笑うバロック展(230) 「お静かに Ruhe, bitte!」

フンガロトンは不思議なレーベルです。古楽系も貢献度が高い、科捜研の女の榊マリコの眼ぢからのような会社。ガルッピのオペラ「田舎のカフェ」ってなに?2枚組でトウに廃盤で。ゴルドーニ作「田舎哲学者」の亜流みたい。

画像4


‐‐‐‐‐‐‐‐
フンガロトンの1stレコーディングのシリーズみたい。
2007年リリース。
シャーンドル・サースヴァーロシ(ガンバ)
コウサイ・H.マフディ・カッドゥリ(Vc)
アンゲリカ・チズマディア(cemb)

画像1

画像2

画像3

中段、シュトルツ盤。下段、ドルチ・アチェンティというグループ名なのか、「お静かに Ruhe, bitte!」とダジャレている盤。バッハのコーヒーカンタータへの洒落ともとれて、なかなか粋なCDです。目に見えない音楽を視覚にうったえる、粋だなあ。

そんな隙間の文化を、きちんと、聴取しているファンはいるもの。うれしくなります。日本の方じゃないけれど。的確に聴きとっていると感じました、同感。
Youtubeの試聴に対する好意的なコメント例。
‐‐‐‐バッハの影響を受けないドイツのバロック音楽は非常にユニークです。 それは全体として構築的な構成と安定した音の進行を生み出す、やや堅いかしこまったアプローチを持っています。それはフランスバロックの流動性と神秘性を欠いているかもしれません。その生真面目で長めのダイナミクスは、結果としてバロックの「アフェクト」の豊かさをもたらします。
ソロ楽器のスマートな旋律は、厳粛、穏やかで驚くほど優雅な魅力を湛えます。
洗練された作曲者の筆は、演奏者によって充分捉えられています。
どうやらこの録音は、その作曲家の唯一の録音です。加えて、それは彼の作品の唯一の生き残りです。私のようなガンバファンのための驚くべき、そして魅力的な発見に大いに感謝します。

検索したらヒットした、きっとアメリカの方のブログ。まるでラジオのパーソナリティのよう。いずれもわたしが勝手に豪傑訳しました。
「偉大さとその陰に隠れた矮小さの間は非常に、非常に小さい」ソウル歌手ピーボ・ブライソン(Peabo Bryson)
私たちがほとんど知らない、その作品が忘却されてしまった過去の作曲家はとてもたくさんいます。時々、いくつか楽譜が発見され、演奏者たちは新しい音楽を発見し、リスナーを楽しませます。私はここ数カ月このような作曲家たちに魅了され、あまり知られていない道に踏み出して、新しいものを聴く場を発見するために下草を刈りました。そして本当に素晴らしい音楽をいくつか耳にしました。「音楽土曜日(Music Saturday)」の今日の作曲家もそうです。
ヨハン・フリードリヒ・ルーエJohann Friedrich Ruhe(1699-1776)は、バロック時代のドイツの作曲家兼宮廷楽団のコンサートマスターでした。彼と彼の音楽はほとんど完全に忘れ去られており、私たちは彼の人生についてもほとんど知りません。
彼は1699年にハルバーシュタットで生まれ、ブラウンシュヴァイクとハルバーシュタットの宮廷楽団の一員として、ヴォルフェンビュッテルの宮廷に居住していたことがわかったていますが、それ以外何も知られていません。1734年に彼はマクデブルクの大聖堂でカントルに任命され、そこで1776年に亡くなりました。40年以上に渡ってこの都市の音楽活動に積極的に参加していたにもかかわらず、彼が亡くなった後、彼は暗い倉庫にしまい込まれ忘れられます。そんな人物のことを学ぶのは素晴らしいことです。
ヴィオラ・ダ・ガンバとチェロのための組曲の楽譜、そしてビオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタは今日唯一の知られている作品です。これらのスコアは、グライツGreiz(グライツ・コレクションとする資料もあり)にあるチューリンゲン州立図書館Thuringian State Archives(ThüringischenStaatsarchives)に保存されています。このマヌスクリプトがいつどういう経緯でアーカイブに送られたか不明です。また作曲の時期も特定できません。ただし作品は、後期バロック様式と初期古典派様式の間の移行時期の様式のようです。
いずれにせよ、こうした作品は聞くのはとてもうれしい。私たちに耳の宝石を届けてくれたガンバ奏者、シャンドル・ザスバロシSándorSzászvárosiのような熱心な演奏家に感謝しなければなりません。CDはHungarotonから入手できます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?