笑うバロック展(352) 皆川達夫氏とは何者か

立教大名誉教授の皆川達夫さんが19日、老衰で死去した。92歳。「中世・ルネサンス音楽」研究の第一人者で、「中世音楽合唱団」を主宰。

なぜか、1965年から1985年までNHKFM「バロック音楽のたのしみ」

1988年から2020年3月までNHKラジオ第1放送の「音楽の泉」に出演して解説を担当。2011年テレビ「題名のない音楽会」に出演して、箏の名曲「六段」(八橋検校作曲)がグレゴリオ聖歌の「クレド」を基にしているとの研究成果を披露。
1927年、東京生まれ。1951年東京大学文学部西洋史学科卒業。1953年、同大学院修了。1955~1958年コロンビア大学、ニューヨーク大学に留学。1962~1964年ドイツ、スイスに留学。1968~1993年まで立教大学教授。

著書に、なぜか『バロック音楽』(講談社1972年)

『中世・ルネサンスの音楽』(同1977年)、『オラシヨ紀行』(日本基督教団出版局2006年)、『キリシタン音楽入門』(同、2017年)など。4世紀以上にわたって隠れキリシタンによって歌い継がれてきた「オラショ」研究、グレゴリオ聖歌との関連を明らかに。その功績により1978年イタリア政府からイタリア共和国功労勲章勲五等(カヴァリエーレ章)。また、日本への洋楽の渡来とキリシタンについて考察を集大成した論文「洋楽渡来考」により、2003年、明治学院大学から芸術学博士号。講演で語っていた。「キリスト教と音楽のつながりは深い。教会には常に音楽があり、また音楽の歴史を語るとき、キリスト教は切っても切れない。キリスト教は目で見る宗教ではなく、神の声を耳で聞く宗教。音楽もまた、形がなく捉えることができない。だから、神を賛美するために音楽を用いる。キリスト教が優れた音楽を生み出してきたのは、このような背景があるから」

よくインタビューやエッセイ評論でも自分はバロックが専門ではない旨主張されていました。

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Amazonレビュー「一級の推理、冒険小説に比肩する読み応え----音楽好きのクリスチャン必読の書。」

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Amazonレビュー「信仰の強さの源泉としての音楽、日本のキリシタン時代の教会で、このようなグレゴリオ聖歌が日常的に歌われていたのは、とても感慨深い。殉教者、あるいはかくれキリシタンとして生き抜いた信者たちの信仰の強さのよりどころが、このCDで歌われている優れた音楽だったのだろう。それは、まるっきりグレゴリオ聖歌を使わない現代のカトリック教会と、対極の存在である。」

日本人がなぜこれほどまでにクラシック音楽に魅かれるのか?なぜその対象が日本の伝統音楽ではないのか?そもそも日本人にクラシック音楽が可能なのか?これらの「問い」に答えなくてはならない、きちんとした音楽家、研究者なら永遠の課題です。解けない、解いてはいけない、解かれては困る----そういう類のものです。それに答えて老衰、全うされたのであればお祝いです。


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Bricolage !
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ブログに観たもの聴いたもの食べたものを綴っていました。そうしているうちに、自分が「バロック音楽」に関心が高いことがわかってきました。本当に美しい音楽もたくさんあります。音楽は聴いて判断するものですが、時に思わず笑ってしまうことも。ちなみに、ヘッダーはオブローモフ氏。
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