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【長編】高校の七人「ミライとシンジ」

「ミライ……君は生まれついて、ほぼ聴力を持たなかった。だから、周りとの違いに、心を砕くこともあったと察する」

「……」

「自分語りをしてしまうが、俺は……!」
 
 そうして明かされたのは、シンジの凄まじい半生だった。
 
「たった1晩!それも1時間にも満たない間の話だ! 俺は父と母も、学校の友人も、みんな失った!」

「……」
 
「分かるか。当たり前にあったモノが、ある日突然なくなってしまう。俺には、耳も目もある。だが、それゆえに、今でも思い出す。溺れ死ぬ母の断末魔と、母を助けるべく飛び込んだ親父の波しぶきと……」

「……」
 ミライは


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