シューベルティアーデ on CD シューベルトのオクテット(2010年4月記)

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1989年7月ケルンのホンラート教会で録音。カバーはフリードリヒの「夏」の一部。演奏の雰囲気ともあっています。
左から、ビオラのジャドソン・グリフィン。バスーンのマイケル・マクロー。ヤープ・シュレーダー。ホルンのロウェル・グリア。クラはハンス・ルドルフ・シュタルダー。ダブルベースのリチャード・マイロン。チェロはヤープ・テル・リンデン。バイオリン、キャロル・マリ・ハリス。
懐かしいヴァージン・クラシックスのマーク。統一感のあるデザインで気に入っていました。

わたしは20歳を過ぎてから音楽に親しむようになりましたので、えらそうなことはいえません。シューベルトの八重奏曲は、わたしにいろいろ音楽の愉しみを教えてくださった先生から勧められたものです。颯爽としたドライブ感とバランスのよさをかっていたのではと思います。
先生は、いつも新しい録音に耳を向けていて、ご自分が気に入られたCDをMDにとって、周囲の方に配ることをよくされていました。わたしもご相伴にあずかったひとりです。
それまで出会った音楽関係の方は、「他人の演奏は聞かない」人が多く、新しい演奏には耳もくれない、という感じの人ばかりでした。そんな中、初めて他人の演奏を褒めたり、鑑賞を勧めたりし、それを実際に耳にできる形で、わたしのような者にも伝えてくれる方でした。
わたしは、そこから学んだことを、ただ真似ているだけです。

そうして、時々先生に習って同じことをしているのです。とはいっても、わたしの場合わかってくれそうな知人にだけです。クラシック愛好家の方々は、自分のお気に入りが唯一絶対に一番という方が比較的多く、わたしのような者が、こんな演奏はどうでしょうなんていおうものなら、「生意気な10年早い」的対応がかえってくることがシバシバ。そして「それを聞くなら、わたしのお気に入りの何某が一番だ」というわけです。
先生は、当然ランキング志向は全くおっしゃらないで、どんな部分が違うのか、それによって何を伝えようとしているのか、をいつも感じ取れるように、伝えてくださった、と今は思います。ご本人は「わたしの世代では、日本人がなぜ西洋の音楽をするのか?は答えのでない命題で、靴を履いて寝んばかり、の逡巡があるのです」と、語っていました。


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