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(2020年10月) クープラン(1668-1733)「ルソン」リスト-7 = 5種

2012年、2013年録音 アルカンジェロ(全3曲)とベルモン(抜粋1曲)のクープラン

クープランのルソン・ド・テネブル全3曲は、おそらく軽く30種を超えるくらいの録音があります。バロックの比較的地味で小編成の歌曲にしては、十分な「名曲」といえます。
グループ名からして、弦楽器奏者のたちが想定されていますから、当盤は「リュリ賛」であり、余白にルソンという趣です。ただCD収録時間からルソン全曲がすっぽりと入った感じ。「リュリ賛」と「ルソン」の関係性を考えているプログラムなのか?気になります。情報はあまりなく、クープランの音楽的フィロソフィがイタリア趣味とフランス趣味の洗練された融合にあり、その括りで選ばれた2曲なのかもしれません。ルソンのアルファベットメリスマの部分と、聖書の詩句の部分でふたつのスタイルを取り沙汰することはできます。特にメインが「リュリ賛」との組み合わせなら。
ルソンは、聴いた限りでは当時のフランス式の発音に準拠していると聴こえます。英語圏出身風の演奏家が録音するケースが増えましたが、違和感は感じませんでした。こうした研究成果も、いわゆるフランス語圏の人が訛っているというレベルでなく、後から発見され「作られた」または「再設定された」習慣的ルールと発音が、学べるものになって普及したといえるのかもしれません。ローカルな部分の掘り起こしがどこまで進み、それには終着点があってほぼ定説化しているのか、それともまだ何か聴いて判別がつく相違が創意されるのかしら。21世紀のバロック音楽の演奏は普及した古楽の意識の下で、ローカルな地域性が見直しされた時代と思います。古楽という一種の国際共通語が優先された時代は「古楽の先進国」みたいな言い方もされました。クープランはクラブサン曲を含めて、かなりローカルな作曲家の代表だったと思います。バッハのロ短調ミサやヘンデルのメサイアとは全くの反対の側と。(COCOのリフキン説を容れたミサ曲は小編成化されクープランのルソンが維持しているローカルな感じが取り戻されている、のかも)

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(輸入元情報)イギリスの優れた若手チェリスト、指揮者であるジョナサン・コーエンによって2010年に結成された新鋭ピリオド・アンサンブル「アルカンジェロ」。カウンターテナーのイェスティン・デイヴィスとの録音で英グラモフォン賞を受賞するなど、世界で注目を浴びているアルカンジェロの新録音は、クープランが書いた器楽のためのコンセール集『リュリ賛』と、キャサリン・ワトソン、アンナ・デニスの二人のソプラノが歌う『ルソン・ド・テネブレ』を収録。偉大なる先人リュリへのオマージュとして大クープランが残した組曲『リュリ賛』を、ソフィー・ジェント、ボヤン・チチッチ、ジョナサン・マンソンらの名手が美しく紡いでゆきます。

F.クープラン:
1. リュリ賛
2. ルソン・ド・テネブレ

アルカンジェロ
ステファヌ・ドゥグー(朗読:1)
ソフィー・ジェント(ヴァイオリン:1)
ボヤン・チチッチ(ヴァイオリン:1)
ジョナサン・マンソン(ヴィオラ・ダ・ガンバ:1)
トーマス・ダンフォード(リュート)
ジョナサン・コーエン(チェンバロ:1、オルガン:2、芸術監督)
キャサリン・ワトソン(ソプラノ:2)
アンナ・デニス(ソプラノ:2)
アンヌ=マリー・ラスラ(ヴィオラ・ダ・ガンバ:2)
録音時期:2013年3月16,17日(2)、2014年1月23日(1)
録音場所:ロンドン、ハムステッド、セント・ジュード・オン・ザ・ヒル教会


