坂の上のドイツウイーン菓子屋(2012年4月記)

ドイツ文化センターのトイレにあった貼り紙。ドイツらしい表示と絵柄で思わず撮りました。ドイツ人が描いたと思うのはわたしだけかしら。


2002年にドイツ訪問の際、ユーハイムのことを少し調べたことがあります。大元なのか関連なのか、がフランクフルトにあったとか?正真正銘日本の会社とのことです。丸ビル店ができたころから、色々な意味でしっかりしてきました。美味しくなったバウムやフランクフルターなど気に入っています。焼き菓子に「ラインゴルト」とかあったりして喜ばしてくれます。一時ビヒツマンとコラボしてレストランもやったように覚えてますが。大きいながらもがんばってほしいです。

サイトを覗いたら下記のような写真が。この切り方が美味しいと思うのですが、やってるとこは、ほとんどないですね。

神奈川のリリエンベルクは健在ですが、伝統よりは日本の消費者に向けてシフトしているようです。なんとなくお菓子としてのメリハリ感が日本的繊細さ優先ということで薄まっているような。
名古屋にあったフレーダーマウスはおそらく破綻したのでしょう。オーナーはその後、モロゾフに拾われてドイツ圏菓子ブランド「ランドルト」を立ち上げてもらったようです。そこのサイトのプロフィールには名古屋のフレーダーマウスのことは抹殺されています。個人がマイスターの資格を持っていることが偉いのでしょうね。わたしは、フレーダーマウスのことを経歴に書けないことの方が気になります。マイスターの資格が失敗したのでなく、名古屋の客が質が低く無理解だったとでもいいたげじゃ。

大阪のヴィーナーローゼは立派に代替わりしてがんばってます。翌日、翌々日でも美味しくいただける、またはより美味しくなるように丁寧に作っておられます。料理すること----いや食べ物を作ることに対して大変ディーセントだと思います。
福岡には、サイラーさんがありますが、確か太陽製粉さんのパンのインストラクターとして来日し、奥様と出あって定住したと思います。福岡の天神にはウイーンのオーバーラの支店もあって、そこが閉めるとき菓子のトップがサイラーさんに移って、サイラーさんの菓子部門が充実しました。
京都のグリュックスシュバインは行方不明?なのかしら。一時は東京にも店があったはずなのですが。

東京のデメルも表参道の大きな店は閉めて、物販に傾倒中でしょうか。検索したら、「上野・風月堂」の子会社とのこと。この風月堂は江戸時代から続く菓子屋らしいです。これとは全く無関係に新宿東口にフーケのもじりの名曲喫茶「風月堂」がありました。上野風月堂がデメルを開いたのはバブリーな1988年と。新宿のは東京オリンピックのあたりが山で1973年になくなった模様。

カヤヌマさんは、キュッヘンマイスターの神田さんとレストラン経営に乗り出し、きっとうまくいっている?のでしょうね。ケーキ屋もレストランもたいへん高価なので、残念ながら伺ったことがありません。
数年前に、ジローレストランが表参道紀伊国屋跡にできた某ビルにウイーンのカフェ・ラントマンの支店をライセンス契約。ここは安定しているはず、シュニッツェルも美味しかったですし、シュトルーデルもいただけて、近くに行ったら寄りたい店です。

そこへ神奈川で営業していたノイエスが、休業から復活。なんと赤坂草月会館の奥のゲーテ・インステュテュトの中に開店。朝8時から夜9時だか10時までフルタイム営業らしい。夕方行くと、カフェタイムの閑散時で、3人いたスタッフは誰も入り口を見ていません。ケーキもパンも品揃え少なく、売れたのか絞っているのか。イチゴのシュトルーデルは、イチゴとカスタードのクレープという感じ。白いチーズケーキはクレームダンジュに見えますが、トプフェン(クバークのことらしい)とだけ書かれていました。両方とも、ただ皿にのっているだけで何の説明もなく、スタッフともやる気のなさが見えて、美味しいものも不味く感じます。スタバスイーツとは正反対です。この店にスタバの店員がいたら。ノイエスのスタッフはお冷の継ぎ足しにも来ません。コーヒーはブラックを、つまりシュバルツァーを頼みました。ひどくはないけれど苦いだけ。ザッハのブレンドだとか書いてあるのですが----。ゲーテ・インステュテュトとは、どういう契約で営業されているのかわかりませんが、サービスを改善されて長く続けてがんばってほしいものです。

共通点。福岡サイラーは高宮の丘の上にあります。歩くと大変ね。大阪ヴィーナーローゼも玉造の坂の頂上にあります。神奈川のリリエンベルクも丘の上です。ドイツ系は、山岳信仰がありますので、高いところがすきなのです。さて、ノイエスも丘の上ではありますね。赤坂見附から上れば。京都グリュックスシュバインは「北に上った」北山のほうだったと。

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