笑うバロック展(29) J.C.バッハ「ああ、私の頭が水で満...」----新しいバロック名曲選かな

ちょっと見ぬ間に増えた増えた、驚きました。
このカテゴリーで取り上げた数点のCDを除いて、なんと20点検索。さらに2点は編曲版まで。
こんなにもフメツノ名曲だったなんて。
新たに録音された点数で「バロック名曲選」を決めたら、「ベニスの愛」とか、もしかたら「四季」も入らないのかも。

画像1

ソロ歌手は、1段左から、ベジュン・メータ。ポーラン・ブンジェン (Paulin Bündgen)。フィリップ・ジャルスキ。またポーラン・ブンジェン (Paulin Bündgen)。
2段目左から、クリストファー・フィールド (Christopher Field)。マレーナ・エルンマン(Malena Ernman)。エルンマンとスピノジのCDにはニコラ・バクリという現代作曲家の「 Lamento 'Ach Das Ich Wassers Genug Hätte' (2002), opus 81b 」が同時収録。アンドレア・ヒル。レジナルド・モブリー。
3段目左から。デビッド・コーディエ。ユリア・ハマリ。ハマリ、リリンク盤はハインリヒ・バッハ作曲とクレジット。ジャン・ループ・シャルヴェ(Jean-Loup Chavet)。ヤン・ベーナー(Jan Börner)。
4段目左から。天下のフィッシャーディースカウ。ダニエル・テイラー。アンリ・ルドロワ。パトリック・ヴァン・ゲーテム(Patrick Van Goethem)。
5段目左から。ライランド・エンジェル(Ryland Angel)。同じライランド・エンジェル。カントゥス・ケルンの誰か。ジェイムズ・ボウマン。
6段目左から。エリック・フロイマンス(Eric Vloeimans)のトランペット版。デビッド・ソロモンズ(David Warin Solomons)による編曲版。

画像2

やはりヤコブスも録音していました。
このコーナーで取りあげるのは「ラメント」だからです。重要な「ラメント」であり、きちっと「エレミアの哀歌」を取り込んだ歌詞の曲です。
ただ「哀歌」としては限定的な歌詞の一部分たけが引用されたものです。
1)バッハ一族の楽曲展観。
フィッシャーディースカウのようなエンサイクロペディアが「バッハ一族」の系譜の中の名曲として。リリンク、ハマリやゲーベル、コーディエあたりも同様なコレクション的意味合い。
2)カウンターテナーの重要なレパートリ。
幽玄な弦の伴奏はバロック初期のシューマンのリートのごときと感じます。
3)「ドイツ圏、またはドイツ語の独唱カンタータ」の系譜。
ほとんどの録音が、他の作曲家の手なる同傾向の作品のアンソロジーに。
4)単独の個性ある作曲家ヨハン・クリストフ・バッハ。
前項ブログのような一作曲家の作品集体裁も増えているみたい。

画像3

さすがハイペリオンは2種。
左がガーディナーのJCバッハアルバム、歌手はクレア・ウィルキンソン。右はロビン・ブレイズの17世紀ドイツの教会音楽です。
解説も立派です。

----このアルトのためのラメントは、2つのアリアと一緒に「古いバッハ一族のアーカイブ」に収められた。アンブロジウス・バッハが収集した写本はJ.S.バッハがエマヌエル・バッハに渡した。この写本はベルリン・ジンクアカデミーに収蔵されていたが、J.S.バッハ誕生250周年を記念して1935年に出版された。第二次世界大戦によって一度ソ連に持ち去られ失われる、しかし、その後1999年にキエフで幸い再発見された。現在はベルリンに戻り保管されている。
このアルト・ラメントには、バスのためのラメントが仲間として存在する。どちらも独唱のための作品であり、両方ともソロ・ヴァイオリンを伴う。アルトを支えるバイオリンは強烈に表情豊かで、低音群に対して技巧的で印象的である。どちらも、低音のために勢いのある複数のビオール・グループの豊かな響きを利用する。両曲とも、聖書のテキストに基づいている。
アルト・ラメントはエレミア、詩編38、および哀歌。
バス・ラメントは贖罪の詩篇から。
以前はアルト用はHeinrich Bach(ヨハン・クリストフの父)、バス用はJohann Philipp Krieger作とされていた。現在は両者ともJ C バッハの作品として学者たちは納得して歓迎している。特にアルト・ラメントは、ヨハン・クリストフ(Johann Christoph)の作品のうちで最も、現代の広範な演奏者に取り上げられる。簡潔な中に濃縮された効果が内包され、一度聴くと忘れがたい。----

確かに「忘れがたい」曲です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?