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もう1枚はデュエットの「第3」ルソンのみ収録の「聖なる喜び」とでも訳すもの。デジタルデータで購入。
ラ・ベルモンというスペイン拠点で活動するグループ。ベルモン La Bellmont は、フォルクレと演奏していたと伝えられるヴィオル奏者の名前であり、フォルクレの曲名になっています。
プログラムは、サントコロンブ親子、ルイ・クープランなどの器楽を挟みながら、クープランのモテット集。第3ルソンはそうしたモテットのひとつとして選曲。やはりイタリアのトリオ・ソナタのようなモテットは、リュリに比して規模は小さいがフランスとイタリアの趣味の融合を示した最高の洗練の事例と。
マドリッドで2012年12月録音。

基本メンバー
サラ・ルイス(パルドゥシュ&バス・ガンバ)
ラウラ・プエルト(オルガン)
ラファエル・ムニュス(リュート、テオルボ、音楽監督)
ゲスト
デリラ・アグンデス(soprano)
マグダレナ・パディジャ(soprano)
ヘスス・マリア・ガルシア・アレフラ(barítono)
ヨハンナ・ローゼ(パルドゥシュ&バス・ガンバ)

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Plaisir sacré l François Couperin

1. Prélude pour les violes Monsieur de Sainte-Colombe le fils (?-1713)
2. Venite exultemus Domino François Couperin (1668-1733)
3. Regina coeli laetare François Couperin

4. Prélude pour l’orgue Guillaume Gabriel Nivers (c.1632-1714)
5. Domine salvum fac Regem François Couperin
6. Fuga Louis Couperin (c.1626-1661)
7. Ad te levavi oculos meos François Couperin

8. Passacorde pour le théorbe Angelo Michele Bartolotti (c. 1615- c. 1682)
9. Fantaisie en Rondeau* Monsieur de Sainte-Colombe le fils
10. Troisième leçon de Ténèbres François Couperin
11. Les pleurs Monsieur de Sainte-Colombe le père (1640?-c.1701)

12. Motet de saint Augustin François Couperin


2014-2017年 パスカル・ヴィニョロンのクープラン

François Couperin, Leçons de Ténèbres, messes pour orgue (extraits),
Sandrine Carpentier (soprano), Clémence Lévy (soprano),
Pascal Vigneron (orgue). Quantum 2017 (QM 7079).

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ドイツとの国境に近いロレーヌ地方のトゥール。東隣にナンシーがあり、その先はストラスブール。
ゴシックのカテドラルのオルガンを使ってクープランのオルガン作品。
街の反対側にあるコレジオ・サン・ジャングールという教会のオルガンがルソンの伴奏に使用された様子。
表記がないので想像の域。
録音は2014-2017とあり。
パスカル・ヴィニョロン氏は、トランぺッターにしてオルガニスト。トゥールで音楽祭を。
どうもその一環で、サンドリーヌ・カルペンティエルとクレメンス・レヴィとルソンの演奏会を数度にわたって開いたよう。サンドリーヌ女史はプランシャンが得意と。
ライブではないけれど、どこか記念盤的にも思えます。
演奏は、まだ今一つよさが理解できていません。
もう少し聴き続けます。
「ロンシャン修道院(高等社会の集会で人気のある場所)の尼僧のために作曲されました」演奏かも。

