(2011年4月) クープラン(1668-1733)「ルソン」リスト-1　=6種

わたしにとってのクープラン(1668-1733)の「ルソン」は、ブーレイの2度目の録音から始まりましたので、そのCDを起点にブーレイ以前と以後に分けてリストアップします。

1988年録音
すべての始まり。きっと日本では1990年の発売と。CD普及が安定期に入りエラートの威信にかけた「ミュジフランス」の7巻目。ブーレイの名前は鍵盤奏者として知っていましたが、なんで手に取ったのだろうか。この先一生クラシック音楽鑑賞をささやかな趣味にしていこうと「決心」した1枚です。周辺で誰も関心がなく、誰かの意見や勧めでなく、自分自身との対話の中で、その音楽の価値を決めていかなければならないと「決心」し、その基準を決めました。わたしにとってのすべての音楽鑑賞のグリニッジ標準時がブーレイのこの1枚でした。1985年頃からクラシックに親しみ始め、このままいくと結局「昔はよく聴いたのですが」という一時のブームで終わるかどうかの瀬戸際で出会いました。おかげでその後の20年がなんとも豊かで実りの多い楽興の時を過ごせました。

ジャケット
ニコラ・トゥルニエ（Nicolas Tournier）「墓に運ばれるキリスト」の部分
(検索引用、よくご存じの方がいるものです)----生没年に不明な点があり、ハッキリしている洗礼日が1590年7月12日、出身がドイツ・スイスの国境付近のモンベリアール。晩年は南仏トゥールーズで過ごし、1639年2月以前に亡くなっています。父も画家でおそらく手ほどきを受けている。その後イタリアに移りカラヴァッジオ派の絵画を学びます。同郷のカラヴァッジオ派のヴァランタン・ド・ブーローニュの弟子となり、さらにイタリアではバルトロメロ・マンフレディとも影響しあっていたようです。

演奏
フランスバロックの古楽演奏の成熟期でしょう。バロック期の歌唱法、フランスバロック期のラテンテキストの発音などの研究が演奏に反映され始まった感。
歌手は、一応基本は女声、ここではM・v・d・シュルイスのソプラノとG・ロランスのメゾ(Sp/Ms)。伴奏は、ブーレイのポジティブオルガンとクラブサン、リュート、ガンバ(P-Org/Cemb/Lute/Vdg)が定着した感もあります。演奏時間が3曲セットで約40分。それまでの歴史的録音からすれば快速です。

ブーレイ以前

1970年録音

デラーのハルモニアムンディ版。

ジャケット
復刻されたものでデラーの横顔。ただレコード時代からデラーはポートレートがよく使われていました。レーベルにとっても大切な「顔」の一人。
演奏
歌手A・デラーのカウンターテナーとF・トッドのテナー(CT/T)。伴奏M・シャピュイ(P-Org/Vdg)。演奏時間が3曲セットで約46分。

1977年録音

元はオワゾリールでしょう。確かブーレイ校訂譜はオワゾリールからでていたと。

ジャケット
オワゾリールの元版不明。
演奏
歌手J・ネルソン/E・カークビー(Sp/Sp)。伴奏C・ホグウッド/(P-Org/Vdg)。演奏時間が3曲セットで約43分。

1982年録音

ヤコブスはヤコブスです。ちょっとジョン・ウエインみたいかしら。

ジャケット
ルーベンス「十字架降下」(有名な「フランダースの犬」のものでない)
演奏コンチェルト・ヴォカーレ
歌手R・ヤコブス/(CT/CT)。伴奏(P-Org/Cemb/Lute/Vdg)。演奏時間が3曲セットで約37分。

1985年LPリリース

レーベルは生きているみたいですが、簡単には入手できなさそう。

ジャケットも変わっていますが、未調査。

Colette Comoy(sp), Danielle Herlido(M-sp), Antoine Ladrette(Vc), Jean-Francois Frémont(org)
François Couperin ‎– Trois Leçons de Ténèbres pour le Mercredy Saint / Domenico Scarlatti - Salve Regina
Disques Du Solstice ‎– SOL42　France(LP1985、CD1998)

1987年録音

90年代の古楽CDのガイド本ではかなり評価が高いものでした。資料では女声用とされながら実際の録音では少なかったからかしら。

ジャケット
レンブラント「預言者エレミア」
演奏
歌手A・モノイオス/M・ザネッティ(Sp/Sp)。伴奏B・コードリエ/(P-Org/Lute/Vdg)。演奏時間が3曲セットで約38分。