笑うバロック展(12) 笑えない「大全集」
「笑う」つもりで集めたら、あまりの情熱にホダサレテ、笑えなくなりました。
いくらなんでも失礼ですね。
ベートーベンなら交響曲(レイボビッツ、P.ヤルヴィあり)、ピアノソナタ、弦楽四重奏曲(グアルネリQ)などの全集がそれを得意とする演奏家の数だけ存在します。
もちろんクープランもCD時代に3、4種には増えたはず。スカルラッティ、ヴァイスはCD時代の幸運な子供。
ダウランドを出したオワゾリールはLP時代から全集に積極的でした。5人のリュート奏者が1枚ずつ録音して共同作業する秀逸な形式でした。(マルコム・ビルソンが5人の弟子とクラーヴェス・レーベルでベートーベンのピアノソナタ全集を出した例を思い出します。今やマラソンコンサートを映像と一緒にライブ収録できる時代)
それぞれの演奏家の作品に対する情熱が素晴らしいのですが、コープマンがブクステフーデの全集を完結していたのに驚きました。思考する師匠から生まれた行動する弟子の偉業と思います。師匠はバッハのカンタータ全集を1/2担いましたが。
モンテベルディは全集があってもおかしくないと思うのですが。
タルティーニまでくると、さすがに「資料」「カタログ」としての購買収蔵意義の方が大きいかしら。故に公共財産的な位置が高まり、ビジネスとしては成立しづらくなり、ネット時代が追い打ちをかけ。
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