼女の颯爽としたグラウンの協奏曲はぜひ一度ライブで聴いてみたいものです。バッハのオルガン独奏のトリオソナタのガンバとチェンバロ用編曲は、独特な雰囲気で何度も聴いています。テレマンのパリカルテットも素晴らしい。独奏、室内楽、協奏曲までこなせる数少ない本物のプロのガンバ奏者です。彼女はしっかりと高音用のガンバは弾きますが、半端にチェロを弾いたりしません。復活したガンバという楽器が、特別な歴史的意義のある古楽器でなく、それ単体で「食っていける」当たり前のプロの使う楽器として成熟した到達点の奏者です。彼女はガンバにだけ携わっていれば「食っていける」人です。
今回はヘンデルのカンタータを取り上げ、伴奏の素晴らしい独自性を聴かせます。ソロも挟みながら。
カンタータ『ああやはり間違いないのだ』 HWV.77よりアリア「Col partir la bella Clori 美しいクロリが去り」(ガンバ+リュート編曲版)
なんとなつかしい曲でしょう。トラジコメディアの「スプレツァトゥーラ」ではエレン・ハドリーが弾いていました。記憶が確かならライブでも一度、アンコール曲だったと。昔ブリュッヘンが指揮業に転向もうテレマンは演奏しない、しかしヘンデルの一部くらいなら演奏してもよい、と語った、そのヘンデルの魅力はこうした「歌」にあるのかしら、と思わせる曲と演奏なのでした。
やはりヒレは目が離せないアイドルです。思わずヒレにファンメールを送ってしまいました。ハズカシ。

ヘンデルのカンタータ  歌詞の意味を考える
声楽曲について歌詞の日本語解釈をします。その他、音楽・美術・文学などの話題も。 By koh da saitama

素晴らしく奇特なブログを発見しました。
これでヘンデルのカンタータを安心して聴けます。
うーんしかし、何度も書きますが、世の中には奇特な方がいるものですな。

このCDでルトガー・レミーの逝去を知りました。----ドイツのチェンバロなどの鍵盤奏者ルトガー・レミーが2017年6月21日にブレーメンで亡くなった。68歳だった。ケネス・ギルバートに師事。ドレスデンのウエーバー音楽院で後進の指導。早い時期からCPEバッハを積極的に取り上げた。自身で創設したアンサンブル「レザミ・ド・フィリップ」もCPEバッハに由来する----。2017年は何人もの鍵盤奏者を失った年になりました。


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