笑うバロック展(109) 二コラ・ベルニエの世俗カンタータ第3巻、第4番「ル・カフェ」ほか

LPレコードのジャケットはdiscogsから拾いました。素晴らしいデータだと思います。-------------

「コーヒーの来た道」発売記念に、もうひとりのコーヒーカンタータ作者、二コラ・ベルニエについて。
カルダーラの弟子という噂があり、シャルパンティエの後任にして、マレの娘婿という人。
このブログではルソンの貴重な作曲家として取り上げていますが、フランス語の世俗カンタータ作曲家でもあります。
下の写真左は、おそらく東京文化会館資料室で聴いたもの。
「ベルサイユ宮廷の祝祭」第3巻というLPに収録。
ジャニーヌ・モロー(ソプラノ)、クリスチャン・ラルデ(フルート)モノラル。
右は同傾向の2枚組ステレオもの。その下は再編CD化。
クロディーヌ・サネバ(ソプラノ)、ロジェ・ブルダン(フルート)。1962年録音。
もしこれしか記録がなければ、ベルニエのコーヒーカンタータは56年ぶりの録音になります。
フルートの起用がバッハと共通しています。

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もうひとつはカミーユ・モラーヌのエラート録音集成に含まれていた歌曲です。
ド・ラ・トゥールの「おいしいコーヒー」という小品。
ここより後は「くるみ割り人形」のアラビアの踊りまで目立ったものはないかしら。

エール・ア・ボワール〈おいしいコーヒー〉(ド・ラ・トゥール)
おいしいコーヒーだ、この快い苦味は
私をいく度となく助けてくれた
手の施しようもなくひどく
声をからしてしまった風邪引きからさえも。
私は恩知らずといわれよう、
その栄光を讚えて歌わないのなら、
チョコレートなんぞ願い下げだ、
そんなものは飲みたくもない、
紅茶なんかまっぴら、まっぴら、
コーヒー万歳、コーヒー万歳。
AIR A BOIRE: CAFE DELICIEUX (De la Tour)
Cafe delicieux dont la douce amertume
M'a su garantir tant de fois
De l'impitoyable rhume
Qui venait desoler ma voix.
Je serais un ingrat
Si je ne chantais a ta gloire.
Nargue du chocolat,
Je n'en veux jamais boire.
Fi fi du Thé, fi fi du Thé,
Et vive le cafe, et vive le cafe.


Anonymous : L'Amour de Moy / Bevons ma comère
De la Tour : Caffé Délitieux / Martini : Plaisir d'amour
Exaudet : Menuet / L'Attaignant : Fuyer l'amour
Camille Maurane, baritone / Monique Rollin, lute & harp

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