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musicologie.org
2017年7月11日、Jean-Marc・Warszawski筆
2014年から2017年にかけて、サンジャングル大学教会とトゥール大聖堂で録音されました。
18世紀のルソンは趣味のよい世俗的な社会のポーズ。聖餐のない聖務日課は、正規の時間に統合され、その間に、証の150の詩篇が読まれます。もともと、これらの暗闇の日課は、イースターの厳粛さの最後の3日間のピークを占めていました。
私たちは毎晩、第1部「エレミヤの嘆き」、第2部聖アウグスティヌス、第3部聖パウロを読みました。しかし、何よりも、この聖務日課に着目し、作曲家がほぼ独占的に音楽にしたのは、エレミヤの劇的な嘆き(旧約聖書)です。
それは本当に参加型のショーでした。そこでは、地獄への降下と地震の墜落である復活を象徴すると同時に、15の象徴的なろうそくを次々と消しました。日の光、異教の遺産、そして太陽が昇るのを見ないという先祖代々の恐れ。
表現の自由と宮廷の空気を楽しんでいる作曲家は、この機会に傑作を届けました。彼らはこれらの日課の9つのルソンと中間部分をめったに構成しませんでした。フランソワ・クープランの3つのルソンは、最も成功したものの1つで、1713年から1717年の間に作曲されました。ロンシャン修道院(高等社会の集会で人気のある場所)の尼僧のために作曲されましたが、他の6つは失われました(作曲されなかったかも?)。
Pascal Vigneronは指揮者、オルガニスト、トランペッターであり、パリのエコールノルマルの元教授であり、2010年にトゥールでバッハフェスティバルを創設しました。Sandrine Carpentierは、パリのコンセルバトワールでフルートの研究を終えた後、歌に切り替えました。彼女はモーツァルトの役(パミナ、デスピナ、ゼルリーナ、バスティエンヌ)を好んで歌いますが、オペレッタを忘れず、シュトラウス、ビゼー、グノーの役を避けません。彼女はコンサートでソリストとして、定期的にパスカル・ヴィニョロンと共演。また、Clémence Lévyがcoloratura sopranoで、歌うようになるのはバイオリンとピアノを通してですが、劇場にも行きます。彼女が現在の同僚と同じようにオペレッタ、リサイタルにも惹かれています。
彼らはこの音楽と静けさの傑作、様式の一貫性を正当化します。私たちは、第3ルソンのヘブライ語アルファベットの音節の2つの非常に華やかな声に圧倒されます。1690年から、小教区のミサと修道院のミサのオルガン作品から取られた、ルソン間の間奏曲であるいくつかの楽曲を除いて、非常に暗く滑らかな録音が適切に選択されています。 The Aesthetics of Death 死の美学 によると、このキアロスクロの印象は、夜そのものよりもはるかに苦痛です。Michel Guiomar(Corti、1967)による。しかし、いずれにせよ、地獄によって騒々しい地震の間に祭壇の後ろに一瞬隠された、イエスを象徴する最後に点火されたろうそくが、最初の光線の下でその小さな炎で再び現れることを私たちはすでに知っています。何よりも、太陽は、美しさに対抗するこれらの歌、確かな壮大さ、傲慢な落ち着き、窮屈な不安や夜行性の悪魔とは何の関係もありません。


2017年録音 レゾンブルのクープラン

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ユーグ・クエノーから始まるクープラン「聖水曜日のための3つのルソンドテネブル」全曲の正式にCDかレコード録音されたものは、おそらく27か28種目だと思います。クープランの泰斗ブーレイが2回、歌手としてデラー、カークビーが2回録音しています。バッハのミサ曲、受難曲、ヘンデルの「メサイヤ」と比肩しうる名曲と思います。
ルソン(1714)のあとに、次の曲が収録。クリスティ盤も併録した、ちょっと幽玄なモテット。
「王の命令により作曲されたモテットの4つのヴァーセット(1703)」「私の熱情は私を滅ぼすほどです」「あなたの言葉は火で激しく焼かれたもの」「私は若く、侮られています」「あなたの義は永遠の義です」
Quatre versets du psaume "Mirabilia testimonia tuoa" composé et chanté par ordre du Roy.
オルガンの「アニュスディ」を挟んで、バスのためのモテット Motets, à voix seule, deux et trois parties, et symphonies. が掉尾。(モテット『主よ、われらを救いたまえ』は世界初録音。内容的にはルソンと同じで、バリトン独唱をメインとする、聖木曜日の祈りのような内容となっております。)

ベルサイユピッチ採用。

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新譜情報。豊作の年なのかも。
Couperin: Leçons de ténèbres & motets
Les Ombres, Margaux Blanchard, Sylvain Sartre, Chantal Santon Jeffery, Anne Magouët and Benoit Arnould

シャンタル・サントン・ジェフリ(ソプラノ)アンヌ・マグエ(ソプラノ)ブノワ・アルノー(バリトン)レ・ゾンブル

2006年設立、モンペリエ歌劇場との関連があるのか、オペラ、バレエ、映画など視覚の分野との協調が豊富らしいグループ。
主メンバーはバーゼル出身の人みたい。マルゴ・ブランシャール(ガンバ)、シルヴァン・サルトル(フルート)が音楽監督。
録音はテレマンのパリ四重奏やクープランの「諸国の人々」があり、クープランは重要視の様子。
ルソンはシャンタル・サンタン・ジェフリ、アンヌ・マゴ(?)が歌手かしら。

