笑うバロック展(119) レジェンド探索ヴィエール奏者(2)、グリーンとイートン

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インディアナ大学の古楽情報サイト「ハルモニア」
ロバート・グリーンへの質問
聞き手、バーナード・ゴアディロ(2009年9月1日)

ハーディガーディ奏者であり音楽学者であるロバート・グリーンに、彼が選んだ楽器について尋ねました。
ロバート・グリーンは、ハーディガーディのバックグラウンド、そしてフランスバロック様式のハーディガーディの歴史に関する彼の著書について話してくれました。

Q:ハーディガーディとは何ですか?
A:弓奏弦楽器のひとつです。松脂で覆われたホイールは、バイオリンの弓のように機能します。右手でクランクを回します。キーに取り付けられたタンジェント(金具)は、左手の指で弦に押し込まれたり、元の位置に戻ります。旋律弦に加えて、バグパイプに似たサウンドを構成するドローン弦があります。フレンチ・バロック楽器の音域は、2クロマティックオクターブあります。

Q:多くの人が演奏しますか?
A:hurdy-gurdy(フランス語でvielle、ドイツ語でdrehleier)はヨーロッパで非常に人気のある民族楽器です。「クラシック」楽器は18世紀にフランスで開発され、特に中部で人気がありますが、ハンガリーと東ヨーロッパはフランス楽器とはまったく異なるタイプを持っています。木材が振動し強力なリズミカルな音質のため、パーカッシブな伴奏になりフォークダンスによく使用されます。

Q:この楽器に惹かれたきっかけは何ですか?
A:1980年代初頭、私はフランスバロックの室内楽と楽器を研究していました。ハーディガーディはパルドゥッシュドゥヴィオールと同じように主に女性が演奏していました。研究の過程で、およそ1730~1760年の間に作曲されたハーディガーディと通奏低音のための、2つのハーディガーディのための、ハーディガーディとバイオリン(またはフルート)、そしてハーディガーディとオーケストラのための数百の作品を見つけました。
私はこの音楽がどのように聞こえるかを知る必要がありました。
パリで働いているとき、18世紀の楽器のコピーを作る非常に素晴らしい弦楽器製作者を見つけました。そして楽器演奏を学ぶために、私はフランスでフォークスタイルのいくつかのワークショップに参加しました。その後私は18世紀の奏法を研究して、この奏法が200年にわたってどのように変化したかを発見しました。
現在、私は毎夏、フランスで古典的なハーディガーディ奏法のワークショップを開いています。18世紀のレパートリーとこの間の演奏の練習について学びたいフォークプレーヤーを集めています。

Q:あなたが書いた本について教えてください。
A:私の著書「18世紀フランスのハーディガーディ」(117ページ、インディアナ大学出版局2011)では、この楽器が上流階級によって演奏された期間、およそ1730~1790年について論じています。
ハーディガーディは管楽器やバイオリン演奏に伴う身体的な歪みを必要としないため、それを嫌う当時の女性のための楽器でした。ルイ15世の妻である王妃を含む王室のメンバーによって演奏された、非常にファッショナブルにもてはやされました。
最高級の製作家による美しく装飾された楽器は、当時大変な需要がありました。この楽器のドローン音は、ミュゼットと同様の牧歌的な連想を呼び起こします。ミュゼットは、口にくわえるものなしに腕で「フイゴ」を挟んで演奏する紳士的バグパイプです。
ボワモルティエ、コレット、シェドヴィル一族などの作曲家は、多くのレパートリーを作りましたが、ほとんどの人は流行歌やダンスに専念しました。

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もうひとり、ナイジェル・イートン(1966生)。パラディアン・アンサンプルのシェドヴィル編「四季」に参加しています。

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上はマティアス・ロイブナーの「四季」。下はトビー・ミラーの「四季」。
ずいぶん「四季」が増えました。奏者人口の厚みが増した、ということかしら。

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