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(2011年4月) クープラン(1668-1733)「ルソン」リスト-3 =5種

ブーレイ以後 (注:基本的にカナ表記はわたしの勝手な読み方です。間違っているかもしれません。)

1990年録音
ハイペリオンはジャケット絵のデザインや選択に気を使っています。今回調べてみて初めて下記太字のような情報がわかりました。基本的にキングスコンソート主導の録音と思いますが、ボウマン、チャンス英国を代表するふたりのカウンターテナーの演奏。
≪ この楽曲は、クエノーの「高声用=(a)」のレパートリという捉え方、ブーレイの歴史的に「女声用=(b)」という流れ、デラーに発する「カウンターテナーのレパートリ」=(c)」という捉え方、これらの複合で「フランスのハイテナー用=(d)」という解釈などが実際に録音されています。 ≫

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ジャケット
アンゲラン・カルトン作「ヴィルヌーヴ=レ=ザヴィニョンのピエタ」このプロヴァンス派の傑作は、長い間作者不詳だったが、同じ場所にあるカルトジオ会修道院のために、1453-1454年頃に描かれた《聖母戴冠》の作者と。検索引用----膝の上に息子の遺骸を抱いた聖母の表現(敬虔の聖母、すなわちピエタ)は、15世紀ヨーロッパで絵画と同様に彫刻の分野でも最も広く普及したテーマの一つである。ここでは、この主題は「哀悼」のテーマに結び付けられている。中央では、苦悩によって老いが顔に刻み込まれた聖母が、手を合わせながらキリストの犠牲を甘受しているかのようである。そしておそらく聖母が、金地の周囲に刻まれている『預言者エレミヤの哀歌』(哀歌1章12節)から引用された言葉を告げているのであろう。息子の弓なりに曲がった身体は、細長いアラベスク風の曲線を描き、力なく垂れ下がった右腕は、同様に垂れた脚と響き合っている。キリストのお気に入りの使徒であった福音書記者聖ヨハネが、ほっそりとしたその指で救世主の頭から茨の冠をそっと抜き、香壺を手に髪を乱したマグダラのマリアは、涙をぬぐっている。
演奏 キングスコンソート(?)
歌手J・ボウマン/M・チャンス(CT/CT)。伴奏R・キング/(P-Org/Vdg)。演奏時間が3曲セットで約39分。(発音はフランス風でなくローマ字読みに近いラテン語発音。「イエルサレム」は「イエルサレム」と発音)

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1991年録音
外のプラケース自体が黒で、しかも表面と裏面にジャケットデザインとクレジットが直接印刷されています。 まずこの大変こだわったケースに驚かされます。CDになってレコードではやりづらかったようなアイデアを実行してみようという勢いが感じられます。ここまでされると中も当然のように素晴らしく想像され、実際期待に違わぬ見事な出来ばえ。ジャケットもスリーブ裏表紙にラ・トゥールが登場します。ヤコブス版ではシャルパンティエのルソンのレコードにラ・トゥールが多用されていました。
≪ 3つのルソンのみだと、CDでは時間が余るため、余白の使い方に工夫が凝らされ始めます。ブーレイ版はデュオとソロが交代するようなプログラム仕立てで、編成を活かしたモテットを組み合わせ。レーヌ版は典礼見立てで聖歌をはさむプログラム ≫

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ジャケット
ラ・トゥール作「マグダラのマリア」
演奏 イル・セミナリオ・ムジカーレ
歌手G・レーヌ/(CT/CT)。伴奏(P-Org/Lute/Vdg)。演奏時間が3曲セットで約42分。(Jの発音はヤ行でなくザ行に。「イエルサレム」は「ジェルサレム」と聴こえます。)

1996年録音
現行ではこれが最も説得力のあるものと思います。クリスティさんには、死ぬまでにドラランドやシャルパンティエも録音してほしいけれど。ダヌマン、プチボンを初めて聴きました。一度聴いたら忘れられません。いやらしく艶っぽい節回し、たくさんのオペラ蘇演やフランスバロックものを演奏してきたクリスティさんの結論を支持します。
≪ 当時のフランス式に訛ったラテン語の発音と思われる発音が採用されています。賛否はわかれるでしょうが、この演奏では説得力を獲得していると聴こえます。もはや冒頭から「インチピト」が「アンシピト」に聴こえます。「プリンチェプト」が「プランセト」という具合。当然「イエルサレム」は「ジェルサレム」に。 ≫

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ジャケット
そのまま訳すと「ベネディクト会修道士による宗教公理の研究」(尼僧、修道士および大修道院長の研究?)19世紀ドイツの作品の部分。ロアンヌのディシャレッテ美術館。
演奏 レザール・フロリサン
歌手S・ダヌマン/P・プチボン(Sp/Sp)。伴奏W・クリスティ/(Cemb/Vdg)。演奏時間が3曲セットで約38分。

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1997年録音
楽譜にオルガンの足鍵盤が登場することを実行しました。そのためも手伝ってか歌手の声と歌い回しの振りが大きく、ややオペラティックに聴こえます。極限までインティメートな師匠クリスティと対を成して聴こえます。

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ジャケット
Etching by Jean-Jacques Flipartフリッパル作のポートレートとおそらく古い至点図をコラージュしたものです。
演奏 レ・タラン・リリク(フランスに住んでいた経験のある知人に尋ねたら「抒情の才人」かな、「タレント」のことですよ、と。)
歌手V・ジャンス/S・ピオー(Sp/Sp)。伴奏C・ルセ/(Org/Vdg)。演奏時間が3曲セットで約41分。(伴奏にサンアトワーヌ・アベイのシェラー・オルガン使用 a=415)

1999年録音
サンレミ・ド・ディプのパリゾ・オルガンa=408を使用。クープランのイ長調のヴィオール組曲の間にルソンを差し挟んでいます。「プレリュード―第1―フゲッタ―第2―葬儀―第3―白衣」というプログラムの妙です。

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ジャケット
ルーベンス「キリスト降架」(「フランダースの犬」に登場する名作)
演奏
歌手C・グロレ/I・デスロシェ(Sp/Sp)。伴奏O・ヴェルネ/P・フロン(Org/Vdg)。演奏時間が3曲セットで約38分。

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