バロック音楽の実演を聴く「シャルパンティエを生で」2010年3月

東京カテドラルで、コントラポントというグループの聖週間の音楽。
会場は相変わらず残酷。そして最後の和音が美しく決まるところが、クリアに聞こえたのは後半の一部。あとはエコーで汚らしく。いた場所が悪かったのかしら。
オーディエンスは150人くらい?すごいのではないでしょうか。初来日レザールフロリサンの閑散さからは隔世の感。日本の聴衆も成熟したのかしら、目鼻が顔の中央に寄った感じの人が多いのは気のせいかな。
前半は、デュモンの「バビロン川」と「魂の対話」の間にクープランの水曜日の第1ルソン。小野さんのバイオリンはいつもヘナヘナと聞こえます。あれでいいのかしらねえ。
ベルサイユのピッチ、17世紀フランスのラテン語発音(プリンチェプトがプランセットに、イェルサレムがジェルサレム・コンベルテレ・アドドミナム・デアムトゥアムに)、バス・バイオリンなどを採用した「画期的」なもの。合唱はまあまあ整っていましたが、ソロが「手堅」すぎでは。オペラがお休みなので教会に行く----般若湯を飲む的、ビーバーは魚だ的楽しみが薄いのが残念。
後半は、シャルパンティエの金曜の第3(H137?)、3人の男性重唱が活躍するもの。歌詞の中にアルファベットメリスマがないもの。デボ、コープマン、ニケが録音している名曲のひとつ。ちょっと練習がいまいちかしら。上杉くんがオートコントルというより、カウンターテナーで歌ってしまってました、上手でしたけど----フランス人風にいうとエスプリ不足なんてね。
とりは、「イエズス会のミゼレレ(H193?)」で〆。
大曲ですし、美しい曲ですし、これよく練習されてました。もう少し、ルソンがボリュームがあってもよさそうですが。
カテドラルは、7年ぶりでしょうか。それ以上に太田光子さんを久方ぶりにライブで聴きました。小野さんよりはるかにリーダーシップがあります。ボイスフルート、アルト、ソプラノを持ち替えで。彼女がいなかったら、ずいぶんメリハリのないボンヤリしたエコーだらけのカラオケ風になっていたでしょう。
うーんしかし、フランスバロックの声楽でリコーダーが入るのは、本当によいものです。
演奏の質は、いまひとつ自在さが足りないという感じでしたが、10年近くぶりに自分から進んで、会場に足を運びました。昨年映画4本、今年2本に次ぐ快挙を喜びたいもの。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?