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レゾンブルの第3ルソン録音風景。


2018年録音 レ・パラダンの男声版「神聖な劇場の傑作」

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2018年2月なので、クープラン生誕350年を記念する、かなり最新録音でしょう。
クープランだけで30種目くらいだと思います。
フランス人によるフランスもの。

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この盤はクープランのルソンの合間に、クープランの王宮のコンセールの1と2から小曲を選んで、差し挟んでいる様子。第1ルソンは3分割しその間隙に第2コンセールのプレリュードとエールを。第2ルソンは2分して。第3ルソンも同様に2分して。
3つの各ルソンの曲間に別な曲を挟むのはよくありましたが、曲を分割するのは昔からありそうでいて、なかったはずの構成です。解説の通り、1つのルソンは分割可能なカンタータ的体裁ですが、さて成功しているのか。
第3ルソンの後の第2コンセールのエールは、続くモテットへの橋渡しとして、まあ納得かしら。
歌唱はなかなか癖のあるもの。こういう「訛」った歌唱は嫌いじゃありません。「語る」ように「歌う」部分と、たっぷりと「歌う」部分をかなり自由に構成したもの。コンセールを挟むだけでなく、自由な即興的序奏間奏も入れながら。

1 leçon de Ténèbres pour le Mercredy Saint: I.
--- 2 concert royal: Prélude
1 leçon de Ténèbres pour le Mercredy Saint: II.
--- 2 concert royal: Air contrefugué
1 leçon de Ténèbres pour le Mercredy Saint: III.

--- 1 concert royal: Sarabande

2 leçon de Ténèbres pour le Mercredy Saint: I.
--- 2 concert royal: Allemande fuguée
2 leçon de Ténèbres pour le Mercredy Saint: II.


3 leçon de Ténèbres pour le Mercredy Saint: I.
--- 1 concert royal: Gavotte
3 leçon de Ténèbres pour le Mercredy Saint: II.

--- 2 concert royal: Air tendre

Motet pour le jour de Pâques

ルソン・ド・テネブル、王宮のコンセール(抜粋)、復活祭のためのプティ・モテ レ・パラダン

宣伝資料
【ぞくぞくするほど豪華なメンバーで録音された、クープランの名作「ルソン・ド・テネブル」】
イエスが十字架にかけられたあと復活したことを祝う早春の復活祭の前には、救世主の死とその原因としての人類の罪に想いをはせ慎ましく過ごす節制の日々「受難節(四旬節)」があります。その最後の週に、早朝の闇のなか蝋燭を灯しては消しつつ祈るフランスのルソン・ド・テネブル(暗闇の朝課)はやがて、四旬節を彩る自省的な音楽として作曲されるようになりました。ド・ラランドやシャルパンティエをはじめ数々の名作がフランス・バロックの作曲家たちによって書かれましたが、クープランのそれは出色の傑作と目され、数々の名盤も生んできました。しかし本盤が何より注目される点は、概して女声で歌われることの多い本作を2人の高音男声歌手(オートコントル)が歌っているところ。しかも演奏陣には20世紀末から数々の伝説的バロック・オペラ舞台を賑わせてきた名歌手ロンバール、ル・ポエム・アルモニークの名盤の数々でもすばらしい腕前を披露しているヴィオール奏者二人など稀代の名手が続々!アルバム末尾には復活祭を祝うクープランの佳品が添えられ、四旬節から復活祭へといたるキリスト教世界の峻厳な季節の移ろいを追体験できる1枚にもなっています。

レ・パラダン
ジャン=フランソワ・ロンバール、ロマン・シャンピオン(オートコントル)シルヴィア・アブラモヴィチ、フランソワーズ・エノク(バス・ド・ヴィオール)バンジャマン・ナルヴェ(テオルボ)ジェローム・コレアス(クラヴサン、オルガン&総指揮)
録音:2018年2月24-27日、ロワイヨーモン修道院(フランス)

