見出し画像

新訳の「三文オペラ」または「25条オペラ」?(2014年9月記)

画像1

カテゴリーがまず難しいです。音楽劇ということ。一応「音楽の感想」にしますが、音楽としてはアンサンブルがイマイチかしら。
新訳の価値は日本語の「聴き取りやすさ」から判断して大変貴重なものかと思います。歌手とアンサンブルがこんにゃく座レベルだったら、もっと説得力が増したかも。ただこのイマイチさがブレヒト&ヴァイルの狙いかもしれません。
「にんげん」という言葉が多いのはブレヒトっぽい。まずは食べるもの。これもまた25条の劇「25条オペラ」じゃ。ジョン・ゲイの「乞食オペラ」改作。初めてオリジナル全編を観賞してみると、日本はもうこの作品で「あれ?」と思わせられる「異化効果」が通じないほどに、日本は「三文」以下になっているのでしょう。もしかして、「第三帝国」になっているのかも。
結構出演者が多いので、劇団が必要なんでしょう。昔行った俳優座が300席。新国は1階だけで倍以上。ブレヒトを国立劇場で、それがなんとなく滑稽。メッセージの「伝わらなさ」と観客の反応の「鈍感さ」が初台の国立という感じ。
演出は気に入らないです。もっと観客とコミュニケーションする演出の方がいいような。初めてなのでテンポあわないなあ。
せっかく「聴き取れる」新訳です。全編がシダックスのようなカラオケで展開する演出とか。
いっそメッキーをねずみ小僧にして全編演歌調にするとか。とすると氷川きよしがメッキー?今回は池内博之がメッキー。「お熱いのがお好き」のジョージ・ラフトのスパッツみたいでした。顔はラウル・ジュリアみたい。

舞台装置の客席から見て左奥をピット代わりにして、おそらくかなりきちっとした楽器編成かと。
検索したら、伴奏の楽器編成はフルート(ピッコロ)、クラリネット2(1本はバスクラ持ち換え)、アルト&バリトン・サックス、テナー&ソプラノ・サックス、バスーン、トランペット2、トロンボーン、ティンパニ&パーカッション、チェロ、ダブルベース、バンジョー(ギター)、バンドネオン、ピアノ(チェレスタ)、ハーモニウム、と小さいバンド構成----とあります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?