シューベルティアーデ on youtube、またはシャイな音楽

(2017年5月記)

Piano Trio No 2 in E-flat D929 op.100 - Bezuidenhout - Mullova - Wispelwey
2009年のライブ。パソコンをステレオにつないで、なかなか迫力。
第2楽章アンダンテの冒頭チェロ好し。キューブリックの慧眼好し。
便利な楽章ごとのリンクがあることを最近知り恥ずかし。

それにしても録音再生の質が、こうした音楽のデータを金銭的な価値のないものにしてしまうなんて。
貧乏人にはありがたいように思います。
「貧者のシューベルティアーデ」とか「25条のシューベルティアーデ」でもいいかしら。

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変ロ長調トリオは、1年後の別なライブもアップされているのですが、全体に録音音量レベルが低い、しかし、第2楽章のチェロが即興的で素晴らしく、スタジオのセッションでは考えられない楽しみ。
トリオの前は、何回か最後の弦楽四重奏を楽しみました。これはミリアム・フリードが中心になったアンサンブルらしい。ボストンのイサベラ・ガードナー美術館でのライブの模様。
ソコロフのピアノもよく聴くのですが、もしyoutubeがなかったら、なかなか好んで選ばない演奏家とプログラム。お試しがそのまま質が高く聴けます。

(2017年6月記)

なんと美しく優しく。
ずっと以前からグートマンのチェロの音はお気に入りでした。
ボロディンカルテットといい、ロシアの弦はいいもの。
youtubeで1988年ホーエネムスのライブ。
シューベルト弦楽三重奏曲変ロ長調 D581。
カガン、グートマン夫妻にバシュメットが加わって。

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(2019年1月記)

ずっと以前テレビでグールドのインタビューを観ました。
その中で、シューベルトはナイーブな作曲家だというような発言が、記憶に。
続けて、もう一人同じようにナイーブなヴェーベルンという会話だったと。
実際は----次のよう。すごいことにこのドキュメントをブログに綴っている方がいました。「バシッといこうぜぃ blog」という。

グレン・グールドのドキュメンタリー映画
で、アントン・ウェーベルン門下の作曲家と対話する場面がある。インタビュアーである作曲家は「ウェーベルンはシャイな人物で、音楽もシャイだった」と言うが、それを聞いたグールドは「これがシャイな音楽だって?」と言うなり「ピアノのための変奏曲」の第2楽章を弾き始める。そして、そのあとに「これがシャイな音楽だよ」と言って弾くのはシューベルトの「交響曲第5番」だ。

MDプレイヤーを付けなおしたらまだ使用可能、それでMDをだして「シューベルティアーデ」と書かれたMDをかけてみました。
イ長調のバイオリン・ソナタが三人三様に。ミシェル・オクレール、ヨハンナ・マルツィ、アルチュール・グリュミオー。当時は退屈でした。余白にオクレールのハ長調ファンタジーが。
当時当方は気負って、ビオンディとトベルスカヤのCDを買い。ソナティナ3曲といっしょのもの。これまた退屈の極みにしか聴こえずでした。ヨランタ・スクラが売り出した過激四季のビオンディと、ロシアの妖精ピアニストの競演。1995年ビラ・メディチ録音。改めて聴くと退屈しません。なぜでしょう。20年余が過ぎ、ビオンディはまだ尖った活動継続、トベルスカヤの話題は静か。
ともあれ、MDシューベルティアーデで気になったのが、バイオリンとピアノのためのファンタジー。さざ波のように始まるピアノ、遠くから近づいてくるようなバイオリンの音色。いかにも「イントロ」っぽい。
それでふと思い出しました。似た始まり方の曲が好きなんだなあ。ブラームスならチェロから始まるのがお気に入り、みたいなもの。
それで好きなシューベルトを集めてみました。

1、ファンタジー、ウィスペルウェイのチェロとピアノの版
2、ヘルマン・プライの「夜と夢」
3、ウィスペルウェイの「しぼめる花」変奏曲
4、オクレールのオリジナルのファンタジー
5、ユリア・クライターの「岩の上の羊飼い」クラリネットのシャーリー・ブリルはゼーゲルケのツゲか何かのクラを使用
6、カガン、バシュメット、グートマンの弦楽トリオ


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