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【創作怖い話】真冬のプール

 隣町の小学校の話……
 幼馴染のケンジ(実名)は、水泳スクールで知り合った友人だった。

 ケンジの小学校では、真冬、外のプールが厳重に封じられるという。

 どこの学校でもそうだろう。
 真冬どころか、シーズン以外はプールを立入禁止にするはずだ。
 だが、隣町の小学校は事情が違った。

 真冬になると、絶対に誰も入らないよう、休み時間に見張りの先生が立つのである。

 それだけではない。
 シートを被せ、プールの中を見えなくしてしまう。
 ゴミが入らないようにするためだろうか。しかし、何故真冬だけに……?

 それに、どうせシーズン前にプール掃除を児童がやるのであるから、意味がない。
 一体、真冬、シートの下で何が起こっているのだろうか。
 ――― ――― ―――

 ケンジは言った。
「ずっと前、真冬に、あのプールに人が落ちて、心臓発作で亡くなったんだって。真実は分からないけど、いじめがあって、プールに落とされたらしい。真冬になると、その子の霊が現れるとか……」

 それらはただの噂話である。
 しかし、学校側の奇妙な対応は、いかがなものか……
 ――― ――― ―――

 その後、ケンジと同じ学校に通っていた、別の友人から話を聞くことが出来た。

「ああ、霊ってのは噂だけど……俺、真冬にあのプールを見たことがあるよ。あのね……」

 その子は神妙な顔をして言った。
「夕日が反射して見えなかったけど、何かが泳いでた。波紋があったんだよ。あの大きさだと、2mぐらいは無いとおかしいね。間違いなく人間じゃない。もしかしたら、外来種の養殖でもやってたのかな……」

 その小学校は廃校となってしまったが、まだプールはそこにある。
 今でも、異変はあるのだろうか?
 しかし、そもそも、水がない。
 浅く、雨水がたまっているだけである。

 当時、何があったというのか……
 今では掴む術がない。
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〇更新記録
・2021年2月7日 記録
・2023年12月31日 記載
・2024年2月21日 更新
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