このCDの解説の豪傑訳
これは、ルソンに付した序文の中でクープランが述べていることであり、宗教的な儀式や教会の文脈なしに聴かなければならない作品をよりよく理解するための非常に有用な洞察を与えてくれます。
クープランは、2つのソプラノの声を必須と見なしませんでした。現代の音楽家が自由に作品を入れ替えたことを考慮しても、彼は当時のあらゆる種類の音楽に適応させる可能性を私達に示唆しています。それは声楽でも器楽でも。オルガンは宗教的な音楽を伴うために使用される唯一の鍵盤楽器ではありません。ハープシコードの可能性も十分。
私たちはクープランによって提案されたさまざまなオプションに従って、テキストの性質に応じてさまざまな伴奏を調整しました。オルガン、ハープシコード、テオルボ、ヴィオラ・ダ・ガンバが集まって、ボーカルの色を際立たせます。
また、件の序文の中の 'toutes autresespècesde voix' ['all voice types']「ほかのすべての声」を使用する可能性を探求したいと思いました。ここで紹介するのは、2人のカウンターテナーのためのバージョンです。
17世紀と18世紀のフランス音楽で、女声から男声への移行は、ソプラノバージョンに関連する典型的な特徴のいずれもなしに、ニュアンスとトーンの違いを強調することを可能にします。確かに、この版のルソンはまるで全く新しい作曲を聞いているかのように感じさせます。
クープランは明らかにルソンのさまざまな部分を、ヘブライ語の文字、レチタティーボ、アリアの多様性で構成しています。男声にすることで、文字の詩的で艶のある性格を尊重しながら、文章とその明瞭さの両方を強調することができました。頭声と胸声の間。これにより、テキストの本質的に悲劇的な性格を強調することができました。エレミヤの嘆きは、エルサレムを破壊し、住民を奴隷として連れ去り、その寺院を廃墟にしたという描写をしています。すべてが荒廃から悔い改め、そして悔い改めから希望へと導きます。音楽と沈黙、美しさと醜さ、影と光の衝突、そして大きな力での競争。
純粋な美的感覚に没頭することを望まずに、'prima la musica、poi le parole'「まず音楽、それから言葉 」の落とし穴を回避するために、表現力豊かな、表現を動かすことを目的とした音楽にリンクすることを試みました。最後のテキストであるエルサレムへ立ち返れと述べられているように、群れを信仰に戻すこと。この作品が、あらゆる形の芸術的表現が、征服の武器であるカトリックの逆改革の一部であることは間違いありません。
1714年はクープランにとって間違いなく生産的な年でした。彼は教会のためにルソンを作曲しただけでなく、宮廷のために「王宮のコンセール」も作曲しました。
ルイ14世を楽しませることを目的としたこれらの作品は、明らかに霊的に要求され、調和がとれている、そしてそれらは舞踊組曲から通常期待されるものをはるかに超えています。クープランは楽器選択を自由にし、ハープシコード、ヴィオラ・ダ・ガンバ、フルートとバイオリンすべて可能です。私たちはヴィオラ・ダ・ガンバでこれらの曲を録音することにしました。
エレミヤの哀歌の結びによって引き出された論理的な結末がなければ、この録音は完結ではないでしょう。ルソンの10年前にクープランが作曲したモテを注ぎ込むと、クープランは私たちを最も勝利に満ちた歓喜へと突入させます。「ビクトリア、ビクトリア、クリスト」という歌詞はトランペットのような2つの声を復活させ、憐れみをもって復活を告げました。そして、情熱の苦痛な道に必要な結論を与えました。最後のアレルヤはすべての苦しみを駆り立て、私たちの心がさまよいます。
この想像上のコンサートのために、私達はバロックレパートリーが私達にこの「神聖な劇場の傑作」に内在する表現的な機会を探求するように与える、解釈上の自由を最大限に利用しました。叙情的な劇場の素晴らしさから神聖な音楽のそれらへと移って、ルソン・ド・テネーブルを演奏しているロイヤルアカデミーの芸術家に耳を傾けた時の公衆の感情的な反応をちょっと想像してみましょう。

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ルソンのCDでディレクターとはいえ、演奏家の鍵盤奏者がカバーは珍しいかと。パラダンというグループのCDとしても特異。



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