笑うバロック展(121) バロック・クラリネットとシャリュモーのライテラー

ライテラーは、アッツォリーニのグラウプナー協奏曲集にも参加していました。アッツォリーニほど圧倒的ではありませんが、ライテラーはそちら側の演奏家だと思います。しかしあまりにも生き生きとしたアッツォリーニのグラウプナー。こうした演奏家が情熱をもって演奏するとグラウプナーの価値が上がります。

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Christian Leitherer、ライトヘラーと読んでいました。ライテラーかな。
この人の取り組みはちょっとビルスマの5弦チェロの発見に似ています。楽器指定の表記の問題や、オリジナルに指定された曲の有無、数の多少も。オリジナルのクラリネット・ソナタはありませんし。モーツァルト以前にはクラリネットは存在しないかの様です。ラモーがオケに導入し、ヘンデルやCPEバッハにはオリジナル曲があり、「バロッククラリネット」は存在したのですが。
クラリネット奏者は、ブラバンなどの普及のせいか、キー構造の進んだモダンから遡る人が多いはず。古い縦構え管楽器から辿るタイプはおそらく少ない。
ライテラーは、きちっと迷いなく鳴らしている奏者だと思います。ライテラーが選んだクラリネットかシャリュモーも「可」と考えられる作品を集めたソロCD。わたしは説得力ありと聴きました。
いずれはモーツァルトやシュポアなども演奏するのでしょうが、その前に「誕生からモーツァルトまで」をしっかりトレスしておこうという意気込みと情熱が伝わってきて好感。

サイトの経歴。
クリスチャン・ライテラーは、歴史的なクラリネット演奏の数少ないヨーロッパの専門家の一人です。彼はバーゼル。スコラカントルムのピエール=アンドレ・タイヤール Pierre-Andre Taillardからクラリネットのトレーニングを受け、1997年にディプロマを受け取りました。彼はさらに初期のクラリネットの歴史研究で音楽学修士を取得しました。彼の特別な焦点は、「バロッククラリネット」と「シャリュモー」のレパートリーと演奏テクニックです。彼はこれらを音大のコースとセミナーで定期的に教えています。
ライテラーは、シュトゥットガルトバロックオーケストラ、ラ・セトラ・バーゼル、ベルリン古楽アカデミー、ラバンダ・アウグスブルク、カペラコロニエンシスなど、多くの国内外の団体で活動しています。クレッシェンド・バロック・アンサンブル・バーゼル、ラルコ・カンタービレ、アンフィオン・ブラス・オクテット、バスラー・クラリネット・コンソートなどの室内楽グループでも活躍。シュレースヴィヒホルシュタイン音楽祭、テレマンフェスティバルマクデブルク、など多く音楽祭で演奏。
ウィンドオクテットのアンフィオンで、1998年にハーグで開催された名誉あるヴァセナール・コンテスト1位受賞、1999年ヨークフェスティバルのファイナリストでもありました。

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