バロック音楽の実演を聴く「福岡で楽しむ、食べて、聴いて、観て」2011年2月

旅先で偶然みつけて、当日券で聴きました。会場の福岡シンフォニーホール、素晴らしいホールでした。フレディ・ケンプのゴルトベルクとリストの夕べ。何の予備知識無く聴きました。

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もしかして、「リストがゴルトベルクを弾いたら?」というプログラムかしら。サンサーンス編曲のバッハみたいな雰囲気がちょっと。でも昔の19世紀的ロマンチックな演奏とは違います。ケンプの中で再構成された、ある意味リアライズされたロマンチックではないかしら。後半のリストが快速で豪快で、なのにこじんまりと聞こえました。何か効果的な感じがしませんでしたが。しかし、久々にピアノの音がどれくらい強弱の幅があり、音域にも幅があるかよくわかりました。

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速く弾くというのは、思わぬ旋律が聴こえて効果的な場合と、すべてがお団子になる場合とありそう。結構お団子状態でしたが、委細構わぬ弾きっぷりには感心。
しかし、ゴルトベルクの実演は、25年ぶりくらい、わたなべ某のかったるい演奏(効果抜群)ですっかりキライな演目に。しかし聴ききったのは、録音ではヒューイットとアンタイくらいで、実演は初めて。ケンプのは、ヒューイットのとも、ペライヤとも違う、ちょっとブレンデルのバッハアルバムみたいかなあ。
アンコールは、1曲だけ聴きました。ショパンのノクターン変イ長調?だったと。よく慣れた日本語で紹介していました。イケメン・アイドル系なのかしら。

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ご馳走は、高宮のサイラーさんでアイス・バラチンケン。
なかなか出てこなかったのですが、反対に待たされてもおいしいよ、という自信のようなオーラがサイラーさんから放出。ドイツ系の方の全身全霊の直向きさが、微笑ましく、かつ凄みに。キレイなキレイな完成されたデザートを出してくださいました。リーズナブルさも最高です。またうかがいます。

天神から西鉄バスで小倉へ移動。宿のテレビをつけたら、トマの「W」という芝居を途中から。だいぶ翻案されていると思いましたが、なかなかおしゃれなサスペンスで楽しめました。途中から先が見通せてしまうのですが、それはテレビの画面の中だから。劇場ではさぞやドキドキさせられるでしょう。一度ライブでトマを見てみたいなあ。

チャンネルをハイビジョンにすると、「パサジェルカ」のオペラを。ブレゲンツの時の録画らしい。おもしろそうだったけれど、眠くなってダウン。
その代わり、朝またつけると今度はNHK定期公演かしら、イオン・マリンが指揮。ブラームスのピアノ四重奏のシェンベルク版。薄いテクスチャー。メロディックで俗っぽくてよい感じ。パラスト的かしら。キャバレーチックで、ブラームスの俗っぽさが際立って安心感。フルオケをサーカス化する試みは成功ですね。

そして、小倉の駅でチラシを見つけた上川伸という作家さん、ちょっと興味があります。
なかなか、観にいけないでしょうけれど。しかし皮肉にもインターネットは、それを簡単に安っぽくして入手させてしまいます。実物のよさ、凄さを感じ取れないまま、ちょっと残念です。
でもいつか機会がめぐってきたときに、忘れないようにしようっと。
よい意味で個性のある作家さんの作品は、概ね後でどこかでブラインドで見ても(作者名を伏せてもわかるという意味です。すごい矛盾した表現をしてしまいました)なんとなく感じ取れるものです。また、そうした感性も維持できればよいと思います。
上川様、悪い意味での引用ではないので、ご容赦くださいね。

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