ビクター・セイザーの構え方

あまり深い意味はありません。偶然見つけたビバルディのチェロ協奏曲の動画を観ていて、ふとビクター・セイザーの提唱していた構え方を思い出しました。この奏者がそうだと断定は、正直わかりませんが。単なる個人差かもしれません。

チェロの場合、ピンの長さなどの調節で立て気味寝かし気味もあるのですが、映像で見ると、比較的体幹(背骨)が真っ直ぐに見えます。その代わりチェロはギターの構えのように傾斜して見えます。弦を押さえる指も弦を真上から圧迫しているように見えません。リラックスして指板全体を包んで握り引き締めるように、これまたギターの運指のように見えなくもありません。

チェロを真っ直ぐ構えようとすると奏者は体を曲げなくてはならず、そのために腰から頸肩腕を痛めやすいという主張だったと。弦を押さえる手の甲の角度、指を弦の真上から圧をかけるために左肩に負担がかかりやすい、長い期間に奏者の体に負担が重くのしかかる、しかし図像学的な解釈や、身体の構造から想像して楽器をギターを構えるような斜めに傾ければ身体への無理が和らぐ----確かそんな構え方を提唱したのだと記憶しています。

改めて検索すると、思いのほか好評レビューが多いのに少し驚きました。日本では1998年刊。こういう話題は時間がかかります。アレグザンダーテクニックみたいな感じかしら。 〈 外国人と日本人とでは、所詮、体の大きさや骨格が違うので、構え方や弓の持ち方なんかは参考にしないほうがいいと、僕の先生が言っていました。たしかに、この本のとおりにやるよりも、先生に個人的に見ていただいたほうが、より身体に優しいチェロ演奏ができました。早く、日本人が日本人のために、このような本を書いてほしいです。2004年〉〈 構え方など、参考になる事もあった。著者の真似をしてみたが、レッスン時に先生から直されてしまう。2017年〉 〈「正解」を提示するのではなく、各々にとってのよりよい形を導き出せるようなメソード(まさに方法)を提案している 2020年〉 


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