1992年の新聞記事。黒沼さんのメッセージ性のある、よく響く名文が楽しめます。
モデラートを訴える黒沼さんに、いま叫ばれているソステヌート(サステナブル)をどう思うか伺ってみたいものです。
ずっと以前お会いしたとき、黒沼さんから「グアテマラに行った」と聞いて、うっかりドンナ用事があったのか聞いてしまいました。「何って演奏会に決まっています」と呆気に取られたような一言。このとき、ああこの人はグアテマラは、クラシック音楽を聴く人なんていない遅れた国だという偏見しかないのだ、と看破された思いでした。カラカスに行った、と聞いたときも同じ質問をして、同じ答えをもらったような記憶があります。自分の頭が、どうしようもない偏見と先入観の塊だと、思い知りました。
改めて読み「中庸(モデラート)をメイン・テーマに、新しい地球秩序の「平和の歌」がうたわれる日が近いことを祈る」という結び、難しいけれど大切な言葉です。
2018年に復刊したドボルザーク伝。版元のリブリオ出版は2015年に破綻した模様。同時期、美術出版もツタヤの兄弟会社に。出版不況とのこと。
こういう本を、デジタル化してはいけないのかしら。
冨山房さんいっそ、黒沼さんの著作を全部出してほしい。
趣味バイオリンの方に会って。インターネットで安価手軽に様々な音楽が享受できる時代を喜びつつ、ふと「黒沼ユリ子さんを知っていますか?」なんて。わたしは趣味でバイオリンは大変素晴らしいと思います。その方おそらく家の事情から早くに働き始め、しかし勉学に意欲的に取り組み、働きながら背中にバイオリンケースを背負って趣味を豊かにし。そんな向上心のある人が幸せになれない社会には違和感をおぼえます。願わくば無事に希望を達成し、シンプルに幸せになってほしいと願うばかりです。20歳を過ぎてから音楽を楽器を習う----大変なことです。ほんの少しだけ理解できるので。
弾く楽しみと合わせて聴く楽しみも深めてほしいと思います。その方が夢を実現するのには、趣味バイオリンはとても役に立つと思います。さらに黒沼ユリ子さんの足跡を知っておくことは、その方がやろうと努力していることに奥行きを与えてくれる、と思います。ぜひ、読んでほしい聴いてほしい観てほしい。合わせてご案内した「メキシコの輝き」の文化や芸術について、クーベリックの「わが祖国」について。
興行エージェントのサイトには経歴写真。かえって謎が深まるばかりかしら。
そして、藤沢の弁護士さんのブログなのかしら。こうしたことが記憶にとどめられるべきがインターネットであってほしいですし、復刊ドットコムにがんばってほしいものです。しかし、津波バイオリンとは、相変わらず果敢な方です。