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モンブランの思い出



左上アンジェリーナから時計回り、綾瀬モンブラン、野比モンブラン、東大病院モンブラン

時折無性に食べたくなり、アンジェリーナのモンブランを買いました。
いまは我慢の財布でデミサイズに。
ある方と分け合って食べました。
「初めて食べた気がします。記憶のモンブランと違います」
「上に栗がのっかってましたか?」
「はい」
「底はスポンジケーキ?」
「はい」
「麺状のペーストは栗でしたか?イモだったかも?」
「エッ」
「いま食べたのが、パリに本店のあるモンブランで、この倍のボリュームがスタンダードサイズです。底は卵の白身を固めたメレンゲで白い甘いクリームと栗色の甘いペーストがたっぷり」
「濃くて、甘すぎて、ちょっと食べにくいですが、思いのほか後味がシツコクなくて、なんだか後を引きますね。飲み物があったら、もう1個いけるかなあ」
「日本向けのハーフサイズなんですよ」
「エッ、でも倍でも食べられそうな気がします」
「いま日本では、和栗のモンブランが増えていると思います」
「もっと美味しそうですね」
「素材の風味重視で、甘さがギリギリまで削ぎ落とされ、ペーストが軽やかです。うちの家族は気に入っています」
「想像ですが、すごい美味しい水だけでそばの風味を満喫するようなものでしょうか」
「似ているかも」
「あのお、味覚が子供なのでそばつゆ欲しい派なんです。それに板の上の全部水だけじゃ食べないですよねえ」
「まあ」
「どちらがお好きですか、いえモンブランのことです」
「わたしは甘党なので、スタンダード2個口です。お金がないから1/2個しか買えませんが----。以前よくお菓子の学校を出た後輩にみやげにすると、たいそう喜ばれました。独立してオーナーになった人ほど喜んだかも----そんなに好きじゃなかった人も、ああこれだこの味だっ、燃えて勉強していた時代を想い出したって」
「たしかに。最初のうち、重いかな甘すぎかなと感じましたが、これならきっとどこかでもう一度食べた時、思い出しやすい」
「日本のスポンジ式も悪くないと思いますよ」
「栗がのっかってますからね」
「和栗のも美味しいんですよ」
「そうでしょうねえ。でも素材の味って、それなら田舎の母が渋皮煮してくれた栗の方がいいかな」



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