笑うバロック展(122) バロック・クラリネットとシャリュモー調べ

ネット検索していると、必ずバッハとクラリネットの接点、なぜ存在したのに使わなかった、が言及されるのですが、つまらない話です。バッハにとっては音は大きいが音域の狭い楽器には興味がなかっただけでは。そういえばメンデルスゾーン版のマタイでフルート付きソプラノのアリアは、オーボエダカッチャの代わりにクラリネットになっていたように記憶しています。

---------
大変便利な記事があったのでリンク。
「どうしてクラリネットはバロック時代に沈黙していた?」

現在聴けるバロッククラリネットとシャリュモーのレパートリはおよそ下記。

ビバルディ(1678-1741) 複数の楽器のための協奏曲
ゼレンカ(1679-1745) エレミアの哀歌、聖金曜日のための第2 シャリュモーまたはオーボエ可。(ヤコブス盤シュタルダー、セメラドバ盤フランティシェク)
テレマン(1681-1767) 2つのシャリュモーのための協奏曲ニ短調TWV 52: D1 (ホプリッチ、クレヴィト=ジーグラー)
コンティ(1681-1732) オブリガート付きカンタータ集 シャリュモー付き。(ペーター・ラプル)
グラウプナー(1683-1760) シャリュモー付き序曲、協奏的作品。
ラモー(1683-1764) フランス・オペラでは初めてクラリネットが用いられた「ゾロアストル」。
ヘンデル(1685-1759) 2つのクラリネットとホルンのための序曲ニ長調HWV424 (ホプリッチ、ワース)(パディ、 )
ファッシュ(1688-1758) シャリュモー協奏曲 (ローソン、ギリ・リノット、ライテラー)
モルター(1696-1765) 6つのクラリネット協奏曲(ヴェイハン)
CPEバッハ(1714-1788)  2つのクラリネットのための二重奏曲 H.636 (クレヴィト=ジーグラー、モンテス) / クラリネットとチェロ、ピアノのための6つのソナタ集 Wq.92 (クレヴィト=ジーグラー) 

画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

グラウプナーの関して。
クーナウの弟子で、ハンブルクでカイザーのオケで鍵盤奏者。ファッシュの師。
「----グラウプナーの生前にライプツィヒの新聞が行った当時の作曲家の人気投票では、1位はテレマン、2位はヘンデルで、グラウプナーは3位とされている、ちなみにバッハは7位であった----」クーナウ亡き後、カントルのポストは、まずテレマンに、彼が固辞したため白羽の矢はグラウプナーに。雇い主が移籍を許可せず、バッハのところへ。グラウプナーは、バッハの推薦状を書いたそうです。
そして数奇な運命から、「保管」され、「忘れ」られ、「再発見」されます。ウィキにはカナダのチェンバロ奏者が楽譜の発見と合わせて積極的に復興担った、と。ただ、シャリュモー絡みでの録音機会が思いのほかあり。わたしは、それでグラウプナーの名前を刷り込まれました。

古い録音ではシュタルダーが。モダンのシャリュモー使用かしら。
さすがヴェイハン、1994年にシャリュモー付き序曲集。モルターの協奏曲は力作ですが、よいところでライテラーあたりに録音してほしいかな。
トメが参加しているベッテンスのその名もグラウプナー・アンサンブル。「ダルムシュタット1740年頃のシャリュモーの音楽」と。

画像7

画像8



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?