【長編】恐怖の未解決事件
〇巻頭
遠い夏……俺達の友人が消えた。
かくれんぼをしていたとき、忽然と消えてしまったんだ。
まだ、隠れてんのかよ。
一体……どこへ行ったんだよ。
一体……何があったんだよ。
もういいよ、
もういいよ。
もういいよ……
――― ――― ―――
「深山ノ神隠し」とうたわれ、今なおオカルト・ブームの脚光を浴び、娯楽対象として扱われるこの事件だが、当事者の俺達としては、たまったモノじゃない。
誘拐された。
獣に食われた。
崖から転落した。
……
真実が分からない以上、色んな説が飛び交うだろう。
もちろん、この説も……
「子供達が集団でいじめた末に殺してしまい、口裏を合わせた」
好奇心と容疑の眼に苛まれた俺達7人は、その土地を離れざるを得なかった。
だが、たとえそのような心無い眼を向けられなくとも、その土地を離れていたと思う。
そうして、日本中に散った。
――― ――― ―――
〇更新記録
・
・
・
――― ――― ―――
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?