コレクション 息子の嫁はコーヒー屋を開きたい

NHKのドラマ「今度生まれたら」、息子の嫁の告白。
----父がわたしにコーヒーを淹れさせて、褒められたのでうれしくて道具も買い揃えて。死に際にも所望されて、美味しいって、これならどこに出しても恥ずかしくないって。それでいつかお店を開きたいと主人に相談したら、応援してくれると。バリスタの学校に通っているときに、主人の海外転勤。家族同伴で行きたいから、学校どころじゃないと。まさか本気じゃないだろうな。それであきらめて海外赴任に同行しました。我を通せば離婚だと思ったから。つい2月前にバリスタスクールの同期の夫婦が開業して、以来主人とは会話していません。

NHKドラマ「今度生まれたら」

ドラマは少し古めかしい。あまりいい意味でなく大船調かしら。
「しずかちゃんとパパ」の後続。ホントにNHKはフリーにドラマ作ってますな。そんな中で、コーヒーにまつわるシーンを気にして集めていると、筋読みがあるような気がしてきます。
クローズアップ現代の「フラット35」を利用した詐欺をとりあげ、わたしにはますます個人責任で利殖せよと聞こえます。元本は減らしたくないけれど預金よりは確実に増やしたい希望の小市民に対して、上は失敗例を見せて、しかし退路をひとつひとつ塞いで、日本は北欧などのような社会保障の国ではないと、負け組は純粋な労働力として総生産に寄与せよ、みたい。
ネット上にあふれる「起業」推奨の情報も全く同じように見えてきます。貯めたお金、借りたお金を勝ち組のために吐きだしてください、という。人生の勝負に自己責任の説得力をもっとも高めたかたちを、宣伝する側も受け取る小市民もわかっています。
せっかく勝負するなら、自分の才覚を高め信じたい。「カムカム」深津絵里の喫茶店継承と対になるような河井青葉の独立開業宣言。NHKがこうして刷り込んでいけば、勝負する人がまだまだ増えるかもしれません。負けることもあるけれど自分の意志で勝負した結果、結果、それが日本人の個の確立になるのか、孤の乱立になるのか。


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