笑うバロック展(411) レジェンド探索 特別ゲスト 柳絮舎さま

ヘッセの修行時代のなぞ。
柳絮舎さんという方の2007.12.11のブログに興味深い記述を発見しました。
本当でも、この方の創作でも大変に面白く、失礼を承知でメモさせていただきました。
なかなかの音楽ミステリーです。「プレステージ」みたい。
書かれた柳絮舎さんは、かなりハイレベルなアマチュアのガンバ奏者のようです。

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マレかフォルクレか(柳絮舎)
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17世紀末にドイツの22歳の若者がダルムシュタット伯によってパリに遣わされた。1698年のこと。ガンバを当時の名手マレとフォルクレに習うためである。ところがマレとフォルクレは張り合っていて、両方からレッスンを受けるのは無理とこの若者が気付くまでに時間は掛からなかった。
しかしどちらからも教えを受けたい。どうしたら良いか。若者は一計を案じ、あちらにはザックスと名乗りこちらには本名のヘッセを名乗ることにした。うまくいった。ある時点までは。しかしこういうことは長続きせずいつか困ったことになる(でもそれが若者というものか)。
師匠のマレとフォルクレは、ドイツから自分のもとに来た優秀な生徒のことを自慢し合い、ザックスとヘッセを競わせることにした。ヘッセ君は困った。演奏の当日に現われたのはもちろん一人だけ。若者は謝罪をし、天使のようなマレの流儀と、悪魔のようなフォルクレのスタイルの両方で素晴らしい演奏をすると、荷物をまとめてダルムシュタットに帰り、その後ヨーロッパ各地で活躍することになる。

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